兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H27年12月第329回 定例議会 谷井県議 代表質問

谷井いさお県議が、12月4日に第329回定例県議会で代表質問に登壇しました。質問では、兵庫の未来を創る地域創生戦略の具体策をはじめ安全なまちづくりを目指す防犯カメラの総合的施策、再生への手立てが望まれる農林水産業対策など本県のさまざまな課題への取り組み姿勢をただしました。

第329回(平成27年12月)定例県議会 代表質問 谷井いさお

質問項目

  1. 兵庫県地域創生戦略の実効ある推進について
  2. 地域創生戦略の具体的な施策について
    (1)多子世帯保育料軽減の更なる拡充について
    (2)都市部の空き家住宅の流通促進の強化策について
    (3)地域を支える小規模事業者対策について
  3. 防犯カメラの総合的な施策の策定について
  4. 障がい者の就労支援の新たな展開について
  5. TPP合意に伴う総合的な農林水産対策の検討について
  6. 総合教育会議による教育行政の総合的な推進について
  7. 自転車関係事故減少に向けた総合的な取り組みについて

質問・答弁のダイジェスト

2、地域創生戦略の具体的な施策について
  (1)多子世帯保育料軽減の更なる拡充について
谷井県議
 この度の地域創生戦略では20代、30代の女性の人口減少等に伴い、本県の出生数が毎年減少する中、今後5年間で出生数22万人を達成するとのこととなっているが、この目標を達成することが容易なことではなく今こそ大胆な施策が求められる。

 9月定例会の我が会派の代表質問で、ひょうご多子世帯保育料軽減事業の対象を現在の第3子以降から第2子以降に拡大することで子育て支援先進県であることを全国に大きくアピールできると提案したところ、知事からは「地域創生戦略では、基本目標取り組みの一つに、子育ての経済的負担軽減を挙げている。現在の県の保育料軽減事業について、提案のように第2子以降に対象を拡大した場合、15億円内外の新たな財政負担が生じる。第3子について無償化することも考えられるが、これも総額で10億円を超える事業費がかかる」との答弁であった。

 先月の知事申し入れでも提案したが、現行制度の所得制限が市町民税所得割額11万9千円未満、対象者数約6千人にとどまり、人口対策としては県民へのアピール力が少ないこと、また、他の関連制度との統一性を図るため、所得制限は子ども医療費制度と同じ23万5千円未満に揃えた上で、第2子に拡大すべきと考えている。このようにすれば、対象者数は約6万人に拡大すると見込まれ、人口対策として大きくアピールできる。

 これに要する予算規模については、平成21年全国消費実態調査等から試算すると約25億円の財源が必要になる。仮に、国が第3子以降の完全無償化を実施すれば、第2子に対する約20億円が必要な財源額となる。また、地域創生の観点から、県・市町協調による随伴補助事業にすれば、その半分の約10億円で実施できる。多子世帯保育料軽減事業の財源である法人県民税の超過課税は、企業業績の回復から増収が期待でき、地域創生枠の一部も活用することで財源調達は実現可能なものと考える。

 国においても、少子化社会対策大綱に基づく措置として、多子世帯の教育費の負担軽減に取り組む方針で、自公政権の公約でも将来的には幼児教育を無償にするとしている。国や他府県よりも先行してきた本県が、子育て世帯への保育料軽減による経済的支援策をリードすべきではないか。

井戸知事
 多子世帯の保険料軽減は1つの選択であるが様々な観点からの検討が必要だ。膨大な予算を要し、永続的に取り組む事業となるため、安定的で確定した財源が求められる。国では多子世帯・低所得世帯を優先課題するとの認識に立った上で、対象範囲や内容等については予算編成過程で検討するとしている。県としては、引き続き国の動向を注視しつつ、予算の重点化を視野に入れながらその事業の効果や影響を見極め、実効性ある施策を検討していく。


