兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

第288回(平成18年9月)定例県議会で代表質問する橘泰三議員

第288回(平成18年9月)定例県議会 代表質問 橘 泰三

1.知事が考える真の地方分権について

地方の税財政に焦点を当てた平成14年からの「三位一体改革」は、国から地方へ3兆円の税源移譲が実現しましたが、その財源を生み出すために必要であった多くの国庫補助負担金の廃止は見送りとなり、国の強い関与を残したまま補助負担率を引き下げる手法が用いられ、地方の自由度の拡大という点では不十分なものとなっています。

さらに、本年7月に閣議決定された「骨太の方針2006」では、地方交付税については、現行法定率の堅持、総額の確保が示されたものの、「算定の簡素化を図る」ことが明記され、人口と面積をベースに算定する「新型交付税」の検討が進められるなど、「地方共有税」や「国と地方の協議の場の法定化」など地方の主張は反映されない内容となっています。また、道路特定財源についても、「一般財源化を図ることを前提に、早急に検討を進め、年内に具体案をとりまとめる。」ことが示されるなど、地方六団体が12年ぶりに意見書提出権を行使し、内閣と国会に提出した「地方分権の推進に関する意見書」や、道路特定財源の確保などに関する全国知事会等の提言に対して、政府からは何ら踏み込んだ回答がなされていないのが現状です。

一方、全国知事会では、新たな地方分権を推進するための法制定に向け、法案に盛り込むべき基本方針や理念に関する地方側の骨子をまとめ、地方の意見を法案に反映させるための検討を行うなど、地方財政や地方分権の第二期改革を巡っては、今後、国と地方の攻防が一層激しくなるものと思われます。

このような状況に鑑み、わが公明党議員団では、さる8月22日に、国に対して、地方の自主性・主体性を高め、分権型社会を構築するため、国・地方の税源配分の見直しや地方交付税の機能確保等について取りまとめた「三位一体改革のさらなる推進に関する要望」を提出し、地方の実情について説明を行ったところです。

兵庫県の財政状況に目を向けますと、税収の回復傾向は続いていますが、平成17年度の実質単年度収支は5年連続の赤字が見込まれ、自治体の財政健全度の新指標として導入された「実質公債費比率」は、震災復興事業の影響はあるものの都道府県で3番目に悪い19.6%となっています。

本県の財政状況が厳しい中、これまでのように地方の主張がないがしろにされ、今後も国主導で地方分権の第二期改革が加速していくことになれば、さまざまな課題を抱える本県の施策や行政サービスの水準はどうなるのか、財源は確保できるのかという不安が払拭できません。

そこで、このような時こそ、知事自身が考える真の地方分権とは何かを明確に示し、「元気なひょうご」づくりを目指しどのように本県の財源を確保しようとしているのかを、県民に発信していくべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いします。

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2.「がん対策基本法」に基づく本県の取り組みについて

本年6月、「がん対策基本法」が全会一致で可決、成立しました。同法には、国、地方公共団体の責務、都道府県による推進計画の策定、予防及び早期発見の推進、放射線治療などの専門医の育成や緩和医療の充実など、がん対策を総合的かつ計画的に推進するための規定が盛り込まれています。この法律によって、放射線治療医の育成を進め、欧米諸国並に放射線治療の選択の幅を広げることで、これまでの手術中心の治療から、患者自身が治療方法を選択できる医療の推進とともに、終末期医療として行われてきた緩和ケアを「早期から」行うことで、痛みや苦しみを抑え、患者の生活の質を高める医療体制の整備などが期待されます。

しかし、そうした中、「がん対策先進県ひょうご」の実現に水をさす出来事がありました。本年7月、厚生労働省は、「がん診療連携拠点病院」として新たに全国の42病院を指定しましたが、本県が申請した県内41病院は全て指定が見送られ、その結果、兵庫県と秋田県だけが診療連携拠点病院が一つもない「空白県」として、新聞等で大きく報道されました。今回の報道がなされたことにより、兵庫県の医療が全国的に見て非常に遅れているかのようなイメージを受け、多くの県民の皆様が大きなショックを受けたことは事実であり、「がん対策先進県ひょうご」の実現に向けて日々取り組んできた我が会派としても、誠に残念でなりません。来年1月に二次指定がなされるとのことですが、次回は何があっても指定を受けていただきたいと思います。

