兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H30年9月第339回 定例会 芦田県議 一般質問

 あしだ県議が第339回定例県議会で、2月26日、一般質問に登壇しました。母子家庭等による子どもの貧困解消をはじめ地域のコミュニティ形成にもつながる高齢者自立支援ひろば事業の展開、インバウンド対策の推進、また、地元活性化への期待が持てる神戸電鉄の安定運行への支援など喫緊の課題について県の姿勢をただしました。

第339回(平成30年2月)定例県議会 一般質問 あしだ賀津美

質問項目

  1. 子どもの貧困対策について
    (1)子どもの貧困解消に向けた取組について
    (2)「子ども食堂」の推進について
  2. 高齢者自立支援ひろば事業の今後の展開について
  3. インバウンド対策の更なる推進について
  4. 神戸電鉄の安定運行に向けた支援及び沿線の活性化について
  5. 兵庫県高等学校通学区域の拡大に対する検証の評価及び課題への取組について

質問・答弁のダイジェスト

1、子どもの貧困対策について
 (1)子どもの貧困解消に向けた取組について
あしだ県議
 子どもの相対的な貧困率の上昇を受け、国会においてこどもの貧困対策に向けた様々な議論が行われ、2013年6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立し、翌年2014年1月から施行された。2014年のОECD加盟国36ヵ国の子どもの貧困率の平均13.3%に対して、日本の子どもの貧困率は2.4ポイント高く、最も低いデンマークの3.7%や韓国の9.4%に及んでいない。特に、母子世帯をはじめとするひとり親家庭の貧困は深刻で、平成28年の国民生活基礎調査によると、ひとり親家庭における子供の貧困率は50.8%であり、母子世帯の8割以上の世帯が「生活が苦しい」と回答している。

 法律において地方公共団体は、第4条で「基本理念にのっとり、子どもの貧困対策に関し、国と協力しつつ当該地域の状況に応じた施策を策定し、および実施する責務を有する」とされており、また第9条には「都道府県における子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努めるものとする」とされている。

 本県においては平成27年3月に策定した「ひょうご子ども・子育て未来プラン」をこの子ども貧困対策の県計画に位置付け、主な取組として
@地域による学習支援の充実など「教育の支援」
A生活困窮者自立支援法に基づく包括的な支援など「生活の支援」
B生活困窮者への就労支援など「保護者の就労支援」
C生活保護世帯の子どもの高校等の入学料支給など経済的支援を位置付けている。
さらに、今後の方向性では福祉や教育、労働分野をはじめ多様な関係者の連携、協働が重要であるとしている。

 一方、山形県や静岡県などでは相対的に貧困といわれる世帯や人数を概ね掌握し、貧困率緩和、貧困解消に向けた単独の計画を策定し、実行に努めている。このことにより、必要な教育支援、生活支援、就労支援や経済的支援などの責任が明確化され、新規施策や拡充につながっている。そこで、県として、子どもの貧困解消に向けた取組をどのように進めていくのか所見を伺う。

柏福祉部長
 今年度は、プログラムに定める子ども食堂応援プロジェクト(17市1町82箇所)、生活困窮者世帯の子どもの学習支援事業等(10市12町39カ所)の実施に加え、去る2月15日には内閣府と共催して、姫路市内で子どもの貧困対策に関わる団体等が一堂に会し、事例発表や意見交換を行う「子供の貧困対策フォーラム」を開催した。

 新年度は、従来の取組に加え、その約半数が貧困状態にあるとされる、ひとり親世帯の生活実態調査を実施し、今後の施策展開を検討する。また、生活保護世帯の子どもが大学等への進学に際し「進学準備給付金」が支給される等の生活保護制度の改正が予定されていることから、適切な制度運用を図る。

 これまでの取組により、生活保護世帯の子どもの高等学校進学率が上昇する等一定の成果を上げている。(H24年度90.7%からH28年度94.1%へ上昇)

 引き続き、市町や地域団体とのネットワークを構築し、支援が必要な子どもとその家庭を早期に把握するとともに、その子供を地域ぐるみで支える体制を整備し、貧困の連鎖防止に取り組んでいく。


