兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H29年12月第338回 定例議会 伊藤議員 代表質問

 伊藤勝正県議が、第338回定例県議会で12月7日、代表質問に登壇しました。質問では、将来を見据えた県庁組織の改革・強化をはじめ南海トラフ巨大地震への対策やがん対策・介護システムの構築など県民が安心して暮らせるための施策について、幅広い視点から県の考えをただしました。

第338回(平成29年12月)定例県議会 代表質問 伊藤勝正

質問項目

  1. 組織のガバナンス強化について
  2. 新たな情報を活かす南海トラフ巨大地震・津波対策について
  3. がん対策について
  4. 安心な介護システムの構築について
  5. 収入保険制度の周知について
  6. 瀬戸内海の再生に向けた取組について
  7. 地域の実情に合わせた交通バリアフリーのあり方について
  8. 教員の働き方改革への取組について
  9. 交通安全インフラの整備促進について

質問・答弁のダイジェスト

2、新たな情報を活かす南海トラフ巨大地震・津波対策について
伊藤県議
  11月1日に兵庫県は、県内南海トラフ巨大地震津波浸水想定区域である14市1町と共同で、南海トラフ巨大地震の発生に備え津波浸水想定区域内での避難に特化した訓練を実施した。地震や津波に限らず、近年多発する豪雨、河川氾濫、土砂災害においても迅速な避難の必要性がクローズアップされている。

 阪神・淡路大震災の発生から20年以上経ち、あらためて南海トラフ巨大地震への備えについて防潮提などハード対策を着実に進めると同時に、今後は減災の基本である迅速な避難とそれを可能とする建物倒壊防止や避難路の確保の減災対策について、スピード感をもって進めることにより避難環境を整備していくことも必要である。発災しても命を守ることのできる住宅等の耐震化や住宅密集地の避難経路確保、災害時要援護者への対応など課題は少なくない。

 また、学校、病院や福祉施設、ライフラインや流通などの多くの企業、そして地域の住民一人ひとりに新たな防災の考え方を正しく理解してもらうことが重要だ。今後、県として南海トラフ巨大地震・津波対策にどのように取組んでいくのか。

井戸知事
 本県としては予知を前提としない南海トラフ地震に関する特別措置法に基づく防災体制の構築を進めており、防災減災対策に大きな変更はないと考えている。気象庁による「南海トラフ地震に関する情報」が出された際には、直ちに災害警戒本部を設置する。住民にはテレビ・ラジオや県ホームページなどあらゆる手段を活用して避難場所・避難経路の確認などを呼び掛ける。また、平時においても本部設置訓練や津波避難訓練を通じて情報が発表された際の対応力を高めていく。

 すでに、平成27年度に南海トラフ地震・津波対策アクションプログラムを策定し、
@ハード対策として住宅や庁舎の耐震会、防潮堤の整備や沈下対策などを、
Aソフト対策として津波からの避難の徹底、地域の防災組織の活性化などを体系的に展開している。
今年度は福祉避難所や起業連携消防団の取組をプログラムに盛り込むなどさらなる充実を図った。また、津波から確実に「逃げる」ということを重視して取り組んでいる津波一斉避難訓練では、学校・企業などを中心に初めて平日に実施し、昨年の約3.3万人を大きく上回る約6万人が参加した。


4、安心な介護システムの構築について
伊藤県議
  第335回定例会での我が会派の代表質問で、今後、高齢者の安心した老後を実現するためには在宅介護サービスのバランスを図り、需要に応じた特別養護老人ホーム等の計画的な整備を推進するとともに、それら資源を活用した定期巡回・随時対応サーボス等により、在宅の要介護高齢者の生活を24時間体制で支える必要があるという趣旨の質問をした。