言うまでもなく、本県は「新ひょうご対がん戦略」等による総合的な対策を推進しており、この分野の医療水準は、全国的に見てもトップクラスと言えます。全国の自治体で初めて開設された県立粒子線医療センターは、陽子線治療と炭素線治療が可能な世界で唯一の施設ですし、県立成人病センターは、PETによる精度の高い診断や手術、放射線療法や化学療法による高度な集学的治療を提供するなど、十分な実績があります。

基本法の成立によって、本県においても、これまでの実績に加え、専門医等を育成・確保するシステムの構築をはじめ、検診の受診強化、放射線治療や化学療法、緩和ケアの充実・普及などを含む総合的ながん対策推進計画を策定し、その計画に基づき実効性のある取り組みを展開することにより、死亡率が全国平均を上回っている肝がん等の対策をはじめ、県内の医療水準の一層の向上が期待されます。

そこで、基本法制定に当たり、わが公明党が特にその必要性を訴えてきた放射線治療専門医の育成と、緩和医療の充実・普及への本県の取り組みについて、「がん対策推進計画」の策定も睨んで、方針をお伺いします。

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3.医師確保対策の取り組みについて

少子・高齢化の進展、医療ニーズの多様化など医療を取り巻く環境は大きく変化し、地域や診療科における医師の偏在をはじめとする医師不足は深刻化し、かねてより大きな問題となってきたところです。 全体として見れば、医師の数は増えているにもかかわらず、都道府県別の「偏在」、同一都道府県内でも都市部と周辺部での「偏在」、そして診療科別の「偏在」が指摘されており、この問題を解決するキーワードの一つが「医師の偏在」です。 それぞれの偏在には、従来、地域への医師派遣の調整機能を果たしてきた大学医局制度の衰退、それを加速させた新医師臨床研修制度、増え続ける女性医師の子育て・再就職支援など就業環境の整備の遅れ、夜の緊急呼び出しなど時間を問わない激務や訴訟の多さなど、さまざまな要因が絡み合っているのが現状です。

わが公明党では、本年6月に、地方の実態調査や有識者・関係団体との意見交換を踏まえた「深刻化する医師不足問題対策への提言」をまとめ、厚生労働・総務・文部科学の各大臣に対し、地域偏在対策、診療科偏在対策などに関する申し入れを行いましたが、本県議会においても、6月定例会で「医師確保対策に関する意見書」を採択し、国会及び関係行政庁に提出したところです。

このような中、厚生労働省の「医師の需給に関する検討会」が、本年7月に、「長期的には必要な医師の需給は満たされるが、地域や診療科によって偏在があり、医師不足解消のための取り組みが必要」とする最終報告書を示し、その後も、大学医学部の暫定的な定員増や「地域医療支援中央会議(仮称)」の設置などを盛り込んだ「新医師確保総合対策」が発表されるなど、地方の切実な声を踏まえた国の対策が徐々に進みつつあります。

本県における人口10万人当たりの医師数は全国平均を下回り、小児人口及び女性人口10万人当たりの小児科及び産婦人科の医療施設従事医師数も、平成14年と16年の比較ではいずれも減少しており、地域によっては大幅な減少も見られるのが現状で、県に対して、県下各市町長をはじめ各種団体から医師確保に対する切実な要望が頻繁に寄せられています。

この度、県は「医療確保緊急対策」を発表し、知事を本部長とする「医療確保対策推進本部」の設置をはじめとする医療確保体制の強化や、ドクターバンク事業への支援など、県のリーダーシップのもとで各種の施策を展開されるわけですが、とりわけ産婦人科や小児科など出産や小児医療にかかわる医師の不足は、子どもを産みたくても不安で産めないという心理的不安で少子化に拍車をかける結果になりかねません。そこで、特に産婦人科と小児科の医師確保に向け、短期的な対策及び中長期的な対策について、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、知事の所見をお伺いします。

