兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H28年9月第333回 定例議会 伊藤議員 一般質問

 第333回定例県議会で、伊藤勝正県議が代表質問に登壇しました。中では、兵庫の未来を拓く柱となる、地域創生の加速への取り組みや行革達成後の課題、平成31年度以降の県政の方向性を中心に県の考えをただしました。ほかにも、障害者施設の安全管理体制や瀬戸内海の環境保全、耐震化事業など県民生活を守るための諸課題について具体的な答弁を求めました。

第333回(平成28年9月)定例県議会 代表質問 伊藤勝正

質問項目

  1. 第3次行革プラン3年目の総点検における課題と検討方向について
  2. 第2次補正予算等を生かした地域創生加速策について
  3. 若者の政策形成過程への参画の推進について
  4. 障がい者施設の安全管理体制の確立について
  5. 手話言語やコミュニケーションを促進する条例の制定について
  6. 豊かな海の再生について
  7. 住宅耐震化事業の見直しと再強化について
  8. 平和教育の推進について
  9. 第一線で活躍する警察官にスポットを当てる広報啓発の推進について

質問・答弁のダイジェスト

1、第3次行革プランの総点検における課題と検討方向について
伊藤県議
 平成30年度を目標年次とする第3次行革プランが残り2カ年となったが、当初予算の財政フレームベースで、今年度の収支不足額は320億円まで減少した。収支均衡の実現と将来にわたる持続可能な行財政構造の確立に向け、ようやくゴールが見えてきた。

 総点検における課題と検討方向について、8月の行財政構造改革調査特別委員会の席上で、わが会派の主張を述べたが、改めて3点指摘しておきたい。

 まずは、一部の事務事業の削減についてである。特に老人医療費助成事業について、なぜさらなる削減に取り組む必要があるのかという点だ。これらの事業は国の地方財源の抑制下においても、財政フレームにおいて既に織り込み済みだったことから理解できない。

 2点目は、投資的経費の県単独事業についてである。先般、わが会派で但馬・丹波・淡路地域で要望会を開催した。市町からは、県単独事業の予算が入らず事業が進まないとの意見が多く出された。県は、行革を進める中にあっても、地域創生を支える基盤整備を推進するといいながら、投資的経費の県単独事業は平成19年度の1120億円から平成30年度の575億円と約半減している。これでは、地域の基盤整備ニーズに十分応えられないのではないか。3点目は、これらの事業費が削減される一方、行革の目標達成に向けて率先した行動を実施する責務がある特別職の給与抑制措置を縮小している点である。

 以上3点に加え、今回の見直しにあたり、平成31年度以降の新たな行革に取り組むか否かを含めた行財政のあり方について議論することとされているが、ここは一旦、平成30年度で目標を達成したことを県民に示し、けじめをつけて行革を終了させるべきだ。現行行革機関での最後の総点検となることを踏まえ、どのように行革にとりくむのか知事の決意を。

井戸知事
 老人医療費助成については、県民の平均寿命や健康寿命が80歳前後となる中で、65〜69歳を老人として特別な対策を行う必要性や特別な配慮の有無について検討したい。投資単独事業については、地方財政計画の水準を基本に道路整備、津波対策、老朽化対策など本県独自の需要を踏まえて、今後の投資水準を検討していく

 給与抑制措置については、改革努力の一環として、職員の理解と協力を得て実施している。特別職は行財政運営の責任者としての立場からより厳しい内容で取り組んでおり、そのような趣旨を踏まえて検討していく。

 平成31年度以降の行革については、これまで進めてきた構造改革をそのまま延長することは考えられない。一方で、平成31年度以降も税収の動向、震災関連県債等の償還が続くことから、不断の行革に取り組んでいかなければならない。ご指摘の点は、先に行財政構造改革調査特別委員会からの意見や行革審議会や行革県民会議からの意見と合わせて、企画部会案の策定に取り組む。


2、第2次補正予算等を生かした地域創生加速策について
伊藤県議
 地域創生戦略のスタートの本年、各県民局・センターや市町ごとに地域創生戦略が策定されており、戦略の着実な推進が図られている。戦略は、各施策や事業の新着状況を明確にするために、KPI(成果指標)を示したアクション・プランのもとで進められており、進捗管理が徹底され実施状況については有識者で構成する兵庫県創生戦略会議にて検証される。その結果が今定例会に報告された。地元県民局の地域創生戦略会議にオブザーバーとして参加し、進捗状況などを確認した。予算規模が小さい中、苦労して戦略を策定されているが、県民局単位の地域ビジョンとのちがいが見えないし、市町との連携が不透明などの印象を持った。

 国では2016年度第2次補正予算が臨時国会で審議される。
内訳は、
@1億総活躍社会の実現加速
A21世紀型のインフラ整備
B英国の欧州連合(EU)離脱への対応と中小企業、地方の支援
C熊本地震や東日本大震災からの復興と安全・安心、防災対策の強化などからなっている。
これらの中には、兵庫県地域創生戦略の中でも重要な位置を占める若者の流出対策、子育て・介護の環境整備、中小企業の経営寮強化や生産性向上支援が含まれるほか、水道施設の水質安全・耐震化対策などの老朽インフラ整備も盛り込まれており、生活密着型補正予算といえる。 

 そこで、補正予算を生かした地域創生の今後の展開について所見を。

井戸知事
 人口の地元環流・定着を促進する「UJIターン対策」と「交流人口拡大対策」を一層強化する。具体的には、大学生をはじめとした若者の県内企業への就職を進めるため、中小企業の従業員に対する奨学金返済支援を全国に先駆けて取り組む。県外居住の第2新卒者が県内企業に就職する際の転居費用の支援等を実施する。 また、全国各地からの移住相談に一元的に対応するため、東京に引き続き神戸市内にもカムバックひょうごセンターを設置する。さらに、関西圏全体に兵庫五国の地域資源や住みやすさ等を紹介する「ひょうご博覧会in大阪」の開催など、県内への人口環流・交流人口拡大に向けたキャンペーンを展開していく。