 これを受け、県内全域で定期巡回・随時対応サービスが利用できるよう、事業者の参入促進、介護支援専門員や利用者等への一層の普及を図ることを目的として、本年度から新たに「在宅介護緊急対策事業」が開始された。この事業では、定期巡回・随時対応サービスへの参入を促進するための人件費助成や利用者へのサービスに対する理解と認識を広げるためのリーフレット作成事業などが含まれており、今後の在宅介護の普及・促進につながることが期待できる。

 現在、県や市町の奮闘もあり、平成29年度末の定期巡回・臨時対応サービスの目標である60箇所に対して、11月末現在で43箇所が整備されている。地域によっては介護職員の確保の問題や利用者が広範になるため、事業参入したくても現実的に難しいところもある。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、安心な介護システムの構築を図るため定期巡回・随時対応サービスの整備に今後どのように取組んでいくのか。

井戸知事
 定期巡回・随時対応サービスの促進については「在宅介護緊急対策事業」として、当該サービスのケアプランへの位置づけやサービスの認知度を高めるため
@ケアマネージャーを対象とした研修の実施や
A利用者や家族向けのリーフレットの作成・配布、また、事業者の新規参入促進のため
B開設準備等のための整備費補助に加え
C事業参入直後の安定的な事業所運営を支援するための人件費補助を行うとともに、事業所未設置市町を中心に介護事業者を直接訪問し、参入の要請を行うなどの取組を進めている。

 これらの結果、平成29年12月1日時点で19市町において43事業所が開設しているほか、10事業所が開設に向け準備中でありさらに7事業所で具体的に参入を検討している。

 また、参入事業者の一層の拡大のため、10月から前述の人件費に補助に利用者数に応じた額の加算を設定するなど、補助制度の拡充を行った。現在改定作業中の第7期介護保険事業支援計画において、定期巡回・随時対応サーボスのさらなる拡大を位置付けるとともに、事業参入が困難な地域においては、特別養護老人ホーム併設型の促進や点在する訪問介護事業所との連携によるサービスの実施など、県内全域への事業参入のための施策を展開し、安心な介護システムの構築を推進していく。


6、瀬戸内海の再生に向けた取組について
伊藤県議
 美しい景観の維持と共に、生物多様性の確保や持続可能な水産活動を可能とする豊かな海にとって、窒素やリンなどの栄養塩類は水生生物の生息・生育に必要不可欠なものであり、特に陸域から供給される豊富な栄養は海で生息する多くの生物の食物連鎖の基礎をつくる上で、非常に重要な役割を担っている。大型魚は小型魚を食べ、小型魚はイカナゴ等のさらに小型の生物を食べる。イカナゴなどは動物プランクトンを食べ、動物プランクトンは植物プランクトンを食べる。植物プランクトンは窒素やリンなどの栄養塩類を栄養源としている。

 この栄養塩類を増やそうと、本県をはじめ明石市などいくつかの自治体では、試行的に季節別栄養塩管理運転等の取組をはじめているものの、下水処理場の維持管理が業務委託されており、受託者は契約書に記載されている管理基準を超過しないよう日常管理する必要があり、結果的に排出基準を大幅に下回った運用しかできていないのが現状である。県民には下水道からできるだけきれいな水を排出した方が良いという考えがある。この状況を打開するには、豊かな海の再生に向けた取組の拡大を進めるうえで誤解が多い「窒素・リンはどんどん削減するべきもの」「プランクトンは不必要なもの」といったイメージを払拭していくべきだ。とりわけ子どもたちに豊かで美しい瀬戸内海の再生に向けた取組を副読本等で分かりやすく、広く周知することが重要でそれにより県民の認識も変わっていく。

 そのうえで現在、播磨灘流域別下水道整備総合計画の見直しや、県環境審議会で検討が進められている海域の栄養塩の下限値設定など栄養塩供給を増やす具体的な取組を強力に進めて行く必要があるのではないか。

