兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

 しの木和良県議が、第331回定例県議会で、2月26日一般質問に登壇しました。効果的な行政サービスのための県の広聴機能の充実をはじめ、医療費に関する課題解決、都市農業の継続方策、特別支援教育のあり方など県民生活の向上に欠かせない諸課題について、県の考えをただしました。

第331回(平成28年2月)定例県議会 一般質問 しの木和良

質問項目

  1. 社会環境の変化に対応した広聴機能の充実・強化について
  2. 節薬による医療費の削減について
  3. 小児慢性特定疾病にかかる医療費助成制度と乳幼児等医療費助成制度の併用について
  4. 都市農業の安定的な継続方策について
  5. 特別支援学校高等部卒業後の専攻科設置による教育年限の延長について

質問・答弁のダイジェスト

1、社会環境の変化に対応した広聴機能の充実・強化について

しの木県議
 住民の減少や高齢化によって、身近な農業用の水利施設や集落の裏山の森など、これまでは共同作業など住民の自助努力によって対応されてきたことが困難になり、適切な維持管理に支障が生じている例が多くなってきたと実感している。時代の変化に伴い、自助と公助のあり方も当然見直されていくべきであると考える。自助による地域の安全や環境の維持を基本としつつ、それが困難な場合には一定の条件の下で、地域の行政サービスとして公助を強化していくべきである。

 そのためには、住民のニーズを的確に把握できる行政側の目や耳が必要だ。地域の実情を踏まえ、県民が相談しやすく課題解決が円滑に行われるような広聴機能がますます必要になってくる。例えば、県民局、県民センターが総合事務所として、より積極的にその役割を担っていくことが考えられる。人口が減少する高齢化社会において、地域の活力を維持するためには、公助の力を一歩踏み込んだ形で発揮し、効果的・効率的な行政サービスを提供していかねばならない。そのために、社会環境の変化に対応した広聴機能の充実・強化を図るべきではないか。

井戸知事
 県の広聴事業として、県民意識調査や県民モニターに対するアンケート調査、県民に身近な県民局・県民センター等で面談や電話等での意見を伺う「さわやか県民相談」、インターネットから手軽に利用できる「さわやか提案箱」などがある。このような多様なチャンネルを通じて 県民のニーズの把握に努めている。把握したニーズについては、速やかに担当部局や関係する地方機関等に伝達し、課題対応につなげている。  また、県民局職員が現地に出向いて県の施策を説明したり意見を伺う「さわやか県民局」を行っているが、さらにその充実を図っていく。

しの木県議(再質問)
 率直に聞きたいのは、例えば河川内の立木や山の麓の立木などが隣接地の占有を侵害しているような場合に、現状では河川管理者や山の管理者である行政体の管理者、そこに申請や要望していくことが主になっている。その場合、河川管理者であればどうしても河川管理者の視点で考え、隣接地の方々への侵害がどれだけ迷惑をかけているのかというような思いはあまり深くないと感じられる。その意味で、民間地同士での占有侵害といった視点で受け取れるような広聴機関、特別なことに関して一定の条件のもとで、受け付ける機能が必要ではないか。

井戸知事
 役所というのは、ある意味、自分の責任・管理権限の範囲内でしかなかなか行動しないのではないかとのご指摘に対しては、しっかり受け止めながら執務に当たりたい。ご指摘のような点については、特別な相談窓口をつくるというよりは、一般的な相談窓口にご相談いただき対応させていただくのが望ましいと考える。


3、小児慢性特定疾病にかかる医療費助成制度と乳幼児等医療費助成制度の併用について。

しの木県議
 子どもの慢性疾患について国が指定する病気を持つ患者に、国と地方公共団体によって医療費の助成が行われている。この医療費助成について、平成27年1月1日から、安定的な制度とするため新たな制度が定められた。安定的な制度に改正され、患者や家族のニーズにより合ったものになった医療費助成だが、子どもの場合、別の福祉医療費助成として乳幼児等医療費助成もある。そして、同助成は各市町により様々だが自己負担は小児慢性特定疾病医療費助成よりも軽減ないし無償となっている。