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4.障害者自立支援法に対する本県の取り組みについて

障害者福祉サービスの安定した拡大を実現する抜本改革として成立した「障害者自立支援法」は、本年4月より施行され、10月から全面施行されることとなっています。

「障害者自立支援法」は、分立していた障害者福祉サービスを一元化することにより、精神障害に対する福祉サービスを身体・知的障害と同等に位置づけるとともに、サービス給付の安定した財源の確保を実現し、障害者福祉サービス全体をより体系的なサービスへと再編を図ることで、今後の障害者福祉の発展の基礎となるものと理解していますが、一方では、当事者の負担のあり方や、新たな制度の下での事業運営や事業体系への移行等について、様々な課題が指摘され、また、新たな制度への理解が必ずしも十分でないことから、当事者の方々が多くの不安を抱いているのが現実です。

同法にかかわる課題は多岐にわたりますが、この度の全面施行に伴う障害者小規模作業所への支援に的を絞って質問をさせていただきます。

小規模作業所については、同法に基づく「地域活動支援センター」に段階的に移行することになり、センター移行には、作業所が法人格を持ち、利用者が概ね10人以上あることなどが条件で、国はセンターに対して補助を行う方針となっています。

現在、県内には神戸市を除き約300の小規模作業所があり、その約6割が利用者10人未満で、県や市町の補助を受けて運営を行っていますが、作業所関係者は、「センター移行のため、法人格を取得し、一日の利用者を10人以上に増やして職員や運営資金を確保することは困難」、さらに「小規模作業所の受け皿となる地域活動支援センターの具体像が見えない。」など、新たな制度への移行に関して様々な不安を募らせており、神戸では5人以上の作業所に補助する現行制度の存続などを求めて、署名活動が行われているとの新聞報道もなされました。

この一日の利用者が「10人以上」という人数要件は、わが公明党の国会での主張によって「概ね」という文言が加えられ、地方自治体の自主的な判断で、仮に要件を満たさない場合でも補助の対象となる可能性を高めたものであると考えています。

本県においては、5人以上10人未満の小規模作業所に対して、現行の補助制度を基本的に維持することを発表されましたが、当面3年間の経過措置であり、その間に果たしてどれだけの作業所がセンターに移行できるのか、3年経過後に補助制度は維持されるのか、こうした関係者の不安に対し、県はどう応えていこうとしているのか、センター移行への人数要件の緩和も含めて、知事の所見を伺います。

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5.少子化対策について

昨年、わが国は、年間の出生数が死亡数を下回るという「自然減」を初めて記録し、従来の予想よりも早く「人口減少社会」に突入しました。また、合計特殊出生率は、全国平均で1.25と過去最低を更新しましたが、本県では全国平均をさらに下回る1.20となっています。

県内出生数は今年に入って増加のきざしも見られるようですが、5月に出された「少子社会対策推進専門委員会報告書」にも記されているように、第2次ベビーブーム世代がまだ30代にある、ここ5年間程度の期間がわが国の少子化対策にとって特に重要な期間であり、まさに少子化対策は「時間との闘い」の局面に入っていると考えるべきです。 このような現状を踏まえ、少子化対策について、2点質問をさせていただきます。

まず、第1点は、乳幼児医療費助成制度のさらなる充実についてであります。

本県では、昨年度に少子対策本部を設置して以来、我が公明党が提言した妊婦健康診査費補助事業を新たに創設し、後期健診への助成を開始するなど、さまざまな対策に取り組んでおられますが、少子化に歯止めをかけるためには、さらなる効果的な支援策を打ち出す必要があると考えます。