3、防犯カメラの総合的な施策の策定について
谷井県議
 昨年9月の神戸市長田区での女児殺害事件で、防犯カメラが容疑者逮捕につながる有力な手掛かりとなったこともあり、年度途中にもかかわらず、知事が防犯カメラ設置補助事業の対象箇所数を当初予算の200カ所から400カ所に倍増されたことについては、高く評価する。各警察署長が各市町の首長を訪問し、防犯カメラに対する補助制度化の要望活動を行い、また、県の担当部局の努力もあった県の保持制度に随伴して補助を出す市町も増加してきた。しかし、県の補助は原則1団体につき、1箇所となっており、補助制度があっても地域の負担金や維持費を捻出できずに断念せざるを得ない団体も多くある。さらに地域によって防犯活動に温度差があり、必要と思われる場所に必ずしも設置されているとは限らないといった課題も浮き彫りになってきている。

 このような中、行政として主体的に取り組む市町が出てきている。尼崎市では、ひったくり撲滅宣言を2013年に打ち出した。プロファイリングの手法を取り入れた調査を開始し、今年度に可動式の防犯カメラ12基を設置することにより、年間の認知件数が過去最多を記録した2003年の885件から本年度は100件以下になる見込みと報道されている。

 この防犯カメラ補助事業は、一見、市町が取り組むべき施策であるように思えるが、現在、犯罪が広域化している状況から考えると、市町とも連携を強化しつつ、県が先導すべきである。地域からの申請を待つのではなく、警察の犯罪情報などをもとに行政が必要な場所に防犯カメラを設置し、地域の犯罪抑止を図るなど攻めの防犯対策を講じることによって地域の安全・安心を確保するための本県独自の防犯カメラに関する総合的な施策が必要ではないか。

井戸知事
 防犯カメラ設置補助事業は制度開始以降、今年度分も合わせ約1500台の防犯カメラの設置に助成しており、また、現在28市町が随伴補助や独自制度を設けている。このことが、県下の刑法犯認知件数の減少(ピーク時平成14年:16.4万→同26年:6.5万)にもつながっている。尼崎市や伊丹市の事業は、可動式カメラによる犯罪抑止や防犯カメラに位置情報システムを連携させ、子どもや高齢者の見守り力を向上させる等、市が智慧を絞って地域安全に取り組むものであり県としては。この先駆的な取り組みに注目している。

 県としては防犯カメラの有効性を高めるため設置場所の選定に当たり、地元警察の意見を踏まえて決めるよう助言するとともに、来年度からは地域の危険箇所を地域住民自らが確認するよう、地域安全マップ作製を補助の要件に加えることを検討している。


5、TPP合意に伴う総合的な農林水産業対策の検討について
谷井県議
 本年10月5日TPP交渉が参加12カ国で大筋合意に達した。新聞報道によると、コシヒカリの大規模な生産者が多い豊岡市のある農業生産者は、栽培面積がけた違いに大きい米国などは脅威だ、また、つや姫が人気の山形県など東北だけでなく滋賀県が独自開発の、みずかがみの普及を強化するなど地域間競争が広がっている中、兵庫県はやる気がないのか、県単位で差がでるのは不公平といった声はよく聞く、と厳しい表情で語っていたとのことである。また、本県の農業産出額の3分の1を占める畜産では、バターや脱脂粉乳の優遇輸入枠設定で、酪農大国ニュージーランドなどから乳製品の輸入が拡大すれば、乳製品向けに生産されていた大量の北海道産生乳が牛乳用として本州に回る結果、小規模酪農家が深刻な打撃を受けるとも報道されていた。

 本県では、力強い農林水産業の再生をめざし、農地の有効利用による農業生産力の強化を図るため、コスト低減効果の実証などを行っているほか、地産地消の推進のため都市農業の推進を図り出荷を拡大する農家に対してパイプハウス等の施設整備を支援している。また、認定農業者や集落営農組織等に対しては、法人化への相談・指導並びに情報提供や新規就農者育成への取り組みなど多様な農業の担い手育成に努めている。

 このような状況においても、なお生産者の不安を払しょくできていない現状にある。知事はTPP交渉の大筋合意について「アジア太平洋地域が幅広い自由化がもたらす恩恵によって世界経済をけん引する地域として発展していくことを期待する」と述べられ、農業では神戸ビーフやコウノトリ米などを育成するとともに、低価格輸入品の拡大による影響に対して国に適切な支援策を求めるとした。

