兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H29年2月第335回 定例議会 岸本県議 代表質問

 岸本かずなお県議が、第335回定例県議会で2月23日、代表質問に登壇しました。質問では、今後の県政の方向性をはじめ県政150周年を迎えるにあたっての県の魅力の発信のほか、県民生活に直接かかわる介護システムの構築や時代変化に対応した働き方の推進などさまざまな課題について持論を展開しました。

第335回(平成29年2月)定例県議会 代表質問 岸本かずなお

質問項目

  1. 今後の県政の方向性について
  2. 県政150周年の取組における兵庫の魅力発信について
  3. 安心な介護システムの構築について
  4. 新しい働き方の推進について
  5. 農地のさらなる有効活用に向けた取組について
  6. 地域ニーズに合わせた社会基盤の維持管理について
  7. 未分譲地などへの高齢者向け住宅等の整備について
  8. 部落差別解消推進法に基づく県の取組について
  9. 変化する国際テロ等への対応について

質問・答弁のダイジェスト

2、県政150周年の取組における兵庫の魅力発信について
岸本県議
 県は明年県政150周年を迎える。平成29年度当初予算案の中でも、県政150周年記念事業として「1年前プレイベントの実施」や「県庁発祥の地周辺地域活性化の検討」などが挙げられており、150周年を大いにもり立てようという意気込みが感じられる。
現在、県では記念事業企画委員会を発足し、記念イベントや各種事業の詳細を検討している。また、本年4月には、推進本部を立ち上げ、実質的な推進を図っていく。ただ、150周年は県政を広くPRするまたとない機会であるにもかかわらず、具体的な広報戦略が練られていない。1月に行われた政務調査会でも質問したが具体的な広報戦略についての答弁は得られなかった。記念イベントなどの詳細については、今後、検討するとしてもその結果を待って広報を開始したのでは遅すぎる。

 また、県民の気運醸成が必要だ。今年に入ってから、私は町内会や老人会などでの挨拶の折には必ず150周年の話をしている。すると関心を持って聞いてくれる。裏を返せば、誰も知らないということ。今後、主要駅の壁面や柱へのPR広告、各種広報媒体へのPRなど多くの県民の目に触れるための努力が不可欠だ。

 さらに、この機会に県の魅力を全国に発信していくべきである。そのためには、県に対する全国の認知度を上げていく必要がある。例えば、東京駅にPR広告やPRブースを出すとか、様々な戦略を考えていかねばならない。

 そこで今後の広報戦略として、いつから、どのように行うのか。

井戸知事
 平成30年に向け、県民の機運醸成を図るため今年3月のスタートアップ・シンポジウム、7月の1年前シンポジウムに続き、秋には歴史・文化やグルメなど兵庫の魅力を発信するプレイベントを開催する。記念事業の認知度を高めるため、県の様々な広報媒体を活用するほか、博物館の特別展などの県事業や市町・民間事業等に県政150周年の冠を付し広く県民への周知浸透を図る。

 今後の兵庫づくりの主役となる若い世代に向けては、小学生の作文・図画コンクール、中学生向けのマンガ「ひょうごの歴史」の作成、県立高校での兵庫の未来を考察する取組などを行う。また、県民やNPО、地域団体などが実施するイベントや活動等への助成を行い、県民主体で記念事業を盛り上げていく。兵庫の魅力発信を全庁的に強化するため各部局が行っている広報活動についても、県政150周年の取組と一体性を持ったキャンペーンとして展開していく。
また、平成29年度に設置する新たな広報戦略検討委員会の議論も踏まえながら、SNS・ポータルサイトの活用など情報発信の手法についても工夫を凝らしたい。


3、安心な介護システムの構築について
岸本県議
 国は団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、重度の要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を目指している。 

 市町では、地域ケア会議を開催し地域課題の把握や多職種連携を進め、地域包括ケアシステム構築に取り組んでいる。今後、高齢者の安心な老後を実現するためには、在宅介護サービスとのバランスを図り需要に応じた特別養護老人ホームの計画的な整備を推進するとともに、それら資源を活用した定期巡回・随時対応サービス等により、在宅の要介護高齢者の生活を24時間体制で支える必要がある。

 しかしながら県内で定期巡回を実施する事業所は、それぞれ累計で平成26年度計画数28に対して実績が18、同27年度計画数35に対し実績が29、同28年度は計画数49に対し実績見込みが35と、実績が計画数に追いついておらず、このままでは同37年度計画数の180の達成は困難となり、自宅介護を希望する要介護高齢者のニーズに応えらない。

 また、平成37年度までに見込まれている特養必要整備数1万3千床のうち5千人を在宅サービスで対応されるとのことだが、看護師など在宅サービス提供者が不足しており、人材確保にも早急に取り組む必要がある。こうした課題がある一方で、県内の訪問看護師を対象にした調査では、利用者・家族から威圧的な態度や言葉での侮辱などを受けたことがあるとも聞いている。こうした状況は訪問看護師のみならず、訪問介護や在宅サービスを提供しているすべてのサービス提供者も同様であると思われる。