わが公明党としても、子育て支援策としては、経済的支援のほか、仕事と子育ての両立支援、地域や社会における子育てのための環境整備などを総合的に行っていく必要があると考えますが、子育て世帯の方々から話を伺っていますと、やはり経済的支援に軸足を置いた支援策、それも、できるだけ多くの県民に平等に行き渡るような支援策を実施することこそが最も重要であると考えます。

そこで、より実効性の高い子育て支援策として、県独自の乳幼児医療費助成制度のさらなる充実を提案いたします。 乳幼児医療費助成制度について、本県は、これまでも就学前の子どもを対象に、受診機会の多い外来の負担限度額の引き下げなどを実施してきており、確かに都道府県レベルでは手厚い内容になっているかもしれませんが、現行制度では、小学生の子どもが病気になった場合に、医療費がかかることが原因で、親が病院に連れて行くことをためらってしまうといった恐れもあります。さらに、先月の新聞報道等によりますと、県内の市町の約7割に相当する30市町が県の制度に独自の上乗せを行っているのが実情です。例えば、明石市では、所得制限があるものの、小学6年生まで外来、入院とも無料としています。このように、県内でも市町によって助成制度に差が生じ、地域間格差が生じています。

そのため、県としては、来年度は対象を小学校3年生まで拡大し、段階的に小学校6年生まで拡大するなど、県内の子育て世帯が等しく助成を受けられるようにすることで、子育て世帯の負担感を減少させるべきだと考えます。乳幼児医療費については、6月に成立した医療制度改革関連法によって、2割負担の対象が現行の3歳未満から2008年度には小学校入学前まで拡大されることから、軽減される県単独の助成額を前倒しで財源充当することなどが考えられます。

そこで、本県における少子化の流れに歯止めをかけ、元気なひょうごを実現するために、県独自の乳幼児医療費助成制度のさらなる充実を要望いたしますが、知事の積極的な答弁をお願いします。

次に、認定こども園の促進についてであります。

本年6月、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」が成立し、幼稚園と保育所及び子育て支援の機能を併せ持つ認定こども園が、全国各地でスタートします。本県においても、先月国が告示した認定基準の指針等に基づき、具体的な認定基準等を定める条例の制定作業が今、まさに行われていることと思います。近年、わが国では、小学校就学前のこどもの教育や保育に関するニーズの多様化により、保育所への待機児童が全国で約2万3千人に上る一方で、幼稚園の利用児童がこの10年間で約7万人減少していると言われますが、認定こども園は、こうした問題を解決し、教育・保育や子育て支援に関する多様な機能を総合的に提供する新たな仕組みとして期待されます。

このように大きな期待のもとにスタートする認定こども園ですが、県で推進するに際して考慮すべき課題もあります。国の制度では、親の就労の有無に関係なく入園できるのは3歳児からで、0歳から2歳児については依然として「保育に欠ける」ことが入園の要件となっています。生まれて間もない子どもの面倒を親が見ることは最も望ましい姿ではありますが、預けたくはないけれども、預けざるを得ないというケースは、現実問題として存在します。県では、0歳から2歳児の保育に欠けない児童の受け入れについて、条例で努力義務とする規定を設ける方針と伺っていますが、これらの児童受け入れが積極的に推進されるよう期待いたします。

また、認定こども園には、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型の4つの類型がありますが、このうち、幼稚園・保育園のいずれの認可もない「地方裁量型」については、国からの補助がありません。そのため、「地方裁量型」に対するインセンティブとして、県独自の助成制度を設けることによって設置を推進するなど、利用者、設置者双方にとってメリットの大きい仕組みを構築し、県民の期待に応えていくことが必要と考えますが、知事の所見をお伺いします。

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6.県営住宅の家賃制度のあり方について

公営住宅は、健康で文化的な生活に足りる住宅を整備し、住宅に困窮する低額所得者に対し低廉な家賃で供給されることを目的としています。

公営住宅の諸制度は、高齢化のさらなる進展や社会経済情勢の変化など公営住宅を取り巻く動向を踏まえつつ、入居者や県民ニーズを反映し、公平性や適切な居住水準を確保したうえで見直しを行っていくことが必要と考えます。

