兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

 しの木和良県議が、第334回県議会で12月9日、一般質問に登壇しました。質問では、将来にわたり活力ある地域社会構築に向けての地域創生戦略や小児慢性特定疾病にかかる医療費助成制度、また、喫緊の対応を要する高齢化社会時代の移動支援施策、都市農地の維持保全など県全域と地元地域にとっての諸課題に関して県の姿勢をただしました。

第334回(平成28年12月)定例県議会 一般質問 しの木和良

質問項目

  1. 地域創生戦略の実効性について
    (1) 地域創生の目標の達成について
    (2) アクションプランへの地域要因の反映について
  2. 小児慢性特定疾病にかかる医療費助成制度について
  3. 都市農業振興基本計画を踏まえた都市農地の維持保全について
  4. 高齢化社会時代における移動支援施策について
  5. 視覚・聴覚障がいを除く知的障がい等の特別支援学校における専攻科設置について

質問・答弁のダイジェスト

1、地域創生戦略の実効性について
 (1) 地域創生の目標の達成について


しの木県議
 地域創生戦略では、人口減少を抑制し、2060年に450万人を目指すとともに、地域の元気づくりに取り組み、元気で安全安心な兵庫の実現を目指す。その具体的な実現を図るため目標、基本目標、具体的な施策事業の目標と達成状況を数値化して実施状況を目に見える形にしたことが地域創生戦略の特徴だ。また、9月には試行的に実施された事業の評価報告が出された。

 これにより、各事業が年度目標値をどのぐらいの割合で達成したかが一目瞭然となり、その設定どおりにいけば創生戦略の目標は達成できるという期待ができる。しかし、人口の自然増対策にしても若年層の県外流出が多くなり、出産年齢層が少なくなれば目標値を大きく割ることも予測され、社会増対策でもこれまでの事業施策で流出超過を是正できなかったものが、施策の延長戦上の強化だけで流入超過に転じるとは考えにくい。

 私は、就職を求めて都市部へと人が流れ、その流れが高学歴社会を築き高学歴となったものが都市部での高収入を目指すという、これまでの流れを根本的に変える社会構造変化がなければ、地域創生は非常に難しいと思う。県のこれまでの事業の強化でこのような流れを変えることができるのか、大いに疑問を抱いている。それができるなら兵庫県では若者の転出超過や人口減少社会にはなっていない。

 これまでの管外調査等で兵庫県の施策のほとんどは、ほかの府県よりも長じているものと確信しているし、地域創生戦略も2060年目標は達成可能とも思っているが、一方ではこの流れが変えられるかという疑問が出てくる。地域創生戦略の目標達成に関してこの点をどのように考えているのか。

井戸知事
 地域創生元年の今年度、自然増対策としては、多子世帯の保育料軽減や地域祖父母モデル事業などに取り組んだ。特に多子世帯保育料軽減は平成20年から取り組んできた。社会増対策としては、大学と連携した県内就職支援に加えて東京圏や本県での相談窓口となるカムバックひょうごセンターを開設運営しており、企業の新規採用者の奨学金返済助成への支援など前例にとらわれない先進的な施策を展開していく。

 しかし、27年度で見ると、本県の社会減は7409人、東京圏への転出超過は7490人と東京集中を止める必要がある。東京一極集中は、バブル崩壊以降の工場等立地法3法の廃止・改正など、国の集中抑制政策の撤廃が大きな要因となっている。本県では、国に対して、地方分散に向けて工場や大学等の新規立地を抑制する制度の創設を再びすること、東京圏の大学の定員制限策の実施などを提案している。

 東京一極集中が進む一方で自然にあこがれて農山村に移住する人や地方で起業する人も少しずつ増えている。こうした人々の嗜好、ライフスタイルの変化を的確に捉えて、兵庫の暮らしやすさなどその魅力のPRに努め、着実な移住につなげていかなければならい。先導的な施策に取り組んできた本県の先進性にさらに磨きをかけて、地域創生戦略の目標が達成できるよう挑戦していく。


(2) アクションプランへの地域要因の反映について

しの木県議
 アクションプランでは各県民局・センターの対応事業も掲げられている。しかし、具体的な要因分析までの言及がなく、その分析の上に立っての対策事業なのかどうかが窺えるものではない。地域創生戦略の事業のもとにはなっているとは思うので参考にしながら伺う。

 阪神北地域では、大阪圏の拡大により住宅衛星都市として発展してきたニュータウンが多く、近年は大阪圏の縮小により若者が大阪市周辺の他地域に転出し、高齢化・人口減少が急速に進んでいる。また、旧来からの地域でも農業の継承をせず、若者が都市部へと流出し地域が維持できなくなる恐れも生じている。

