兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H29年12月第338回 定例会 野口県議 一般質問

 野口ひろし県議が、第338回定例県議会で12月11日に一般質問に登壇しました。野口県議は、県政150年を迎えるにあたり、これからの県政の方向性や地方分権への取組、また、地元の課題である阪急武庫川新駅の設置事業、国道176号線の整備などについて持論を交えながら県の姿勢を鋭くただしました。

第338回(平成29年12月)定例県議会 一般質問 野口ひろし

質問項目

  1. 新兵庫への挑戦について
    (1) 県民の視点に立った今後の県政の方向性について
    (2) 地方分権に対する兵庫の取組について
  2. 兵庫県立大学の改革について
  3. 国民健康保険の運営について
  4. 兵庫さい帯血バンクへの支援について
  5. 阪急武庫川新駅設置の促進について
  6. 武庫川および国道176号の整備について

質問・答弁のダイジェスト

1、新兵庫への挑戦について
 (2) 地方分権に対する兵庫の取組について
野口県議
 今、広域行政を担う「関西広域連合」を中心に、井戸知事を連合長として東京一極集中の是正や国の地方機関の移転などを目標に様々な提言や具体的な活動を展開されてきた。さらに、東日本大震災時のカウンターパート方式による復興支援などにおいて、成果を上げてこられた。しかし、こうした取り組みは県民をはじめ国民にその意味も取り組みも伝わっているとは言えず、地方分権には程遠いのが実情だ。こうした状況を打破するため、地方分権を先導してきた兵庫県は、逝去された貝原前知事が行政の権限について国への過度な集中により地方自治が阻害されていることから、平成5年に国と地方の事務の配分の基本原則を定めた「中央集権制限法」を提唱されたことを再び掲げ「国の処理すべき事務を外交、防衛、金融などの19項目に限定し、地方が処理する事務に対しては原則として国は関与せず、地方の事務に要する経費は税財源の再配分や地方交付税の充実により全額一般財源として措置する」ことなど抜本的な分権改革を求め、地方制度調査会等を活用した新たな国と地方のあり方の検討など、大括りの地方分権を推進されようとしている。

 一方で、全国知事会は国の憲法改正論議の中で参議院選挙における合区問題の抜本的解決を図るとともに、地方自治に関して憲法第92条に定められている「地方自治の本旨の明確化」を改正草案として挙げ、国と地方の適切な役割分担を踏まえ、住民の日常生活に関連する公共的事務はその地域における住民の手で、その住民の団体が主体となって処理する趣旨の規定を置くことなどを求めるよう検討している。

 これはまさに中央集権制限法に沿う方向性を示したものといえる。関西広域連合においても今日までの取組を踏まえた「広域行政のあり方検討会」を開催され、来年度下半期には最終報告をまとめようとされている。そこで、今後の地方分権改革について全国知事会や関西広域連合などと連携し、どのように進んでいこうとしているのか。

井戸知事
 地方の事は地方で決定し責任をもって進める仕組み、地方分権を実現しなければならない。本県は、これまで地方六団体や関西広域連合と連携して、地方分権改革の取組を推進してきた。もともと関西広域連合の設立の目的の一つは府県域を超える連合は国に対して事務移譲の要請権があり、地方自らが分権の突破口とならんとしたことにある。

 しかし、関西広域連合が進めて国出先機関の丸ごと移管は、政権交代により事実上困難となっている。今、国が進める提案募集方式は一つ一つの事務について具体的な支障事例が求められるため、小さな事務処理の改善となり、いわゆる国の権限移譲に結び付いているとは言えないのではないか。この現状を打破するためには地方自ら、地方分権の新たな戦略を検討する必要がある。

 このため、国の事務を一つ一つ提示して移譲をせまるのではなく、国の行う事務を限定して残余の事務は地方が行う原則の樹立が不可欠だ。かつて本県が提案していた「中央集権制限法」の趣旨を踏まえ国の事務を限定し、それ以外は地方に委ねる新たな法律の制定や権限移譲について実証実験方式の創設を国に提言している。さらに、全国知事会での憲法改正の議論に対しては地方自治の本旨の明確化、国の役割の限定、条例制定権、税財政自主権の確立などを主張している。今後、全国知事会と連携し憲法改正の議論を国民的運動に高めていきたい。

 関西広域連合では、広域行政の在り方について今後の方向性を見定めるため、有識者を設置し検討中だ。これまで「府県を超える広域団体が設立されても都道府県が必要なのではないか」「フランスのような多層制の統治機構を参考に検討すべきではないか」など多様な意見が出ている。来年度に向け、国と地方の役割分担の議論を進めて行く。