本県においては、「ひょうご住宅マスタープラン」の改訂版〜ひょうごの住まいの元気アッププログラム〜を本年4月に策定し、目指すべき3つの住まい像を掲げ、各種の住宅政策に取り組んでおられるところです。一方で、本年6月には、戦後の住宅政策を量の確保から質の向上へと根本的に転換する住生活基本法が施行されました。このような県のマスタープランや国の新たな法律は、今後の住宅政策を推進するうえで非常に重要であることは言うまでもありませんが、最初に申し上げたように、真に住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で住宅を供給するという、公営住宅の主旨を実現していくことこそ、最も重視すべき根本的なポイントではないかと考えます。

公営住宅の家賃制度に関しては、平成8年に現行の入居収入基準や家賃算定にかかる応益係数が定められてから10年が経過し、現在の世帯所得の状況や住宅市場の動向などと乖離が生じているため、国において、直近の調査結果をもとに入居収入基準や家賃決定の要素である家賃算定基礎額、応益係数などを、平成20年4月から見直す方向で検討が進められています。その具体的な見直し内容は、収入分位25%をカバーする入居収入基準については、いわゆる政令月収20万円が15万8千円となるほか、試算によると、家賃が30%程度上昇するケースもあると聞いています。国では、一定の経過措置を講ずることとしているようですが、この見直しよって、公営住宅から退去を余儀なくされる入居者が多数生じることが想定されます。

さらに、昨年1月の税制改正によって、公的年金等控除額の65歳以上の上乗せ措置と老齢者控除が廃止となり、加えて震災特別減免制度から一般減免制度への移行など、公営住宅の家賃をめぐる状況は入居者を含め県民にとって、非常に厳しいものとなっています。

我が公明党議員団は、こうした国の動きに対して、「公営住宅管理制度の見直しに関する要望」を取りまとめ、8月22日に国土交通大臣に直接手渡してきたところであり、今後も継続して地方の実情を、党を挙げて訴えていく所存です。

公営住宅の家賃については、国が法令によって統一的に基準等を定め、地方の裁量が発揮しにくい制度であることは承知していますが、現在、国が検討している家賃制度の見直しを入居者を含め県民に理解してもらうことは非常に困難ではないかと考えられます。

そこで、県民の負担増大を避けるため、県がより積極的に国の見直しに対して意見を述べていくとともに、本県が独自に裁量を発揮できる弾力的な運用を前向きに検討していくことが求められていると考えますが、所見をお伺いします。

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7.まちづくりの将来像について

先の通常国会において、まちづくり三法の見直しが行われ、都市計画法、中心市街地活性化法の改正法が可決、成立しました。

改正都市計画法は、郊外の土地利用規制を大幅に強化し、床面積が1万平方メートルを超えるスーパーや映画館などの大型店が立地できる地域を、法で定める「商業」「近隣商業」「準工業」の3用途地域に限定して、事実上、郊外への出店を規制しています。

一方、8月に施行された改正中心市街地活性化法は、まち中心部の活性化に向けて住宅や商業施設の誘導策を盛り込み、市町が策定した基本計画が国に認定されれば、マンションなどの住宅や商業施設等の整備を国が補助金によって支援するというものです。

今回の「まちづくり三法」見直しの目的は、衰退に歯止めが掛からない中心市街地に活気を取り戻し、自宅から徒歩や自転車、公共交通機関などで行ける範囲内に、日常生活に必要な諸機能が集約された「コンパクトシティ」の構築、すなわち「歩いて暮らせるまち」の構築を目指したもので、わが国が直面する人口減少・高齢社会に対応したまちづくりを促進することにあります。

