兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H29年9月第337回 定例議会 岸本県議 代表質問

 岸本かずなお県議が、第337回定例県議会で一般質問に登壇しました。地域医療の充実に向けた県立加古川医療センターの役割や障害者への支援、但馬牛を活かした地域の活性化などについて自身の考えを盛り込みながら県の姿勢をただしました。

第337回(平成29年9月)定例県議会 一般質問 岸本かずなお

質問項目

  1. 東播磨圏域における医療の充実に向けた県立加古川医療センターの役割について
  2. ♯8000の時間延長について
  3. 総合リハビリテーションセンターの充実について
    (1)小児筋電義手の普及について
    (2)障害者スポーツの振興及び活動拠点施設の整備について
  4. 肝炎対策について
  5. 但馬牛の振興について
    (1)需要に見合った但馬牛の増産について
    (2)食肉処理製造にかかわる技術者の育成についいて

質問・答弁のダイジェスト

1、東播磨圏域における医療の充実に向けた県立加古川医療センターの役割について
岸本県議
 平成28年7月に循環器領域、口腔外科領域の診療を特徴としていた加古川東市民病院と小児及び周産期医療を特徴としていた加古川西市民病院が統合再編し、JR加古川駅近郊に病床数600床の加古川中央市民病院が開院した。加古川中央市民病院は消化器センター、心臓血管センター、こどもセンター、周産期母子センター、がん集学的治療センターの5大センターを中心に多くの診療科が配置され、総合的な診療を担っており住民の生命・身体を守る重要な病院として機能している。

 しかしながら、加古川中央市民病院が利便性の良い場所に統合再編されたことから、必ずしも便利とはいえない場所の県立加古川医療センターの今後を心配する声もある。例えば、病床数353床の加古川医療センターよりも、病床数600床の加古川中央市民病院の方へ医師が集積されるのではないかといった不安の声が住民からも聞こえてくる。住民にとって病院は重要な施設。特に、加古川医療センターは、住民からの信頼も厚く東播磨圏域全体を担う重要な拠点病院である。それぞれの病院が持っている診療機能の特徴をさらに充実させ住民にも周知していくことがより良質な医療の提供につながる。

  そこで今後、県立加古川医療センターは、東播磨医療圏域のより良質の医療の提供を行うためどのような役割を担っていくのか。

長嶋病院事業管理者
 県立加古川医療センターは、消化器系疾患や整形外科などの高度専門医療に加え東播磨圏域における3次救急医療、生活習慣病医療、緩和ケア医療、感染症医療、神経難病医療の5つの政策医療を担うこととし新たなスタートを切った。平成25年11月からは県ドクターヘリの基幹基地としての運用を開始したほか、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を導入し先進的な医療を提供するなど地域の中核病院としての役割を果たしてきた。

 今後は、5つの政策医療に加え、平成28年度に甲南加古川病院から診療機能を引き継いだリウマチ・膠原病医療については県、西日本における診療拠点をめざすほか、透析医療についても昨年度に血液浄化センターを整備しその充実を図っていく。引き続き、東播磨圏域において高度専門医療を提供するため、地域の医療機関と連携を図るとともに、圏域を取り巻く医療・福祉の動向、特に地域医療構想において求められる役割等を十分に踏まえ、適時適切に診療機能の見直しも図りながら、地域中核病院としての役割を果たしていくこととしている。


2、♯8000の時間延長について
岸本県議
 ♯8000は、子育て経験のない母親にとって困ったときに何でも気軽に相談できる唯一の場所であり、また、この♯8000の運用により小児の救急病院の負担軽減につながり、地域の小児医療を守ることができる。小児科不足や小児科存続の危機が危惧される昨今の時代背景の中で、♯8000の充実が重要である。

 県での♯8000の実施は、平日・土曜日が18時〜24時まで、日曜・祝日・年末年始が9時〜24時までとなっている。また、それを補完する形で県からも一部補助金を出して、各圏域ごとに時間を定めて電話相談を実施しているが、小児科の夜間救急を行っていない圏域では、深夜から早朝にかけての相談業務を行うことができず、病院の負担軽減につながっていないのが現状である。

 この状況を改善するため平成29年8月、県市長会から♯8000の電話相談時間を休日は24時間体制に、それ以外の日は18時から翌朝の8時まで拡充するよう要望が出されている。現状を踏まえると、県としても早期に♯8000の時間延長を行うべきであると考える。また、各圏域で実施している電話相談事業に対して、県から補助金を出しているが補助対象者が市町または病院開設者等であり、非常に使い勝手が悪い。地域によっては、民間事業者に委託しなければ実施できない場合も想定され、補助金の要件も緩和すべきではないか。

山本健康福祉部長
 全県対象の♯8000を平成16年に開始したが、別途、県独自の取組みとして各圏域毎の相談窓口を設置し圏域内の医療機関連携状況等を把握したよりきめ細かい小児救急電話相談体制を目指し、平成24年度に県下の全圏域をカバーできる体制を構築している。

 ♯8000については、看護師等の相談員の安定的な確保を図るため県看護協会に委託し、平日は18時から休日は朝9時から24時まで17名の看護師がシフトを組んで相談にあたっているが、時間延長を行い翌朝まで対応するには小児救急の専門知識を有する相談員をさらに相当数確保しなければならない。