 そこで、今後県内全域で24時間定期巡回・随時対応サービスが利用できるよう、未実施市町の解消と事業所の事業への参入を促すための施策を講じること、看護師をはじめとするサービス提供者が安心して従事できるような対策が重要と考えるが所見を伺う。

井戸知事
 在宅介護世帯等を24時間体制で支える「定期巡回・随時対応サービス」は、現在第6期計画の目標数60カ所に対し、都市部を中心に15市・34事業所となっている。県内全域でサービスが提供されるよう、ケアマネージャーや利用者・家族への周知、事業者の参入理解の整備に取り組むこととした。

 ケアマネージャーへの周知については、ケアマネージャーがケアプランにサービスを位置づけるようその認知度を高める研修を新たに実施する。

 また、利用者や家族に対しては、市町窓口や県・市町広報媒体等を活用して周知徹底を図る。事業参入の加速のためには、これまでの地域サポート型施設だけではなく、特養や老健施設、社協、農協、民間企業など県独自で人件費の助成を行うとともに、対象となる事業主体を拡大し参入環境を整備する。

 訪問看護の安全確保については、訪問介護も含め国の制度では利用者等の同意がなければ算定できない2人体制での訪問について、本県独自に一人分の助成を新たに開始する。加えて対処方法等のマニュアルを作成し、研修会等でその普及を図るほか相談窓口も設置する。


5、農地のさらなる有効活用に向けた取組について
岸本県議
 本県では、平成26年3月に策定された「兵庫県農地中間管理事業の推進に関する基本方針」で、担い手の農地集積・集約を進めるため、概ね10年後の平成35年度を目途に、耕地面積7万5千800haのうち5万28haの農地を担い手へ集積する目標としており、その内2万5千haを農地中間管理事業により集積する。これは担い手が利用する農地が平成22年当時、全体の15%となっているものを66%まで大きく引き上げるもの。

 この目標達成に向け、同方針では農用地の利用の効率化及び高度化の促進に関し、農用地の団地状況の把握により団地面積を高めること、および耕作放棄地についてはその利用促進に取り組むこととしており、兵庫みどり公社を農地中間管理機構に指定し、機構は貸し手と借り手のマッチングや広報活動に取り組んできたが、県内の農地の貸し借りの実績は今年1月末時点で、集落営農法人が1902ha、大規模経営の法人が370ha、大規模経営の個人が246ha、農業参入企業が41ha等の計2838haとなっており、取組から2年が経過したが、目標の約11・3%と残念な結果となっている。

 その理由として、先の12月定例会で知事は、農地の貸し手と借り手でミスマッチが生じているため、学識者や関係団体等による検討会を設置し新しい仕組みづくりを検討していると述べられた。担い手の借り受け希望面積は1万haを超えたとの報道もあるが、一方で農地保有者の高齢化が今後一層進み、耕作放棄地も増加していくと予想されることから農地の有効利用の取組を加速化すべきだと考える。

 不耕作農地の有効活用は地域の活性化につながり、また、農業に意欲を持つ新規就農者の雇用確保や障がい者の就労支援にもつながるため、将来にわたって活力ある地域の構築を目指す地域創生の観点からも非常に重要な取組と考える。県では、新年度から不耕作農地の有効活用として、優良農地における不耕作農地の活用促進と中山間地等の農地の有効活用に取り組むとのこと。

 そこで、農地中間管理事業を含め、不耕作農地の有効活用に新年度にどのように取り組むのか。

井戸知事
 農地の有効活用を進めるうえで、借り手は優良農地を、貸し手は条件のよくない農地を希望するというミスマッチが生じる。このため、まず地域の意向等を反映し活動している集落営農法人に対して重点的に農地中間管理事業の活用を推進し、大半の法人で一定の集積が行われた。

 また、ミスマッチを解消するため貸付希望農地のリスト化と借り手の個別、具体的なニーズ把握を行っている。さらに、新たな借り手の確保のため、ほ場整備を契機とした集落営農の法人化や参入企業、大規模農家を重点対象として事業活用を推進している。

 さらに、新たな取組として農業者とつながりが強く、地域で信頼があり、営農の専門知識を有するJA出資法人等が主体となり、地縁的なつながりのある複数集落での農地の有効活用を図ることとした。具体的には
@不耕作農地の受け手となる法人等への農業機械の導入やオペレーター等の人材の確保を支援する
A農地の利用実態や所有者の中長期的な意向等を反映した農地利用図の作成を支援する。加えて
Bほ場整備していない農地を活用する場合には奨励金を交付し、農地の集積・集約化を促進することとしている。


7、未分譲地などへの高齢者向け住宅等の整備について
岸本県議
 企業庁が担当する地域整備事業は、神戸三田国際公園都市などで住宅用地・産業用地・業務用地の分譲計画面積を831haとしているが、特に住宅用地の分譲については、平成28年度末見込みで計画223haに対して分譲済みが194haと約87%にとどまっており、今後人口減少、少子高齢化が急速に進展する中、全体の分譲率90%の目標達成は厳しいと考える。