4.兵庫さい帯血バンクへの支援について
野口県議
 兵庫さい帯血バンクは、従来の骨髄移植と比べてもそん色のない実績を挙げてきた。平成29年10月末現在、移植提供本数は、1752本と全国の11.4%を占めている。また、再生医療などの研究用としても神戸大学や先端医療振興財団などに平成28年度では139本提供している。なお、全国に6施設ある、さい帯血バンクのなかでNPОとして運営されている唯一の施設でもある。

 こうした状況の中、本年7月現在、兵庫さい帯血バンクが入居している兵庫医科大学側の事情により、平成30年8月末をもって入居場所を明け渡すよう同大学から通知を受け、今後の継続的な運営を望むのであれば、新たな移転先を確保する必要が生じている。現在、兵庫さい帯血バンクは、移転費用の捻出に向けた募金活動などを展開するとともに、移転先について種々検討した結果、兵庫県提案の「兵庫県赤十字血液センター」への移転を12月18日の理事会・総会で決定する予定とのこと。血液センターへの移転に伴い、無菌室や冷凍保存タンクの移転整備費など約1億2千万円程度の経費が見込まれるが、今日までの兵庫さい帯血バンクの果たしてきた役割と実績を踏まえ、国の補助制度も活用しながら県としても財政的支援を何らかの形で検討する必要がある。

 知事は12月4日の定例記者会見で一定の費用負担の方針を示されたが、県として国をはじめ、兵庫医大、血液センターなど関係者間の調整を踏まえ、具体的にどのような形で支援を進めていこうとされているのか。さらに、医療産業都市を標榜する神戸市の協力もいただきながら、今後の血液センターでの運営の継続はもとより神戸大学等の研究機関との連携を積極的に支援していくべきだと考えるが所見を。

山本健康福祉部長
 県としてもNPО法人化や臍帯血保存タンクの整備補助、採取従事者への技術向上研修等の支援を行ってきた。今回の移転問題にあたっても県赤十字血液センターの隣接場所への移転を提案している。

 また、移転には多額の経費が必要であることから、国に対して移転先で新しく設置する設備への補助を要請するとともに従来年度末に公布されていた運営資金補助の年度早期の交付や、収入がなくなる休止期間を短縮するため移転に関する手続きの迅速な処理等を要望しているところである。

 県としても、兵庫さい帯血バンクが実施している募金活動の状況も踏まえて、平成30年度当初予算の中で移転経費に対する財政支援等を検討していく。

 さらに、臍帯血については再生医療の研究や治療だけでなく認知症治療への効果を期待する報告もあるなど、今後も研究分野での幅広い活用が期待されている。県としては、兵庫さい帯血バンクが兵庫県赤十字血液センターや神戸市が進める医療産業都市構想の中核機関の一つである先端医療振興財団、神戸大学等の研究機関との連携をさらに深め、貴重な臍帯血が疾病の治療研究により一層有効に活用されるよう支援していく。


5.阪急武庫川新駅設置の促進について
野口県議
 新駅設置について西宮市側においては新駅の周辺整備として土地区画整理事業などを計画し、地元にも街づくり協議会が設置されるなどの動きが出てきているものの、多額の事業費と時間がかかることから具体的な新駅設置の本丸には手が届いていない状況にある。一方、尼崎市においては当初、検討会への参加も新駅設置を前提としたものとしてではなく、しかも事業の優先順位も低いということで両市における新駅設置の取組についてはかなりの温度差があった。

 こうした中、尼崎市において平成29年3月には「地域交通計画」が策定され、その中で「新駅の設置はその効果と影響を検証しつつ、様々な政策課題の中での事業の優先順位について検討を進めていく」と記載され、来年には尼崎市でも西宮市に呼応し、新駅設置について地域推進協議会を立ち上げ、署名活動を展開するという動きが出てきている。西宮市でも「スマートステーション」ということで、長期の期間を必要とする土地区画整理事業と切り離し、ミニマムの周辺事業としてスタートさせることを阪急側とも交渉し、両社の理解が進んできている。

 新駅整備事業について平成24年の阪急電鉄の想定では約30億円となっており、社会資本整備総合交付金の都市・地域交通戦略推進事業を活用できた場合、両市においてそれぞれ5億円、阪急と国がそれぞれ10億円を負担するという事業フレームであり、知事は誘致推進協議会からの要望の場などで「尼崎市が必要なら県として支援を検討することも考えられる」と発言されている。

 一方、尼崎市の稲村市長は「新駅設置に反対しているわけではない」と発言されている。こうした両市にまたがる事業については県も大局的に判断し、広域行政に責任ある立場として単なる調整役ではなく積極的に関与すべき時期に来ている。こうした動きを加速し、検討会からステージアップした事業化に向けた取組が求められているが、阪急武庫川新駅設置の促進について所見を伺う。