 そこで、患者は県内の病院であれば乳幼児医療で受診することを選ぶ方が賢明だと考えられ、また県外の医療機関で受診する場合なら、乳幼児等医療では全額の立て替えとなるが、小児慢性特定疾病で受診すると自己負担だけで済むので、居住する市町の乳幼児等医療の窓口で助成申請、給付を受ければ子育て支援としての乳幼児等医療費助成がより効果的になる。

 しかし、本県ではこれらの併用は認められないという見解を示している。その結果、市町はこの制度間の併用に異議がなくても踏み切れない。ただし、全国的に見れば、小児慢性特定疾病で受診後に、かかった費用を乳幼児等医療で助成する府県や、小児慢性特定疾病と乳幼児等医療を医療機関の窓口で併用できる府県もある。また、厚労省の見解は自治体で決める事であって、特に制約はないとのことだ。

 これらからすれば、制度による規制については地方自治体の自由裁量になるので、乳幼児等医療費助成制度は子育て支援として実施されているもので、その意味では日常的には健常な子どもより重い病状で、特に支援を要する小児慢性疾病の患者であるから、より医療費の自己負担が重くならないような考え方を基本方針として各市町に指導すべきではないか。

太田健康福祉部長
 仮に乳幼児・こども医療費助成制度の対象疾病を拡大し、国の制度と県の制度を併用したとしても、たとえば1つには受給者にとっては小児慢性特定疾病の自己負担額よりも乳幼児医療の自己負担額が小さくなるため、本来国が負担すべき部分を県・市町が肩代わりすることになること。2つ目には国の自立支援医療と県独自の重度障害者医療など他の制度における併用についても考慮する必要があること、あるいは3つ目にかりに小児慢性特定疾病の申請を徹底させるために償還払いとすると、利用者にとって不便であるとともに、市町の償還の事務負担が増大することなどの課題がある。県の乳幼児・こども医療費助成制度は、すべての市町に共通する基盤の制度としており、市町による小児慢性特定疾病医療費助成制度との併用や無償化は、地域の実情に応じて市町の判断により実施している。

しの木県議(再質問)
 何の法的根拠がないにもかかわらず、この制度で制約をかけるという県の考え方には大きな疑問が残る。子どもの医療費助成制度というのは、子育て支援のために県がこれから地域創生を行っていく中でも大きな柱として取り組んでいる事業。その県の方針に対して行政側の制度運用というような、どちらかというとそれに比べると小さな理由で何の法的根拠もないもので制約するということについては了解しかねる。

井戸知事
 まず法的根拠があってこの制度をやっているわけではない。県が乳幼児等医療の重要性に鑑みて制度化しているもの。まず、1番目として答えさせていただく。2番目として、国の制度で小児慢性特定疾病に係る助成制度があるのに、県の制度を先取りして使うような制度設計は我々としてはできない。国の制度をまず使ってくださいということを第一義とすべきである。それにさらに負担を軽減するかしないかは県の選択になる。今の制度は峻別している。その理由は、今の乳幼児等医療費助成制度は一般の疾病、風邪だとか怪我だとか一過性の病気を対象とした制度にしている。そのために原則として制度設計上併用を認めていない。

しの木県議(再々質問)
 4月から神戸市もこの制度の併用を認めるというか、小児慢性特定疾病の助成制度と乳幼児等医療費助成制度を実施するということを決めたようだ。県内各市町でもすでに実施しているところがあると聞いている。知事が言われたように、国の制度と県の制度のそれぞれの趣旨、理念の違いというものについては、制度としては理解できる。しかし、小児慢性特定疾患を抱えたたくさんの保護者が、ふつうの健常な方々が、ある市町では無償で助成されるにもかかわらず、重い病気で悩んで子育てしている者に対して国の制度があるからということで県の医療費助成制度が使えないということは、どう考えても理解しにくいという方が多い。

