兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

 しの木県議が、第337回定例県議会で9月27日、代表質問に登壇しました。地域創生への姿勢をはじめ、若者の教育や就職環境の向上、都市農業や土砂災害への取組、社会問題にもなっている特殊詐欺への対策など県民生活に直結する諸課題について県の考えをただしました。

第337回(平成29年9月)定例県議会 代表質問 しの木和良

質問項目

  1. 活力あるふるさと兵庫像と地域創生の取組について
  2. 私立高校の授業料無償化に向けた取組の強化について
  3. アレルギー疾患対策の推進について
  4. 就職しやすい環境づくりによる若者のUJIターンの促進について
  5. 都市農業の振興について
  6. 鳥獣害対策の強化推進について
  7. 土砂災害対策の推進について
  8. 高等学校における通級指導の導入に向けた取組について
  9. 振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺対策について

質問・答弁のダイジェスト

1、活力あるふるさと兵庫像と地域創生の取組について

しの木県議
 活力を保ち続ける地域をつくるには、人口減少の抑制が最重要課題。しかし、県は転出超過が続いており是正できていない。今後、地域コミュニティをどう維持していくか、さらに、農林水産業をはじめとする地場産業の競争力を高め、いかにグローバル化に対応していくかが地域活性化の鍵となっていく。

 県政150周年は、これまでの歴史を振り返り、県民がふるさと兵庫を再認識する機会とするとともに、これからの兵庫を語り合う節目としなければならない。その節目を迎える知事として、人口が減少しても活力あるふるさと兵庫とはどのような社会を描き、その社会像に向かう施策の指針はどのように考えているのか。現在の地域創生を推進するための施策は、これまでの施策と切れ目のないものと思慮しているが、加えてそれぞれの地域特性に応じた、思い切った新しい施策を繰り出していかなければ、人の流れを変え、活力を保ち続ける社会の創生は難しいのではないか。

 また、施策を評価するKPIについても、その施策の結果がいかに人口増や地域の元気づくりに結びついたかを検証する評価指標も必要があるのではないか。そこで、知事が描く活力あるふるさと兵庫像と、その実現に向けた地域創生の取組について所見を伺う。

井戸知事
 県政150周年を迎える平成30年度を節目として新しい兵庫を創ることを目標に、行革の仕上げ2030年の展望、地域創生の本格化、地域創生の基盤づくり、人づくりなど6つの挑戦にあたろうとしている。

 スローガン的に述べれば、絶え間ない行革の推進、子育て、在宅看護・介護など高齢者の安心、若者・女性・高齢者・障害者の活躍、元気な地域づくり、防災・医療・健康の先進地域、高速道路など交流基盤の整備と交流・観光の促進、産業変革、ふるさとを忘れない自立した人づくりなど、「行革の兵庫」「子育ての兵庫」「高齢者の安心兵庫」「生活するなら兵庫」「仕事するなら兵庫」「住み暮らすなら兵庫」「自ら学ぶ兵庫」などをめざしたい。

 地域創生戦略については戦略目標の達成状況をよりわかりやすく示すため、ご指摘のKPIに関し個々の施策のアウトプット指標のアウトカム指標への転換を図りたい。戦略目標の総合的評価を行い、評価の結果を施策に反映するPDCAサイクルのありかたを再検討していく。


2、私立高校の授業料無償化に向けた取組の強化について

しの木県議
 兵庫県の私立高校の生徒に対する授業料軽減補助の内容は、近隣の大阪府や京都府と比べて明らかに劣っている。このことは、創生における人口の社会増対策を推進するうえで、自治体間競争の観点からも大きな課題の一つである。

 授業料軽減補助が大阪府などに比べて低い水準であることに関するこれまでの当局の説明は、私立高校の経営にとって重要な財源である経常費補助と授業料軽減補助を合わせた水準では他府県には劣っておらず、大阪府では経常費補助が全国的にみて極めて低い水準となっているため、授業料そのものが全国一高い水準となっている等の弊害があるとのことだった。

 しかしながら、兵庫県の私立高校の平均授業料は、全国平均と同水準。また、子どもを私立高校に通わせる親からすれば、近隣の大阪府や京都府の授業料軽減補助と比べて、見かけ上、補助対象の範囲や額に大きな差異が生じていることは、居住地選択の判断にも関わるのではないかという危惧がある。

