兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

 しの木和良県議は第322回定例県議会で、2月26日に一般質問に登壇しました。中では、農政改革後の農業の担い手の育成や農村集落でのコミュニティの維持、難病患者の目線での行政手続きの簡素化、さらに地元猪名川町のこれからのまちづくりなどについて自身の思いや考えを交えて県当局に質問しました。

第322回(平成26年3月)定例県議会 一般質問 しの木和良

質問項目

  1. 農政改革後の地域社会の維持について
    (1)将来の農業の担い手像について
    (2)農村集落におけるコミュニティの維持について
  2. 市街化調整区域の計画的なまちづくりについて
  3. 難病患者の目線に立った行政手続きについて
  4. 行政処分の適正な執行について

質問・答弁のダイジェスト

1、農業改革後の地域社会の維持について
 (1)将来の農業の担い手像について

○しの木県議
 農家を中心とする集落では、後継者不在と耕作放棄地の増加が不安材料となっている。そのため、農地を集積し認定農業者や集落営農等に集約し、農業を保護することを抑制するコメの生産調整の見直しなどによって市場原理の導入を図り、競争力の強化で効率的な強い農業の育成も求められている。しかしながら、今回の見直しの一方では、農業構造の激変を緩和するため、転作支援の強化や日本型直接支援制度の新たな創設など、農業者を保護し米価や農業者所得の維持を図ろうとする農業構造の再編や競争協力強化とは反面の要因も入っている。

 すなわち、水田を活用して飼料用米・米粉用米の生産をする場合に支払われる直接支払交付金は支給金額の上限が引き上げられ、農地を維持するための日本型直接支払制度も創設されることで、集積・集約できない地域の農地が維持・保全され農家を中心とした集落の安定が確保される面もある。そこで、その結果として生産効率を高めていく大規模農業経営者と、これまでの農業を支えてきた零細な農業者と混在する農業形態となると思われるが、兵庫県の農業として、その方向性をどのように考えているのか。

○井戸知事
 本県農業の継続的な発展を図っていくためには、大規模農家や集落営農の育成を促進し、さらにこれらの大規模農家や集落営農の法人化や集団化を進めることにより、実質的な経営規模の拡大を図り永続的な農業経営体を育成していくことが課題だ。このため、認定農業者等の担い手に対しては、法人化や雇用労働を活用して、より一層の経営規模の拡大を図っていくと共に、大規模農家間の連携による集団化を進めなくてはならない。 つまり、基礎単位としての認定農業者や集落営農をさらに大ぐくりにした集団化が必要である。一方で、集落営農が未組織の集落がある。これらに対しては、集落リーダーや営農スタッフを養成して小規模兼業農家の参加も促しながら組織化を図っていかなければならない。そのための法人化や複数の集落営農による広域の連合化も視野に入れながら、まずは足元の認定農業者の育成や集落営農の強化を図っていく必要がある。

<再質問>
○しの木県議
 答弁内容は理解できるが、集落と町という基本的な成り立ちを考えた場合、働く場とともに存在するものであると思う。農地があっても認定農業者等に貸与すると農業に携わらない人が多く出てくる。そうなると、後継者等については都市部に居を移し、サラリーマン化する可能性がある。そういうことなどから考えると、今の集落の近くに兼業農家として成り立つような何らかの就業の場というものも地域ごとに設けていく必要があるのではないか。所見を伺う。

○井戸知事
 これまで集落なりコミュニティを中心に考えてきたことに伴って、産業としての農業もなかなか成立しない。また、農村環境の環境づくりも、中途半端に終わっている。それを考えたときに、まずは産業としての農業の確立を見据え、成長産業として農業に取り組んでいく。その一方で、コミュニティのあり方は、近くに勤務先がなくてはならないのではなくて、住所がそこにあり続けられて勤務できるというような弾力的な考え方も取り入れられる。

 そのような意味で、自家消費用の自分たちの食料は自分たちで確保するという意味での農業活動は続けていく。そして、それ以上の農地は提供していく。働く場は働く場として、外に確保するというようなあり方が一般的な形になっていかないかという意味で、将来の方向を見定めて対応する必要があるという意味で答えた。もちろん、近隣に働く場を確保できる努力はし続ける必要がある。

2、市街化調整区域の計画的なまちづくりについて
○しの木県議
 これまで平成23年の決算特別委員会や翌年の本会議での質問を通して猪名川町における若年層の流出に歯止めがかからない実情を訴えてきた。その結果、まちづくり部長自らが猪名川町まで赴き、その必要性を理解し稲美町とともに市街化調整区域内における計画的なまちづくりのモデル検討の対象として取り組めることとなった。昨年4月からは町の土地利用に関する懇話会が発足し、活力あるまちづくりへの協議が進んでいる。