糟谷県土整備部長
 西宮・尼崎両市、阪急電鉄とともに平成25年度から「武庫川周辺阪急新駅に関する検討会」で新駅や関連施設の検討、効果、課題等の協議を行ってきた。これまでの検討から新駅設置により利用者の利便性が向上されることに加え、周辺地区のまちづくりと一体的に整備が行われると、定住人口の増加等大きな効果が期待できることが明らかになった。阪急電鉄からも新駅設置にあたっては西宮市と尼崎市の両側から利用できること、また駅周辺の基盤整備などまちづくりが同時に行われることなどが求められている。

 しかしながら、駅周辺の大規模な基盤整備や開発を行うことになると、周辺への影響、工期、市財政の負担も増大する。このことから県としては、両市が地元住民の意見を踏まえ、新駅を活かしたまちづくりの方向性を取りまとめることが、新駅設置のスタートと考えている。その上で、新駅の早期整備のためには開業時点では必要最小限の施設整備、具体的にはアクセス道路と駐輪場の実を整備したコンパクトな駅を目指すなど、段階的にまちづくりを進めていくことも有効であると考えており、両市にも提案している。

 解決すべき課題はあるものの両市と阪急電鉄の理解も深まりつつある。検討状況を見定めながら、コスト削減や事業手法の検討、阪急電鉄との調整など支援をしていく。


6、武庫川および国道176号の整備について
野口県議
 武庫川の整備については河川整備計画に基づき、戦後最大の昭和36年の洪水を安全に流下させることを目標に、平成23年度から20年間の計画で平成42年度に事業完成を目指している。全体事業費420億円のうち事業費ベースで平成30年度以降の残事業費が約290億円と聞いている。このうち、河口から仁川合流点までの「下流部築堤区間」約9kmにおいては、低水路の拡幅や堤防強化工事が西宮市、尼崎市両岸にわたり順調に進められ今後の課題として南武橋の架け替えと潮止堰の撤去などが残されている。特に、南武橋の架け替えは、工事の難易度が高く課題も多いと聞いていたが、平成34年完成を目指した計画工程表が今般示され、一刻も早い工事の着手と完成が待ち望まれている。

 また、仁川合流点から名塩川合流点までの「下流部掘込区間」約9kmにおいては、流下断面を確保するための河道掘削や溢水対策として護岸やパラペット工事が計画されている。そのうち、青葉台地区については用地買収を伴う河道拡幅が計画されている。さらに、この区間の河床掘削においては、河川環境縫い配慮した工事が必要となる。課題はあるが早期完成が望まれる。

 次に直轄事業の国道176号名塩道路は、武庫川と並行する約1.3kmの区間と西宮屋加口ジャンクション東側の名塩東久保地区付近約2.4kmの区間、合わせて約3.7kmが未改良で残っている。中でも、武庫川と並行する区間で、河床掘削に伴う市道の西宝橋の架け替えが計画されており、河川と道路、国、県、市の綿密な調整が必要と考えられる。

 去る10月13日に石井国土交通大臣と共に現地を視察した。大臣は西宝橋付近で現道の拡幅のための武庫川沿いの張出部の橋脚工事の発注などの道路改良工事の状況説明を受けるとともに、名塩東久保地区へのヘアピンカーブ部分のバイパス工事も早期に対応する必要があるとの認識を示された。道路についても、一日も早い全区間の完成が待たれるところだ。そこで、武庫川下流部全体区間の進捗状況や今後の進め方と名塩道路の未改良区間3.7kmの整備見直しについて当局の所見を伺う。

糟谷県土整備部長
 武庫川の下流部築堤区間では、河川断面を広げる低水路拡幅と堤防許可を進めている。これらの工事は、南武橋架替と潮止堰撤去を除き、平成32年度に完成させることとしている。今年度から着手する南武橋架替は阪神電鉄武庫川線に近接する難工事のため、また大規模な工事となる潮止堰撤去は低水路拡幅後の着手となるため、双方の工事とも完成までにはさらに数年を要する。

 下流部掘込区間のうち青葉台地区の河道拡幅は現在、用地取得を進めている。引き続き、事業への理解、協力が得られるよう交渉を進める。また、本地区では特有の植生が分布する優れた礫河原が形成されている。したがって、今年度学識経験者と共に保全計画を策定した上で河床掘削を実施する。

 次に国道176号名塩道路ですが武庫川と並行する区間については、4車線化に伴い河川側に道路を橋梁形式で張出すこととしており、国が今年度工事に着手した。また、地元住民の生活道路である市道西宝橋については、架替工事中の迂回方法等について地元と協議を行っている。本区間では国道176号拡幅工事、西宝橋架替工事、それと河川工事が輻そうするので円滑に工事を進められるよう工程等を調整し、早期完成を目指していく。

 名塩東久保地区の未改良区間でも国がバイパス工事着手に向けた用地取得を進めている。武庫川平行区間に引き続き工事に着手できるよう県としても用地取得の推進に協力していく。
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