 このような地域固有の人口減少要因を基にして基本目標に対する事業が展開され、そのうえでのKPIと実施状況がなければ、2060年の人口減少を450万人までで食い止めることができるのか、そのまま350万人まで減少してしまわないかと不安がつきまとう。そこでアクションプランについて、そのような地域固有の要因はすでに織り込み済みなのか、または、そこまでの要因は考慮の外でも今後の推計には大きな影響はないものか所見を。

山口地域創生部長
 ご指摘の阪神北地域におけるニュータウンでの人口減少や高齢化の進行による地域活力の低下は、神戸、阪神、東播磨等、かつて住宅開発が盛んであった地域が共有する課題であり、農業従事者の高齢化に伴う担い手不足は阪神北地域だけでなく、ニュータウンの再生に向けた「郊外型住宅団地再生先導的支援事業」、若者の農業就業を支援する「新規就農者確保・育成加速化支援」などの事業を推進する。

 これらの対策に加え、各県民局・センターでは地域独自の対策に取り組んでおり、阪神北県民局では良好な住環境を活かして移住者の増加を目指す「ひょうご北摂ライフアピール事業」、都市農業の魅力アップを図る「阪神アグリパーク構想」などを推進している。

しの木県議(再質問)
 今のこの流れを変えようとするなら、1つはこれからの若者に対してグローバル化を目指して中心部へと流れる若者と、もう1つは地域であるわがふるさとを発展・繁栄させるために貢献していきたいと願う若者の流れをつくるという、2方向の流れをつくっていかなければならない。経済成長社会の中で衛星住宅都市として発展・繁栄してきたところについては、ほとんどが住宅都市を離れるとその地域の特性というか、個性というものがほとんどないのではないかと思っており、そういうものをつくっていかなければ、地域の発展に尽くそうという若者の流れができないように思う。これからは、行政が意図的・積極的にかかわっていかなければならない。それぞれの地域の固有のものをつくっていく必要があるのではないか。

井戸知事
 若者が大都市、特に東京に出ていく、それは1つは就職にあたって大樹的感覚、大企業に就職して安定を得たいという感覚があるのではないか。一方で、自立してやりたいことをやり遂げていきたいという若者が増えている。大樹的な人たちには多くの情報を提供し、大樹になるような企業が兵庫にもあることを知らせる。自立したい若者には、自立支援の仕掛けをさらに用意していく。

 ふるさと意識を醸成していく手段の重要性については、ふるさと意識があればこそUターンにつながる。ふるさと意識の醸成にはいろいろな対応の仕方がある。まずは体験教育をすすめていくこと。地域の中で活動を展開することで、自然と身につくふるさと意識の醸成をさらに強化し、それを地域の方々に支えてもらう仕掛けづくりを進めていきたい。 。

しの木県議 (コメント)
 私もこれからも地域のコミュニティ活動に対し、そのような協力をしながらもっと考えていきたい。


2、小児慢性特定疾病にかかる医療費助成制度について

しの木県議
 私は、昨年の一般質問で小児慢性特定疾病の自己負担分を乳幼児等医療費助成または、こども医療助成を併用する形で助成することを提案した。小児慢性特定疾病では、所得区分に応じた上限額までは2割の自己負担額が必要であるが、乳幼児等医療費助成やこども医療費助成は多くの自治体が自己負担額なしという方向に向かっている。

 そこで同じ年齢の患者に関して、この乳幼児等医療助成を利用して小児慢性特定疾病の医療費自己負担額を軽減できないかという提案をした。そのときは「国の役割、地方の役割がある。県は一般的な疾病を対象として制度設計を行っている。国が非常に重い疾病にかかられて、しかも慢性的で医療費がずいぶんかかるのでその負担を軽減するために用意している制度は、それはそれで制度として活用していただくように思っている。また、乳幼児等医療制度は一般の疾病、風邪だとか怪我だとか一過性の病気を対象としている。原則として制度設計上、両制度の併用を認めていない」との答弁であった。

 しかし、同じ年齢の子どもを持つ親としては納得できない。現実に県内では利用実態が制度と相違したものとなっている可能性もある。県下21市町では、小児慢性特定疾病の自己負担分を乳幼児等医療費助成等でカバーする助成を実施している実態があり、県民のニーズがそうであることを示している。そうでない市町では、制度にこだわるあまり国の助成を得られるものを反対に県の資金を使うという実態を生む結果を招いていることも考えられる。

 そこで、知事が答弁の中で「負担の重さに着目してどのように上乗せしていくかという検討の余地がないわけではなく、検討する余地はあると思う」と言及していただいたこともあり、再度県民のニーズに沿って前向きに検討をしていただけないか。