 平成28年度には、町の南部地区を東西に新名神高速道路が開通、供用開始され、隣接する川西市内にできるインターチェンジへのアクセス道路が猪名川町に開通する。その道沿いには、44ヘクタールの町有地があり、能勢電鉄の日生中央駅近くにも87ヘクタールの町有地がある。その二つの土地は上下4車線の県道で結ばれている。町では、県の市街化調整区域の計画的なまちづくりモデル地区の流れを受けて、アクセス道路近くの町有地については企業などを誘致する産業拠点地区と位置付け、また日生中央駅近くの広大な町有地については、大学などの教育施設を誘致する文教拠点地区と位置付けて進めようとしている。

 将来にわたる町の都市づくりの性格を転換することになるかも知れない大規模な事業展開であるのに、一方で、まちづくり完成の具体化も平成28年度の新名神高速道路の供用開始に間にあわさなければならず、時間的余裕はない。そこで、県として今回のモデル検討は、県下の同じような課題をもつ各地域にとって今後の先駆となるケースとして何としても成功させなければならない。県が果たすべき役割をどのように考え、猪名川町の活性化、再生に向けて具体的にどのように活かしていくのか。

○大町まちづくり部長
 猪名川町の市街化区域は開発されたニュータウンに限定されており、新規開発の余地がない。一方、市街化調整区域内には、交通アクセスに優れた町有の大規模未利用地等の開発適地がある。この状況を踏まえ、県としてはインターチェンジの供用を契機とした産業需要、観光需要等の受け入れが可能となるよう、町と一体となって市街化調整区域の土地の有効活用を検討し猪名川町の活性化、それから阪神北地域全体の地域力の向上に結び付けていきたい。

 具体的には、産業拠点に位置付ける肝川・差組地区の町有地約44ヘクタール、それから多田銀山の入り口に交流拠点として位置づける広根地区の幹線沿道―これは約4ヘクタールになるが―については、町決定の都市計画である地区計画を来年度早期に決定することで、建築制限を解除し計画に基づく速やかな開発と企業誘致を目指す。さらに文教拠点として位置づける日生中央駅近接の町有地約87ヘクタールについても施設誘致の決定後速やかに地区計画を決定する。

3、難病患者の目線に立った行政手続きについて
○しの木県議
 難病患者の医療費助成制度が約40年ぶりに大きく変わることになった。これを受けて、行政側の立場に立った考え方が色濃く感じられる手続き面も考える必要がある。昨年、潰瘍性大腸炎を患っている方から悲痛な声を聞いた。その方は外出もままならないが、一年に一度受給証更新の手続きに出向かなければならず「郵送で更新手続きができないか」とお願いしても県の担当者からはダメだといわれるとのことだった。その方は「何故郵送の更新申請がいけないのか。難病患者を支えてくれる医療助成ではないのですか」と強く訴ええていた。

 厚労省の担当課に尋ねると「特定疾患治療事業は、医療助成することが主たる目的ではなく、患者データを収集し研究に役立てることが主たる目的です」とのことだった。医療助成は研究事業のために支給しているので、1年に1回データ収集のために手続きをするのが当たり前という、難病患者の方々の苦しみを少しでも察しようという思いが感じられない回答であった。

そこで、以前にも伺ったが、患者等の負担を少しでも軽減できる郵送による更新手続きを、受付窓口である県レベルで実現することができないのか。前回の質問では「郵送による更新申請書の受付など、引き続き県として実施できる手続きの簡略化について検討する」との答弁だったが、実現に向け、これまでどのような検討をしてきたのか、難病対策の改正による今後の見通しとあわせて伺う。

○太田健康福祉部長
 県では、郵送による申請手続きの要望を受け各健康福祉事務所に意見聴収をした。郵送ではその3割以上に書類の不備不足があり、対応に時間を要しかえって申請者の負担となる場合も見られるとの意見があった。しかし、申請者本人が独居、入院、寝たきり等で窓口に行ける状況にない等の個別の事由がある場合には郵送による受付の相談にも応じることとした。これを各健康福祉事務所及び各政令市保険所に周知をしている。

 現在、国において難病患者に対する医療費助成等について、公平かつ安定的な制度を確立するために本国会に法案を提出し、平成27年1月からの施行の準備が進められている。なお、診断と所得の確認が必要として、法施行後も毎年の更新は継続される見通しだ。県としては、新たな難病制度の動向を注視しながら、その制度開始にあたっては難病患者の方々が申請手続きを円滑に行えるよう周知に努めていく。

<再質問>

○しの木県議
 今後、難病の範囲が広がっていく中でよく相談を受けるのは、本当に起きることもままならないような方がたくさんおられる。そういう方に対して、なぜ郵送等の制度で対応できないのか。答弁を聞いていて、まずできないという結論を出して、それから理由付けをしているように思える。患者の立場にたってなんとかしようという思いで考えていくというのは無理なのか。

○太田健康福祉部長
 先ほど申したのは、ある事由のある方については郵送で受け付けるということで、他府県を調査してみたがこれが精いっぱいの対応だ。難病患者は県内で約3万3千人おられる。郵送される方は約3%、千人おられた。それらの中で、こちらに来ていただく方は相談にのって書類の不備をなるべく防ぐ、郵送によっても書類の修正なども丁寧に行いながら国が定めた制度の中で努力しており、理解してほしい。

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