 国も教育の無償化を始めようとする、若い世代への支援の充実に大きく舵を切ろうとしているそのようなときに、本県の年収約250万円未満のみが実質無償という状況は、少子社会を改善し教育を未来への投資と位置付ける考え方とは、かい離しているのではないか。本県も地域創生を推進するための大きな施策として私立高校の授業料無償化に向けた取組の強化によって、教育環境の充実を行っていく必要があると思うが所見を。

井戸知事
 授業料軽減補助については国の就学支援金に上乗せする形で、所得区分に応じて県独自の支援を行っている。年収250万円未満世帯については、授業料を実質無償化しているが、さらに平成28年度からは年収250〜350万円未満世帯の補助を4万円から8万2千円に増額するとともに、年収590万円未満世帯に2万1千円の補助を新設した。大阪府や京都府の授業料軽減補助の水準は全国的に突出しているが、両団体は本県に比べて私立高校生徒の割合が大幅に高く、それだけ公私のバランスをとる必要が高いからであろう。

また、本県の私立高校生一人あたりの経常費補助単価は大阪より約4万円高く、生徒数全体(約3万6千人)で換算すると約14億円多く支援している。加えて、大阪府並みに年収590万円未満世帯まで授業料及び施設整備費等の納付金を無償化しようとすれば、多額の財源が必要となり、現在の厳しい財政状況を踏まえると、国の動向などを見極めながら段階的な対応ができるか検討せざるを得ない。

 平成30年度については、国の制度の検証・見直しの状況や、経常費補助とのバランスも十分に考慮しながら、当初予算の中で検討していく。


4、就職しやすい環境づくりによる若者のUJIターンの促進について

しの木県議
 県内の高校生・大学生の新卒者は、認知度の高い有名企業、またはそのグループ企業が集積している東京・大阪を志向する傾向がある。新卒者に兵庫に目を向けてもらうには、転入超過傾向が顕著な九州・中四国方面の生徒や学生の流入促進を加速させる取組も必要ではないか。

 他方で、卒業後一定期間を経過した第二新卒者は、就職前の理想とのギャップなどから地元や兵庫県にUJIターンを希望する若者も少なくなく、第二新卒者に光を当てた施策も重要と考える。しかし、現状では、第二新卒者がどのぐらいいるかという把握も困難という課題がある。そうした中、民間企業などでは採用を希望する人材情報を仲介し、企業に発信していく会社も増えてきた。県としても、こうした民間の取組なども活用してUJIターンを促進していくべきではないか。

 転出先上位の東京・大阪や転入元上位の九州・中四国の各府県や各々の大学生をはじめとする関係機関や、地元への就職を支援する民間企業などと連携し、就職先としての兵庫県をPRするとともに、新卒者・第二新卒者を問わず、兵庫県への就職を希望される方を把握し、就職しやすい環境を整えていく必要がある。また、県では、首都圏大学との就職支援協定なども進めているが、それらを一層促進しUJIターンを強化していく必要があるのではないか。加えて、兵庫県の多自然地域に帰って起業しようとする方や第二新卒者へインセンティブを付与する取組も強化する必要がある。県をあげて就職しやすい環境づくりによるUJIターンを促進し、若い人材の確保を図っていく必要があると考えるが県の所見を伺う。

井戸知事
 若者の県内での就労対策としては、まず県内大学生の県内就職対策である。県内の全37大学と就職支援協定を締結し企業情報を提供するほか、金融機関と連携した企業見学会を実施し積極的に県内企業の魅力を伝え県内での就職を図っていく。

 県外大学生対象としては、首都圏の大学外の施設での企業説明会では参加者が少ないため、新たにカムバックひょうごハローワークに配置した相談員が、協定締結校など兵庫県出身者が多い大学に直接出向き県内企業のPRやマッチングを行っている。また、多くの学生の参加が見込める大阪において企業説明会を6月に続き10月12日にも開催し、関西圏の大学に通学する学生へのアプローチを行う。

 あわせて、転職を行う第二新卒者等をターゲットにした取組が必要である。しごと情報広場とカムバックひょうごハローワークへの既卒者相談窓口の設置、「ひょうご生活・しごと・カムバックポータルサイト」の開設、県内への事業所移転や起業の支援強化を図っている。また、対象者の把握やマッチングにおける新しい手法についても研究し、さらに効果的な取組を検討していく。