太田健康福祉部長
 乳幼児医療等の福祉医療制度は、国と県の役割分担を考慮し国の制度で対象となる疾患とは分けて、一過性の疾病等の治療にかかる経済的負担の軽減を目的としている。小児慢性特定疾病は医療負担も大きく、乳幼児医療費助成の自己負担額と差があることから、小児慢性特定疾病への独自助成を実施している市町の意見も聞きながら小児慢性特定疾病医療費助成制度と乳幼児等医療費助成制度の両面から制度拡大について検討した。

 この結果、小児慢性特定疾病医療費助成は児童福祉法に基づき治療方法の調査研究と患者負担の軽減を目的とし、国全体として実施するものであること、一過性の疾病や負傷の治療を対象とする乳幼児医療と、慢性的な疾病を持つ児童を対象とする小児慢性特定疾病医療との併用を認めた場合、国と県の役割分担が不明確になるのではないか。あるいは乳幼児医療として実施した場合、二つの制度を活用していただくためには、二つの受給者証を使うことになり、乳幼児医療分は償還払いとなり患者負担となる等の課題があった。

 県としては、今後とも両制度の目的に沿った運用を通じて、それぞれが適切にその役割を果たすことで、子育て環境の充実を図っていく。

しの木県議 (コメント)
 ご検討いただき県の立場としてできないということであればしかたがない。ただ、実態としては小児慢性特定疾病を県内で使った場合には自己負担は2割なので、はじめからこども医療・乳幼児等医療助成を使うというような保護者の方々がたくさんおられるということで、制度のこだわっているあまり国の補助金がかえってはいってないということもあることを申し上げておく。そのために、21市町が両制度をうまく使うような形で、今運用されていると思う。これからも市町のそういうやり方が広がっていくということを願うので、それに対し県としてはあまり違わないようにお願いしたい。


3、都市農業振興基本計画を踏まえた都市農地の維持保全について

しの木県議
 昨年4月に都市農業振興法が制定され、これを受けて本県でも11月に兵庫県都市農業振興基本計画が策定された。これは、昨年策定された、ひょうご農林水産ビジョン2025の分野別計画として、都市農業者や地域住民、行政や関係団体等を含めたすべての関係者の行動指針となるべきものとして定められた。

 その基本方向としては、
@収益性の高い農業の推進
A農産物の地元消費の推進
B農業体験機会の提供による経営の多角化など、
産業の持続的な発展と地域での多様な機能の発揮と農地の活用、そして地域住民の「農」のある暮らしづくりの3つの柱で構成されている。その中で、収益性の高い農業を推進するための担い手の確保・育成では営農意欲の高い生産者を育成することが一つの目標となっている。

担い手の中心となるのは認定農業者であると思うが、地域によって様々な違いがあると思う。阪神間東部市町ではそれぞれの基準に基づいた認定農業者は多いところでも数人程度のところがほとんどである。そのような中で、現在の認定農業者を中心とした農業支援施策を講じていっても、法が目標とする農地の維持・都市農業の持続には適わないのではないかと危惧する。

 そこで、国においても都市農地を保全するため、所有者が高齢化などで営農できなくなった都市農地を意欲ある農業者へ貸した場合でも、相続納税猶予が適用できるよう検討されていると聞いている。これらの動きを踏まえながら新たに策定された兵庫県都市農業振興基本計画に基づき、営農意欲の高い生産者を育成し、都市農業の振興や都市農地の維持保全をどのように進めていくのか。

井戸知事
 農地の状況からすると、都市の農地の保全・農業の持続には営農意欲の高い農業者だけではなく、農地を維持する自給的農家、さらには地域住民の参画・理解、いわば地域住民の方々が楽農生活を楽しむ、そういう3つのタイプに分けられる。この3者を都市の農業の担い手として明確に位置づけ、施策の方向を兵庫県都市農業振興基本計画で明らかにしている。

 特に、営農意欲の高い農業者に対しては、都市の立地を活かして収益性の高い野菜等園芸作物の生産を拡大する方向で、あわせて直売所等の開設支援により販売機会の拡大を図る方向で、3つに体験型市民農園の開設を自らすることによって経営の多角化などを進める方向で、産業としての持続的な農業の展開を目指すことと位置付けた。自給的農家で営農を維持したいものに対しては、地元の直売所や飲食店等への出荷を推進する、品目拡大への技術指導等を行うこととしている。