井戸知事
 栄養塩の供給としては個別の下水道事業計画の上位計画である播磨灘流域別下水道整備総合計画において、沿岸部に立地する下水処理現場からの放流水の窒素濃度を冬季に挙げる季節別処理水質を全国で初めて設定することを検討している。これにより、下水処理場の管理運転をより推進する。また、瀬戸内海環境保全県計画に基づき工場等の排水方法の見直し等による栄養塩の偏在解消手法、例えば、排水口の向きの変更などについても調査・研究している。

 循環に資する取組としては、地域団体等による藻場・干潟等の再生・創出活動の支援、漁業者による海底耕うん、農業者と協働したかいぼり等を推進している。また、民間事業者が所有する護岸等を事業者自らが、石積み護岸にするなど環境に配慮したものにする方策及び海域の窒素・リン濃度の下限値設定について8月から県環境審議会で審議いただいている。 

 一方で、施策を着実に進めるには瀬戸内海の現状や取組の必要性について県民の理解を得ることが重要である。このため、幼時・児童を対象に海の環境学習を展開するほか、生物調査や水族館と連携した親子体験型イベント等を提供する。また、来年、本県で開催する瀬戸内海環境保全知事・市町会議総会にあわせシンポジウム等で幅広い世代に意識醸成を図る。


9、交通安全インフラの整備促進について
伊藤県議
 報道によれば兵庫県は信号制御機の老朽化が全国ワーストワンであるとされており、本年9月には本県に上陸した台風18号の影響で信号機の倒壊事案が明石市内で発生するなど、今後も施設の老朽化の進行に伴い、腐食した信号柱や標識柱が強風等により倒壊するのではないか、また、信号が消えたり点滅に代わるなどの誤作動により、重大事故を招くのではないかと不安が広がっている。

 県警では、本年3月、交通安全施設の維持管理・更新等を着実に推進するため、中長期的な取組を明らかにした10か年計画「交通安全施設管理計画」を策定し、当初予算で措置された公共施設等適正管理事業費を活用して、交通安全施設の老朽化対策に重点を置いた取り組みを推進していると聞いている。信号機等の交通安全施設は、道路交通の安全と円滑化を図り、交通事故防止に大きく貢献しており、道路や橋梁等の社会基盤インフラ同様に重要な「交通安全インフラ」。老朽化による倒壊事案等を防ぐためにも更新・撤去等の必要な対策を早急に実施することが必要であると考える。

 厳しい財政状況の中、交通安全施設整備費は年々減少傾向にあり、地域住民による信号機の新設要望や高度経済成長期以降増え続けてきた交通安全施設の老朽化対策について、そのすべてをカバーできていない現状もある。我が会派は11月10日に知事へ平成30年度当初予算編成に対する申し入れをしたが、その場でも交通安全施設の整備予算の拡充を図るように申し上げた。

 そこで、県民の安全安心に直結する信号機などの交通安全施設の老朽化対策を中心とする交通安全インフラの整備促進について、今後どのように進めていくのか。

西川県警本部長
 老朽化対策を喫緊の課題と捉え、中長期的な取組の方向性を明らかにするために策定した「交通安全施設管理計画」に基づき、点検検査や施設の設置されている交通環境等を踏まえ優先順位をつけて老朽化した施設の更新を計画的に推進している。特に、信号柱及び大型標識柱については、明石で発生したような倒壊事案を防ぐため、別枠事業として今年度は5億円の予算措置により緊急交通路や塩害の影響を受けやすい地域の柱の更新作業を実施している。

 また、このたびの台風の影響により被害を受けた交通安全施設については、復旧のための所要額を補正予算案に計上している。交通安全施設の整備にあたっては、適正な総数管理を重視しており、交通環境の変化に伴って必要性が低下した施設については撤去を検討するとともに、新設については交通量・交通事故の発生状況等を調査・分析した上で真に必要性の高い箇所を選定して整備している。今後は、典型体制の確立、点検結果のデータベース化によるメンテナンスサイクルの構築、新技術の導入による施設の長寿命化等の諸対策を推進することにより、維持管理にかかるトータルコストの縮減をはかっていく。


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