 また、圏域相談窓口については、神戸、阪神北、丹波、淡路の4圏域で翌朝まで対応しているが、平成28年度は相談時間の短い圏域に時間延長を促すため圏域電話相談事業運営費の1日あたりの補助単価を深夜以降の相談に対してより手厚くなるよう改正したものの、他の圏域では深夜24時以前までの対応となっている。そのため今後、全県対象の♯8000については翌朝まで実施している他府県の事例を参考にしながら抜本的な見直しを視野に入れて検討していく。また、各圏域相談窓口については、民間事業者の活用も含めて補助要件の見直しを検討していく。


3、総合リハビリテーションセンターの充実について
  (1)小児筋電義手の普及について
岸本県議
 筋電義手のほとんどはドイツ製で1本約150万円と非常に高額である。筋電義手購入は国の補助制度の対象となり、使いこなせることなどを条件に補装具費として公費支給があるが、訓練用は対象外になっているため使いこなそうにも訓練用の入手が困難な状況である。特に小児用は毎年体が成長するため成長に応じた筋電義手を購入しなければならず、大変な負担になっている。

 このような中、総合リハビリテーションセンターでは全国で唯一、子どもたちに訓練用の筋電義手を無償で貸与する小児筋電義手バンクを創設し、筋電義手を計39人に貸し出している。総合リハビリテーションセンターの陳所長は「筋電義手の訓練は大人であれば2か月、子どもでは2〜4年程度要するが、習熟すればいろいろなことができるようになる。子どもの場合は早いほど動作が自然の手と近くなり、0歳児から訓練を始める例も多い。筋電義手の裾野を広げるには、訓練できる拠点施設を増やし、作業療法士などの専門人材も必要である」と述べている。

 今年4月4日の参議院厚生労働委員会では参議院議員の山本香苗議員が普及に向けた体制整備を訴え、塩崎厚生労働大臣から子どもたちに筋電義手を届けられる環境整備をしっかりやっていくとの答弁を引き出した。そこで、小児筋電義手の最先端を走る本県としても、今後、県として小児筋電義手の普及に対する支援についてどのように取組むのか。

井戸知事
 本県では平成26年6月、総合リハビリテーションセンターに訓練用の筋電義手の無償貸与や訓練人材の育成等を行う「小児筋電義手バンク」を設立した。寄付金額は設立当初の目標額6千万円を大きく超え、圏からのマッチングファンド3千万円を合わせて、9月25日時点で8933万円、ほぼ9千万円に達している。現在、東大病院と連携して貸与を行っているが、貸与に際しては訓練のため通院する必要がある。

 関西・関東地域以外の子どもたちは利用しにくい状況で、このため筋電義手の訓練が実施できる連携病院の拡充に向け、他府県の病院から作業療法士を受け入れるなど人材育成にも努めている。また、国には訓練用義手取得に対する助成措置に加え、訓練できる人材の育成など訓練環境の整備に関する支援制度の創設も要請しているところである。

 さらに国内外からの視察受け入れやセミナー開催等により国や他府県、医療関係者に筋電義手を用いたリハビリテーションの普及を行っている。また、この8月に日本テレビの24時間テレビで放映されるなどマスコミ等で取り上げられており、県内外のかたがたからの筋電義手への理解も深まってきているので、バンクの充実にも大いに寄与するものと期待している。


5、但馬牛の振興について
  (1)需要に見合った但馬牛の増産について
岸本県議
 私の地元加古川には、北部に食肉センターを構え県が所管する県下4つの食肉センターで最も多くの但馬牛肥育牛を取り扱い、年間1000頭以上の神戸ビーフ、また、但馬牛の地域ブランドである加古川和牛を食肉処理・加工している。そうした背景から市内には但馬牛の子牛を買い入れて肥育する農家も多く、現在、但馬牛の枝肉価格は堅調に推移していると聞いているが、肥育農家からは今後の枝肉価格の動向が経営を圧迫しかねないとの心配の声も上がっている。

 このため、加古川においても子牛を確保するために自ら繁殖経営に乗り出す肥育経営者も出てきている。しかしながら、土地の制約や人出不足等もあり、必ずしもこうした対応ができる経営者ばかりではない。

 早急に子牛の増産が求められる中、県では離農予定者の牛舎や雌牛等を新規就農希望者へ継承する経営継承バンク制度などの減頭抑制対策や酪農家と連携した但馬牛受精卵の乳牛等への移植による生産拡大など、神戸ビーフの増産体制も強化しているところである。そこで、今後どのようにして需要に見合った但馬牛の生産を実現していこうとするのか。

藤澤農政環境部長
 増頭対策を推進してきた結果、平成18年度当初の14500頭から平成22年度までに1500頭増頭した。その後、横ばいで推移していたが、近年、子牛価格が高値で推移し生産者の増頭意欲が回復したこともあり、平成28年度は3年ぶりの増頭となった。県では引き続き増頭を図るため、経営規模の拡大対策として国庫事業等を積極的に活用し、大規模牛舎の整備や繁殖雌牛の導入、また、省力化を進めるため自動で餌を与える機械等の導入を支援していく。さらに、繁殖から肥育までを移管して行う経営体の育成も図っていく。

 また、新たな担い手の確保対策として、農業大学校生等を中心に就農に向けた情報提供、そして、離農予定者からの牛舎、雌牛、飼育技術を引き継ぐ経営継承バンクの活用を強化していく。さらに、増頭時に課題となっている牛舎用地については遊休地の情報を収集・提供しその確保を支援するとともにアパート方式による貸付牛舎の整備を検討し、初期投資軽減を図る。また、農家が繁殖雌牛を子牛から育てるのではなく、妊娠した雌牛を仕入れることで飼育基幹を短縮する取組も検討していく。


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