 1月の政務調査会において、平成29年度企業庁の重要施策として「元気ひょうごを支える企業庁事業の推進」の三本柱の一つに地域活力を創造する新たな取組を掲げられており、その中で健康福祉施設の立地促進として「未分譲地等への高齢者向け住宅等の整備を検討する」とあった。また、「最終2カ年行革プラン(案)」においても、企業庁経営の基本方針の一つとして、人口対策や地域の元気づくりといった地域創生を推進する観点から「地域の振興と県民福祉の向上を図ることができるよう、県民ニーズ等を踏まえ、健康・環境・観光などに関する施設の整備等新たな取組を進める」としている。

 県老人福祉計画で、神戸・阪神・東播磨圏域や北・中播磨圏域の一部の市域で特養の整備率が県平均より低く、入所を必要とする重度の高齢者の増加に適切に対応できるよう、計画的に増床を図っていく必要があると言われていることからも、企業庁の新たな取組としての未分譲地等への健康福祉施設の立地促進を導入する取組は非常に良いと考える。ただ、単に売れ残った土地を処分に困ったから方向性を変えるというネガティブな発想ではなく、高齢者施設の必要性からポジティブな発想で取組むことが重要だ。

 そこで、地域の高齢者向け住宅や特養のニーズをしっかりと把握し、戦略的に土地活用を考えていく必要があるのではないか。

石井公営企業管理者
 企業庁では新たな取組として、健康、観光などの分野においてこれまで企業庁が担ってきた役割や培ってきたノウハウを活用しながら事業展開を図ることとしている。このうち健康分野として、播磨科学公園都市におけるサッカー場の増設や宿泊施設などの健康スポーツ施設の設置などに加えて、超高齢社会を迎えてニーズの高い高齢者向け施設や住宅の誘致、整備などについてその手法や適地など具現化に向けた検討を行うこととしている。

 具体的には、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、高齢者向けの住まいの動向を把握するとともに、地域ごとに高齢単身世帯数、介護保険の利用率や社会福祉施設のサービス利用状況など高齢者等の状況やニーズ調査を行い戦略的な土地活用につなげていきたい。


8、部落差別解消推進法に基づく県の取組について
岸本県議
 第192回臨時国会で「部落差別の解消の推進に関する法律」、部落差別解消推進法が賛成多数で可決され、昨年12月に公布・施行された。33年間続いた同和対策に関する「特別措置法」の失効後は「人権教育・啓発推進法」に基づいて自治体などが取組を進めてきたが、財政的な面も含めて課題は山積している。

 部落差別解消推進法は「人権侵害に対する救済」や「差別行為に対する規制」のない、理念法ではあるが憲政史上はじめて「部落差別」という用語が使われた法律で、
第1条で「現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえ(中略)日本国憲法の理念にのっとり、部落差別は許されないものであるとの認識の下にこれを解消することが重要な課題である。(中略)部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的とする」と明記された。
また、第4条で「相談体制の充実」や第6条では「部落差別の実態調査」などが盛り込まれており、国が現在も部落差別が存在していることを認め、部落差別は許されないものとの認識を示したことは大きな意義がある。

 一方で、県内においては三木市、篠山市、香美町、新温泉町で人権に関する条例を制定しており、市民意識調査もいくつかの市町が取り組んでいるが、わが兵庫県では、特別措置失効後においても差別投書やインターネット上での書き込み、在日外国人に対するヘイトスピーチなど極めて深刻な差別事件が発生している。

 本法はこの数年間に成立した「障害者差別解消法」や「ヘイトスピーチ解消法」と同様に、個別法として今後の人権教育・啓発活動に一定の効果が期待できる。また、県下で発生している差別事件をなくすためには、より具体的に部落差別解消推進法の趣旨を広く県民に周知する必要がある。

 例えば、部落問題を理解するための教育・啓発の積極的推進や人権侵害や生活に関する相談体制づくり、部落差別の実態調査の実施などを市町と連携して行う必要がある。さらには県・市・町の行政・県民・企業などの役割を明らかにするためにも県独自の条例が必要である。

 そこで、本県としてこれまで部落差別問題について、どのように取組んできたのか、また「部落差別解消推進法」に基づき、今後どのように取組むのか伺う。

井戸知事
 本県では、いち早く同和対策や地域改善対策を重要課題として位置付け、市町と連携し各種施策を実施してきた。その結果、生活環境等の実態面の格差は大きく改善されたと認識している。しかし、差別意識については啓発活動の推進により県民の理解と認識は深まり、着実に解消へ向かっているものの、未だ十分とはいえない状況にある。

 このため、県では平成15年の同和問題に関する特別措置法の失効後も「人権教育及び人権啓発に関する総合推進指針」を定め、引き続き県、市町、県民、企業の参画と協働のもと人権相談や各種研修、人権フェスティバルをはじめとする啓発など、様々な機会を通じて全庁的に人権施策を進めてきた。

 今回制定された「部落差別解消推進法」では、現在もなお部落差別が存在すること、インターネット等の発達により誤った情報が容易に拡散していることが、法制定の根拠として指摘されている。本県としては、法の理念を踏まえ、新年度新たに
@県民の理解と認識を深めるためのリーフレットの作成
Aインターネット人権侵害相談の実施等に取り組む。

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