5、都市農業の振興について

しの木県議
 平成27年に都市農業振興基本法が制定され、続いて平成28年には都市農業振興基本計画が閣議決定された。これにより、宅地化すべきものと位置付けられていた都市農地が一転、あるべきものとして評価された意義は大きい。また、昨年には本県でも都市農業振興基本計画が策定された。

 さらに、今年5月には一層の都市農業振興を図るため生産緑地法改正が行われ、500平方メートルから300平方メートルへの面積要件の引き下げや製造・加工施設の設置等、行為制限の緩和がなされるとともに都市計画運用指針も見直され、道連れ解除を避けるための要件緩和も実現した。あわせて、いわゆる2022年問題への対応、つまり生産緑地の買い取り申し出期限の実質10年間の延長である特定生産緑地制度の創設が明文化され、来年度の施行を控えている。

 このような中、現実の市街化区域内の農地では担い手の高齢化や後継者不足への懸念の声も多く、また、相続による農地の減少や固定資産税の宅地並み課税による生産性の低下などの声も聞かれる。私はこれらの問題解決に向けた最も有効な対策は、生産緑地制度の活用だと考える。生産緑地制度が適用されると、営農継続の条件の下、農地評価による農地課税となり、例えば川西市では一般市街化区域内農地への課税額の約70分の1となると聞いている。また、相続税及び贈与税も猶予の適用を受けることができる。これらの金銭面での優遇措置の実施により結果として後継者が見つかることも考えられる。

 そこで、生産緑地制度のさらなる活用を含めた都市農業振興について、現在の取組状況と併せ、今後どのように進めて行くのか所見を。

金澤副知事
 今回の生産緑地法等の改正により、指定の面積要件が500平方メートルから300平方メートルへ、加工施設や直売所、農家レストランなども設置可能と緩和された。このため市町や生産者等に積極的な情報提供を行い、生産緑地の追加指定や新たな市町での制度導入等を働きかけている。また、本県では従来から、都市部においても営農意欲の高い生産者にはビニールハウスなどの生産施設や直売所の整備支援、自給的農家等には市民農園の整備促進等を行ってきた。今年度はこれらの取組に加え、新たに障害者の雇用の場としての福祉農園や児童の栽培体験を行う学童農園、良好な景観形成を図るそば栽培とそば打ちを合わせた体験農園など多様な機能を発揮するモデル事例づくりも進めている。

 今後は、
@農業用倉庫などの施設用地に対する相続税納税猶予の適用拡大など税制改革を引き続き国へ提言するとともに
A昨年度の伊丹市に続き、都市農業振興基本計画の策定をその他の市町にも強く働きかける。また、
B生産者に対して栽培技術の支援や経営相談会を実施するほか、JA等関係機関と連携し県民に都市農業の大切さを啓発するフォーラムをこの10月に開催する。


6、鳥獣害対策の強化推進について

しの木県議
 兵庫県の農林業への鳥獣被害は、平成22年度の9億7400万円をピークに、昨年度は被害額5億3091万円と減少しているものの、依然として深刻な状況である。昨年度の被害額でみても、シカの1億8239万円とイノシシの1億9513万円で全体の71.1%を占めている。県ではこれまでシカについて、平成22年度から3万頭、28年度から4万5千頭と捕獲目標を順次高め、イノシシについても昨年度から新たに年間1万5千頭の捕獲目標を設定している。

 しかし、本年、我が会派の「地域政策要望会」では、丹波・但馬・西播磨・北播磨の各市町から、一層の鳥獣対策を強化するよう要望を受けた。市町の現場では、シカやイノシシの頭数が減少したという実感が得られていない。

 なお一層の厳格な個体戸数管理に努めるとともに、搬送・加工・保存等について市町域を超えた広域対応を行う体制づくり、市町と連携したさらなる侵入防護柵、捕獲用箱なわの設置など今まで以上に鳥獣対策を推進していくべきである。また、狩猟者の確保・育成に努めるとともに、今後の銃猟免許所持者の技能レベル向上を図る新たな射撃場施設として「狩猟者育成センター(仮称)」を整備する必要がある。加えて、捕獲個体を冷凍・冷蔵する一時保管または焼却処理するための施設整備、シカ肉などの処理加工施設の整備などを促進し、ジビエ等を活用した地域活性化をさらに推進する必要がある。以上を踏まえ、鳥獣害に対する現状の認識及び農林業への被害の減少に向けた鳥獣害対策の強化推進についての考えは。