 本県ではこれまでも様々な取り組みを行っているが、今後、TPPが本県農林水産業に与える影響を踏まえ、関係分野における対策を総合的に検討する必要があるのではないか。

井戸知事
 本県では、TPP交渉の本筋合意を踏まえ、特に影響が懸念される農林水産業について、直ちにTPP対策本部を設置し
@国内への影響と対策の情報収集
A学識経験者や県内関係団体、事業者等の意見聴取を実施している。

現段階で、
@輸入コメの流通による県産米の価格下落
A輸入牛肉と競合する乳用種を中心とした牛肉の価格下落
B乳製品の輸入拡大に伴う北海道産生乳と県産生乳の競合などの影響が懸念される。

 このため国への要望として
@農林漁業者が将来にわたり安心して生産活動に取り組めるよう基金等による安定財源の確保など中長期的な対策の実施
A生産現場の意見等を踏まえた柔軟な制度の改善
B個別の対策で補完しきれない場合の農林漁業者の所得安定対策の着実な実施を提案している。

また、神戸ビーフなど輸出拡大に加え
@規模拡大や低コスト化、施設園芸の推進など収益性の高い経営の展開
A輸入牛肉と競合する乳用種肥育から但馬牛への展開
B鮮度を活かした県産生乳100%によるブランド力の強化などの取り組みを一層強化していく。

 さらに、影響は限定的と国が予測する林業、水産業についても
@高性能林業機械の導入等による収益性の高い林業事業体の育成・強化
A豊かな海の再生と水産資源の回復、さらに、
B漁船漁業に養殖業や観光漁業を加えた複合経営の強化などの施策を積極的に展開していく。


8、自転車関係事故減少に向けた総合的な取り組みについて
谷井県議
 自転車安全運転に対する県民の意識の醸成を図るため、我が会派はあらゆる機会に繰り返し自転車の安全運転に関する条例の設定を、その中でも特に自転車保険の加入の促進を求めてきた。その結果、本年4月に自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が施行され、10月には全国初となる自転車保険加入の義務化が施行された。

 国においては、本年6月より道路交通法が改正され、自転車運転による信号無視や指定場所一時停止等、歩道通行時の通行方法違反、酒酔い運転など14項目の危険な交通違反を3年以内に2回以上繰り返すと、自転車運転者講習の受講が命じられる制度が始まった。この講習は、違反者の特性に応じた個別的指導を含む3時間の講習で、講習費用は標準額で5700円となっている。命令を受けてから3カ月以内の指定された基幹内に受講しないと5万円以下の罰金となる。

 今後、この改正内容を県民に十分周知し、なおかつ、街頭での危険行為の取り締りを強化することによって、改正道路交通法の実効性を担保していく必要がある。その際、自転車運転者に対し、ヘルメットの着用を促していくことによって、安全運転に対する意識の醸成と自転車事故によるけがの軽減を図ることも重要である。

 そこで、道路交通法改正に伴う改正内容の周知や自転車危険行為の取り締まりにどのように取り組んでいくのかも含め、自転車関係事故の減少に向けた総合的な取り組みについて所見を伺う。

井上県警本部長
 本年4月に「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が施行され、6月には「自転車運転者講習制度」の運用が始まり、自転車の安全利用に対する県民の関心が高まっている。この機会を捉え、交通安全教育や各種キャンペーン等を通じ、自転車運転者として遵守すべき交通ルールや加害者となった場合の責任の重大性、被害軽減効果のあるヘルメットの着用促進などに加え、自転車運転者講習制度の概要、危険行為の内容等を広く県民に周知を図っているところである。

 また、歩行者や通行車両に具体的危険を生じさせたり、警察官の指導警告に従わない等の悪質・危険な違反者に対しては、積極的な検挙措置を講じており本年10月末までの検挙件数は1278件、うち6月以降の危険行為の検挙件数は537件である。引き続き、啓発と指導取締りを両輪とした各種取り組みを推進する。

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