 そういう意味で、私はこのことについて再質問したいわけですが、もともと全部の対象となるべき児童の乳幼児等医療ないし、子ども医療費を予算としては算定しているのではないか。途中で疾患になられる方もあろうかと思うが、全ての方を対象として乳幼児医療費助成制度の予算化がされているのであれば、国の制度があるからまず国の制度を使うべきだということで、乳幼児等医療の助成を制約してしまうということはおかしいと思うが。

井戸知事
 国の役割り、地方の役割りがある。県は一般的な疾病を対象として制度設計を行っている。国が、非常に重い疾病にかかって、しかも慢性的で医療費がずいぶんかかるので、その負担を軽減するために用意している制度は、その制度として活用していただきたい。神戸市が実施しようとしている事例は、この小児慢性特定疾病についてどの程度までの負担軽減をすればいいのかという観点で新制度をつくろうとしているのであって、併用を認めようとしているわけではない。しの木議員がいわれるように負担の重さに着目してどのように上乗せしていくかという検討の余地がないのかというと、余地はある。大変な財政負担がかかるので、その辺の問題がある。

 運用上はどうしても、2つの受給者証をもって窓口にいくと、2つの需給者証を皆さんが出していただければいいが、負担が軽い方の受給者証しか一般的には出されないでしょうから、そうすると、実質的には国の制度が使われなくなってしまうおそれがあるので、もし制度を構築するとしても償還払いで構築せざるを得ないだろうと考えている。それからもう一つ、先ほど申し上げたように一時的な疾病ではないので、もし準拠しようとすると、長期の入院の場合に準じられないのかという検討を詰めていく必要があるのではないかと思ってお聞きしていた。併用とか、国の制度は使わずに県の制度を優先しろ、というような運用はお許しいただきたい。

しの木県議
 少しでも検討いただけることを期待して、また何度も質問させていただきたい。


4、都市農業の安定的な継続方策について

しの木県議
 県ではこの定例会で提案している、ひょうご農林水産ビジョン2025において、消費者への新鮮で安全・安心な農産物の提供と良好な都市環境の形成という都市農地の機能発揮への期待に応えるため、都市農業の振興を図ることとしている。そして、収益性の高い農業経営の展開に必要な園芸施設の導入・支援により農園の運営や直売所への出荷を行う生産者を育成し、施設野菜の精算拡大を図ることとしている。あわせて、農地と住宅地等の混在のため、近隣の環境との調和を図った農業を推進するとしている。しかし、いくら大都市の消費地に近いといえども、減少してしまった農地面積の中での収入総額が低いことなどから、農家のほとんどは兼業農家となっている。

 これらのことから、都市農業の後継者、担い手を期待することがたいへん厳しい状況となっている。このままでは、農業が継続できず農地の宅地化が進み、都市農業の基盤が崩壊してしまうことが危惧される。

 このような中で、後継者の就農意欲を引出し、ビジョンがめざす都市農業の振興に向けた安定的な継続のための方策について所見を伺う。

井戸知事
 都市部では農地の集積・集約による規模拡大が難しい状況にあるので、限りある農地を最大限に活かす収益性の高い農業経営が必要となる。後継者の意欲もたかめなければならない。このため、葉もの野菜の周年栽培や、いちご等の観光農園、直売などによる農業経営の拡大を進めていくことが肝要だ。まず、市街地でも利用可能な農業施設貸与事業などによる園芸施設を整備していくこと。第2にアグリビジネスとしての体験農園の開設を進めること。第3に、後継者への栽培指導、経営指導や仲間づくりなどを支援していくこと。これらを進めていきたい。