しかし、法改正によって活気ある中心市街地の形成が約束されるわけではなく、まちづくりの新たな枠組みが提供されるに過ぎません。地方都市では、駅を中心とする市街地で活気を失った商店街や空きビルなどが数多く見られ、本県もその例外ではありません。こうした中心市街地を再生するためには、地元自治体や企業、地域住民の努力、連携が不可欠で、地域の特性を活かした魅力あるまちづくりを進めるためには、それぞれが知恵を出していくことが求められており、その意味では、今、まちづくりの将来像をどう描くかが問われているのではないかと考えます。県下では、中心市街地を取り巻く厳しい環境の中、神戸市新長田地区、阪神尼崎駅前、篠山市の取り組みが国の「がんばる商店街77選」に選定されるなど、まちのにぎわい回復に向け地域一体となった努力や連携も進められています。

本県では、平成11年に人間サイズのまちづくりを県民との協働の下に推進することを基本理念とした「まちづくり基本条例」を、昨年3月には「大規模集客施設の立地に係る都市機能の調和に関する条例」を制定するなど、総合的に施策を推進してこられたところです。

そこで、本県独自のまちづくり施策への取り組みや改正法のメリットを活かし、中心市街地の活力を取り戻し、賑わいのある「まち」として再生するために、知事が広域調整機能をいかに発揮して本県のまちづくりの将来像を描いていくのか、具体的な方針をお伺いします。

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8.明石海峡大橋の料金体系の見直しと淡路島内の交通安全対策について

本州四国連絡高速道路株式会社は、昨年10月に民営化され、いずれも本州と四国を結ぶ西瀬戸・瀬戸中央・神戸淡路鳴門自動車道の3つの道路を管理運営しています。とりわけ本県の基幹道路として淡路島を縦断する神戸淡路鳴門自動車道は、四国・淡路から京阪神への人と物流のルートとして重要な役割を果たしています。

本州四国連絡道路の通行料金は、平成10年4月の神戸淡路鳴門自動車道の全線開通に合わせ特別料金として、基本料金から20%の割引を実施しましたが、高速自動車国道と比較してまだまだ割高な通行料金に対し、さらなる料金値下げを求める多くの署名が寄せられました。また、平成14年12月の定例会において、本県議会では「本州四国連絡橋公団の債務処理と通行料金に関する意見書」を採択し、できるだけ利用しやすい通行料金の実現を国に求めてきたところであり、開通から5年が経過した平成15年7月からは、新特別料金としてさらに10%の割引となった結果、当初設定の基本料金から28%の引き下げが実施されたことになります。

しかし、安くなったのでどんどん利用しようとはならないのが現実です。本州四国連絡道路と高速自動車国道の料金体系を比較した場合、普通車の1キロメートル当たり単価は、明石海峡大橋では約16倍に設定されており、やはり割高感は否めません。

一方で、西浦の県道福良江井岩屋線すなわち県道31号線は、道路幅が狭く歩道の整備が遅れていることに加えて、大型のトラックが頻繁に通行するため、特に通学路としては大変危険な状態が続いており、通学の安全を確保するうえで大きな問題があると感じています。

県道の拡幅と歩道整備については、鋭意努力されていることと推察しますが、県道には住宅が張り付いており、用地買収をはじめいよいよ立ち退き交渉となれば予定通り進まないのが現状ではないかと考えます。

大型トラックのドライバーは、少しでも通行料金を節約するため、淡路島内の県道31号線を通り、淡路インターチェンジから明石海峡大橋を利用するケースが特に多いようです。

本州四国連絡高速道路株式会社においては、コスト削減や経営合理化はもとより、民営化後、料金設定の原則が、従来の便益主義から公正妥当主義に移行したことからも、社会的に認められる公正妥当な料金体系となるよう努力をしていくべきだと考えます。

そこで、交通安全重視の観点から、県道31号線へ迂回する大型トラックの通行自粛を含めた総合的な交通安全対策を早期に実現する。あるいは淡路島内の県道へ迂回する車両を神戸淡路鳴門自動車道へ誘導するために、極端に割高な明石海峡大橋の区間料金だけでも引き下げてトータルの通行料金に割安感を持たせるなど、具体的な料金体系の見直し策を本州四国連絡高速道路株式会社に働きかけていくべきだと考えますが、当局の所見を伺います。

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