 一方、将来に向けた地域の活性化を促進するため、県立工業技術センターやものづくり支援センター等への最新技術機器の導入、Spring−8の県ビームラインの高効果率化・自動化、人と防災未来センターや但馬牛博物館のリニューアルなど、県内の産業支援施設や集客拠点の整備を図る。あわせて、平成30年度の県政150周年に向け、スタートアップ・シンポジウムを開催し、兵庫県の歩みを次世代に発信していく。

 これらの取り組みを一つひとつ着実に推進しつつ、市町の対策や県民局施設とも連携、協力を図りながら未来への飛躍に向け地域創生を一層加速していく。


6、豊かな海の再生について
伊藤県議
 瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律が施行され、1年が経過しようとしている。改正された瀬戸内法では、瀬戸内海の環境の保全に関する基本理念が新設され、瀬戸内海の特性・意義・保全目的などがより明確になった。世界に誇る景観と、漁業等の活動と、地域の元気の3つが調和した景勝地こそが瀬戸内海であり、これを明記しその保全に向けた具体的な取り組みを求める点で、今回の改正は意義がある。

 県では、長年にわたり瀬戸内海の保全と再生に向けた取り組みを推進してきたが今後は環境の再生・保全にとどまらず、自然と人々の生活・生業及び地域のにぎわいが調和した豊かな海・瀬戸内海を目指すこととなり、沿岸地域の活性化、漁業の活性化に向けた施策もあわせて一体的に取り組んでいく必要がある。

 基本理念を守るための具体策を推進するためには、従来にもまして環境行政と水産行政、県土整備行政などの部局が連携した施策の一体的な推進、農業をはじめ多様な沿岸域関係者の参画と協力が必要となってくるが、改正瀬戸内法を受けて豊かな海の再生に向け、いかに取り組んでいくのか。

井戸知事
 近々策定予定の「瀬戸内海の環境の保全に関する兵庫県計画」においても、従来型の水質保全等の環境保全の枠を越え
@豊かな海を守り育てる栽培漁業の推進
A漁業の担い手の育成
B漁場環境観測システムによる情報提供
C漁業者と農業者との連携による「かいぼり」
D生物多様性の確保に効果的な環境配慮型護岸等の採用
E瀬戸内海に特有な景観を活用したツーリズムの推進等、
様々な分野の施策も盛り込むこととしている。

 県計画の推進には町内外の連携や様々な主体の参画が不可欠である。そのため、県計画の策定段階において、関係府県と連携し湾灘ごとに漁業団体、環境NPО、観光団体等の意見を聴いた。今後、関係者で構成する播磨灘等環境保全協議会により、県計画の点検・評価を行い、その推進を図り、この取り組みを大阪湾にも広げていく。また、知事を会長とする環境適合型社会形成推進会議で総合調整し、部局横断的に推進する。


7、住宅耐震化事業の見直しと再強化について
伊藤県議
 この度の熊本地震で大きな被害が出た要因は、熊本県では企業誘致などを進めていく上で、地震の起こらない県を標榜していたため、地震に対する対応が遅れていたとの指摘も出されている。特に益城町では、台風に備えて屋根瓦を重くした木造建築が多く存在したため、全壊家屋が熊本県全体の約3割にも達するという大惨事にみまわれた。

 1981年に施行され、2000年に強化された現行の耐震基準は、震度6強から震度7の揺れが起きても人命を守ることを目標としている。報道では、国土交通省の有識者委員会は、現行の建築基準法の耐震基準について、おおむね妥当と評価する方針を固め、耐震基準の大幅な改正は見送られるとのことである。ただし、1981年以降2000年以前に建てられた木造住宅の被害が大きかったことは事実で、基準の不徹底が指摘されている。

県で実施している、ひょうご住まいの耐震化促進事業については、新耐震基準の住宅は補助の対象外となっているが、先に述べた国の有識者委員会の議論を踏まえると、旧耐震住宅に加えて新耐震住宅でも一定の基準を満たせば補助の対象とするなど、住宅耐震化の取り組みを一層強化する必要があると考えるが所見を伺う。

井戸知事
 9月12日に国が公表した「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う検討会」報告書(案)によれば、最も被害の大きかった益城町4地区の木造建築物1955胸を調査した結果
@旧耐震基準住宅(1981年5月以前の基準)の倒壊率が27.9%(215/770棟)と、新耐震基準住宅(1981年6月以降の基準)での6.9%(82/1185棟)と比較して顕著に高いこと
A倒壊した新耐震基準住宅のうち、9割以上(75/82棟)が柱と土台・梁との接合部の詳細な基準が明確化された2000年以前のものであることが指摘されている。

 これらの指摘から、旧耐震基準住宅の耐震化の重要性を改めて認識するとともに、新耐震基準住宅のうち2000年以前の住宅への対応の必要性が明らかになった。しかし、接合部の確認や補強には、一般的には各接合部周辺の壁・天井・床の一部撤去が必要となり、新耐震基準住宅の耐震診断や耐震補強工事を広く実施していくうえで、より合理的な方法が求められる。このため、報告書(案)では、国及び国の研究機関に対し、こうした住宅の被害の抑制に向け、具体的な措置の検討を求めている。

 本県では、まずは倒壊率の高かった旧耐震基準住宅について、全国でもトップレベルの補助制度と草の根意識啓発により、その耐震化をより一層推進するとともに、新耐震基準住宅については国の検討状況を注視しつつ、被害抑制に向けた効果的な方策の検討に取り組む。


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