 さらに、農産物の付加価値を高める必要がある。消費地のど真ん中に農地があるので、これを活かして地元飲食店と連携したメニューを開発する。例えば、兵庫六甲のこだわりの野菜の会がレストランにハーブ類を提供している。食品加工業者との新商品開発、あるいは県認証食品の取得をしていただき、需要を拡大していくといったこともできる。また、都市農業を支えるファンづくりを進めていくことも大事だ。住民向けの職能体験ツアーやセミナーなども実施していく。

 国が基本計画の策定を進めている。我々としては、推進方策も5年前、6年前になっているのでこの見直しを行い、新たな県の基本計画としての策定を計画している。収益性の高い農業の推進と防災とか、福祉とか、景観などの多機能にも配慮しながら、都市農業の安定的な継続と振興を図っていく。


5、特別支援学校高等部卒業後の専攻科設置による教育年限の延長について

しの木県議
 2015年3月の高等学校卒業生は進学率が70%を超えているが、特別支援学校高等部卒業生は進学率が2.3%である。無認可の5年生高校として運営されている名古屋市の見晴台学園の藪一之学園長は「子どもたちはゆっくり力をつけて育つ。高校3年間だけで社会に出るのは厳しい」と言い、生きる力を育む学びの場づくりに尽力している。

 一方、肢体不自由などの身体障がいのある方は、卒業後在宅就労が中心とならざるを得ない。しかし、即座に就労できるケースは非常に少ないのが現実だ。高等部の3年間では十分にスキルアップできないため、就労の技術を身に付けるための2年間が是非必要と痛感している。特に、ICTの活用で個性を活かす教育は在宅ワークの足がかりとして大きな成果を収めるものと思われる。専攻科を設けているところは、全国で私立の特別支援学校8校、国立の鳥取大学付属特別支援学校の1校のみである。実績を積んでいる私立の卒業生を調査した結果では、高等部を出た卒業生と比べて、いったん退職したケースでも再び次の勤務先を見つけて次につながっていることが大きな特徴と指摘されている。心が折れない、立ち直る力がついている、引きこもりにならないということがとても大事との評価を受けている。

 これらのことから、特別支援教育推進先進県、兵庫県として、特別支援学校高等部に専攻科を設けて、教育年限の延長を推進すべきではないか。

高井教育長
 専攻科のご提言がありましたが、視覚障害の場合に、あん摩、はり、きゅうといった国家□の受験資格を取得するため、あるいは、聴覚障害における情報技術の習得など、高等部卒業後のさらなる2年間で、高度な専門的技術を学ぶ職業人の育成と社会的自立をめざすことを目標に、本県でも専攻科を設置している。ただ、知的障害等については、学習指導要領にそうした教科・科目が設定されていない。専門的な教育目標、教育内容を明確に定めがたいことから、その設置は困難であると認識している。県としては、現行の3年間の教育課程の中で、生徒の持てる力を伸ばすことが最優先の課題と考えている。

 なお、卒業後の進路としては、大学等や一般就労以外にも、県内には障害者向けの職業能力開発校が2校、企業で働きたい方を対象に働くために必要な知識や能力を身に付けさせるための就労移行支援事業所が122カ所、実際に働きながら知識、能力向上訓練を行う就労継続支援事業所が、A型とB型あわせて635カ所など、生徒の能力をさらに高めるための場は多数あるので、こうした進路に関する情報の提供に努めて、学校と社会、および学校間の円滑な接続を図るためのキャリア教育を一層進めていく。

しの木県議
 私が申し上げていますのは、保護者の方々にお聞きしても、今現在、そういう障害のある方々が豊かな青年期、また、大人になりきらないモラトリアムとしての学びの機関、そういうものがどうしても欲しいなという要望が非常に強い。教育として、県の教育委員会として少し無理なようなことであれば、福祉事業型として健康福祉部との調整を図って、そちらの方ででも専攻科にかわるようなものが設置できないか今後検討していただければありがたい。

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