井戸知事
 28年度のシカの捕獲数は43,682頭と3年連続で4万頭以上の捕獲、イノシシは過去最高の19,648頭と、ほぼ目標の実績をあげ県全体の被害額は着実に減少している。しかし、市町や集落単でみると、生息域の拡大や狩猟力の低下、防護柵の適正管理などの課題があり、地域の実態に即したきめ細かい対策が必要である。

 このため、市町ごとの捕獲目標の設定や京都府、岡山・鳥取県との広域連携による捕獲、捕獲実績の低い地域での県による直接捕獲など、より一層の捕獲強化を図っていく。さらに、被害集落への防護柵設置指導や遠隔操作ができる大量捕獲オリの導入など、被害が拡大している地域での新たな対策に取組む。

 また、狩猟者の確保では、高度な知識や技術を持つ専門家育成のため、射撃訓練施設に加え研修機能等を備えた「狩猟者育成センター」の整備検討を進めて行く。一方、捕獲個体を地域資源として利活用することは、地域の活性化や狩猟者の捕獲意欲を高めることにつながるため、捕獲頭数の多い地域での食肉、ペットフード併用の処理加工施設の整備、広域搬送を可能とする冷凍・冷蔵車等の導入を進めるほか、有効活用できない保体などを適正処理する施設の整備を進める。また、ひょうご二ホンジカ推進ネットワークを核にして、疲労回復などアスリート向け機能性食品の開発やひょうごジビエ・マップの作製などさらなる需要創出にも取組んでいく。


9、振り込め詐欺を始めとする特殊詐欺対策について

しの木県議
 県内において、3年連続で特殊詐欺の被害件数が増加しており、平成28年では425件、金額にして14億8千万円もの被害が発生し、さらに本年上半期においては389件と前年の倍以上となる大きな増加となっている。その被害者の多くは65歳以上の高齢者。こうした中、県警察では特殊詐欺事件の犯人検挙に向けた捜査を強化するとともに、水際阻止を積極的に行う金融機関等の職員を「声かけサポートリーダー」に委嘱するなどの水際対策や、高齢者への個別訪問による啓発活動などの被害防止に向けた諸施策についても推進するなど、懸命に取組を進めていると聞いている。

 県においては電話がかかってくると、通話の内容を録音すると告げる防犯機能付きの機器を高齢者に貸し出す取組を行う予定と聞いている。このような犯行を未然に防止するシステム等の導入に関し、警察庁や各自治体間との連携をさらに強化するとともに、官民一体となった取組や工夫も重要となってくる。そこで、県警察においてこのような現状を踏まえ、増加傾向にある特殊詐欺の撲滅に向け、今後どのように取組んでいくのか。

西川県警本部長
 特殊詐欺については本年8月末現在で、被害の認知件数は493件、被害額は約10億7千万円に上り、危機的な状況となっていることから、検挙・予防を両輪として県警察の総力を挙げて対策を行っている。被害者の多くは高齢者で、特殊詐欺の手口等を知っていても犯人からの電話を受けると、そのペースに巻き込まれ被害にあってしまう傾向があるため、そもそも犯人からの電話を受けないようにすることが被害防止に有効である。

 そこで、県と連携して警告機能付きの自動録音装置を整備し、過去に被害に遭った方や捜査の過程で押収した名簿に登載されている方など、被害に遭いやすい人を中心に貸し出すこととしている。また、犯行グループが使用した電話に対して、繰り返し電話をかけ続けるシステムについては、犯行電話の早期無力化を図ることができるものであり、警察庁と連携を密にして引き続き犯行の抑圧に努める。

 一方で、被害を水際で阻止するための金融機関等での声かけの促進のほか、普段キャッシュカードで振り込みを行わない高齢者を対象に、金融機関の協力をえてATMでの振り込みを制限する新たな対策を推進しており、今後、実施金融機関の拡充に向けて働きかけを強化する。また、高齢者等の家族に対する注意喚起を徹底し、定期的な連絡や防犯機器の設置など高齢者の子世代を通じた「家族の絆」による被害防止を図る。

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