 さらに、積極的に生産拡大や所得向上を図ろうとする本格的な農業者に対しては市町、JA等関係機関と連携して経営改善計画の策定指導などを行って、認定農業者へ誘導していく。あわせて、現在、国においては都市農業者の意欲と能力を公的に評価する仕組が検討されている。その動向を注視しながら対象となり得る農業者にはソフト・ハードの両面から支援する。地域住民の理解と参画を基本としながら、都市農業の持っている多様な機能の発揮や農業者と地域の方々が共生する都市農業の振興をめざして、今後とも積極的に対応していく。

しの木県議 (要望)
 園芸作物の推進や販売機会の拡大、また、自給的農家に対しても出荷を推進するような方策をいろいろ取っていただく、そのことで、小規模であっても担い手を育成し、持続できるような方策を講じるということに関しては、なお一層推進していただきたいと思いましが、ただ、非常に阪神間の都市農業農家というのは、小規模、本当に小規模の方が多いので、隣の大阪府では、大阪府版の認定農業者制度というのを策定されている。

 その中でさまざまな支援策も講じている。特に、経営所得安定対策加算金を交付したり、共同での機械購入施設整備に補助金を活用できるように加算される制度があるので、兵庫県については、兵庫県版の都市農業に対する認定農業者制度というのがまだないので、できれば今答えていただいた施策に上乗せするような形で、担い手をより一層育成するために、兵庫県版認定農業者制度の策定を要望させていただき、次の質問に移らせていただく。


4、高齢化社会時代における移動支援施策について

しの木県議
 県下の平成27年から過去5年の交通事故件数の推移をみれば、全体件数、高齢者の事故件数ともに減少し高齢者の関係する事故が必ずしも増えているわけではない。しかし、全体に占める高齢者の割合が平成23年の25.4%に対して平成27年は30.7%と年々高くなってきている。

 最近の報道でも、高齢者による認知機能の低下、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどの操作技能の低下、注意力の範囲の狭小化など加齢によるものと思われる原因の事故が目に付く。もともと、基本的人権としての自由が保障されていても、自動車は危険な乗り物として免許という許可制がとられている。それゆえに機能の低下した高齢者が自動車の運転を規制されても仕方のないことかもしれない。しかし、高齢になっても自動車の運転をしなければ生活ができない地域、高齢化する就農家など車と免許がなくてはならない人たちがいる。

 これまでの枠組みを超えて、広域的に県・市町が連携して自動運転によるコミュニティバス等、新しい移動手段を構築することを考える時代に入った。国土交通省では、マイカーに代わる生活の足をどう確保するかが課題となっている中山間地向けに自動運転サービスの実証実験をはじめる方針を固めたと報じられている。

 自動運転車は中山間地のみならず、公共交通サービスが行き届かない丘陵地等での将来の移動手段として期待されるところであり、その技術の実用化が待たれる。そこで、自ら運転しなくても良い社会の構築に向け、自動運転の技術を活用した移動手段についての考えを。

糟谷県土整備部長
高齢者による事故割合の増加が社会問題化する中自動運転によるコミュニティバス等の運行は、高齢者等の交通弱者の新たな移動手段として、また公共交通のサービスレベルが低い地域での将来の移動手段の一つとして有効な取り組みであり、今後の技術開発の進展に期待している。国では、公共交通における自動運転実用化に向けたルール整備や実証実験の進め方などについて検討が進められている。

 ルール整備については、自動運転車が満たすべき車両の技術基準や事故が起こった場合の責任が複雑化する可能性があることから、事故時の賠償ルールについて検証されることになっている。また、実証実験については、地形や交通量等、条件の異なる実施場所を数箇所選定し、具体的な運行実験を実施することにより、自動運転に関する課題を抽出することになっており来年度夏頃に中間報告がなされると聞いている。

 県としては、こうした国での検討状況等について情報収集を行うとともに、自動運転車の実用化が具体化してきた段階で、地域の実情を勘案しコミュニティバス等への導入可能性について市町とともに検討していく。

しの木県議 (コメント)
 出来得るならば、実証実験から兵庫県が率先して手をあげてそれを引っ張って来てやって頂きたいというように思っている。というのも、今一律に高齢者がこういう交通事故に関しては悪人のような言われ方がされているように思う。しかし、県下の高齢者の免許保有状況を見ても、65歳以上を除く方々については平成23年から28年を見た場合、5.3%減少している。一般の高齢者以外の方々、65歳以上の方々は34パーセント増えている。70歳以上に限っても、26.7%増えている。75歳以上に限ると35.7%増えており、高齢者の免許保有割合がそれだけ増えるということは、占めている割合が高いので、交通事故が起こるとしても高齢者が目立つという結果になるのではないか。

 認知症等よって免許の返納を促すということは必要だが、一律に高齢者が事故を起こすというような見方は改めるべきではないか。事故が起こらないような環境づくり、運転をしなくても良いような社会づくりを進めてほしい。

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