2、高齢者自立支援ひろば事業の今後の展開について
あしだ県議
 高齢者自立支援ひろば事業は、神戸市をはじめ西宮市、宝塚市、三田市、尼崎市など51箇所で展開されてきた。今後、高齢者人口をはじめ高齢化率も年々上昇する中にあって、高齢者が住み慣れた地域で安心して自立に繋がる生活を送ることができるよう、地域社会での高齢者の必要な相談や安否確認などの必要な見守り推進に加え、地域内外の住民同士のコミュニティ形成などの効果もある本事業は、拡充していくべきである

 先般、県の平成30年度当初予算案についての記者発表において、高齢者自立支援ひろば事業の存続が示されたところであり、努力に感謝する。今回、本事業が基金事業から一般会計事業に変更して実施されることに鑑み、改めて本事業の意義や役割を踏まえ、今後本事業をどのように展開していくのか伺う。

井戸知事
 ひろば設置数は平成29年度で51、神戸が39、尼崎2、西宮2、伊丹1、宝塚4、三田1、淡路2という展開であった。高齢者自立支援ひろばにおいては、常駐型の見守りもあるが、あわせて集会所等における健康相談、閉じこもりがちな高齢者の社会参加支援などが行われ、住民の暮らしの安心に貢献してきた。

 一方、市町においては介護保険財源を活用した生活支援体制整備事業により、高齢者の見守りや買い物、社会参加などを支援している。38市町がすでに実施しており、この4月からは全市町で実施されることになっている。県としては、災害復興公営住宅における高齢者の見守りの必要性がある場合には、その支援の継続が必要と考えて、阪神・淡路大震災復興基金が活用できないことを踏まえて、来年度予算においては、市がその必要性から現行のひろば事業を継続できるように、一般財源により所要の経費を計上している。ただ、県と市との共同事業という形をとっているので、県の負担は2分の1とさせていただいている。


3、インバウンド対策の更なる推進について
あしだ県議
 本県における2017年の外国人訪問客数は、暫定値で対前年比5.9%増の158万人となっているが、依然として大阪府の1111万人や京都府の741万人に水をあけられている。しかも、近年この差は広がる傾向にあり、なんとか兵庫県も近隣府県に負けないように、インバウンドの取り込みを図って頂きたい。

 兵庫県では、城崎温泉、姫路城、神戸をひょうごのゴールデンルートに位置付けて、兵庫県の多様な魅力を発信するなど、大阪や京都に流れる外国人観光客を取り込もうとしてきた。しかし、現状を鑑みるとより一層の取組が求められる。外国人の兵庫県への訪問者や訪問率の上昇に向け、わかりやすい観光案内の整備や看板の多言語化、トイレの洋式化、Wi−Fiの整備などについても徐々に進んでいる。

 また、滞在日数が短かかったり、消費額が低めであることが、本県を訪れる外国人観光客の特徴であり、課題ともいわれている。そのような課題を克服するためにも、体験型ツーリズムの更なる推進とともに、兵庫の発信力の強化も必要ではないか。

 日本を訪れる外国人観光客は、インターネットで情報を得ることが多い傾向にある。「食」「温泉」「体験」などをセットにして、実際に兵庫県の各所を訪れてみたくなるような仕掛けをする必要がある。四季折々の魅力が楽しめる六甲山をはじめ、磨けば光る観光資源が豊富にあり、御食国ひょうごならではの、ほかにはない兵庫の魅力を存分に発揮した滞在型観光へのプロモーションなどをもっと強く進めるべきである。兵庫への滞在型訪日外国人観光客拡大をはじめとするインバウンド対策の更なる推進について伺う。

片山産業労働部長
 来年度は、SNS等を活用したPRの強化、体験プログラムの充実、利便性の向上に取り組んでいく。まず、SNSについては、中国向けの取組としてテンセント社が運営するユーザー数約9億人のウィーチャットに兵庫のページを新たに開設し、観光情報を発信する。また、世界最大のオンライン旅行者エクスペディアと連携して、海外オンラインプロモーションを展開していく。

 次に、体験プログラムについては、農業、酒蔵、工芸品製作、フルーツ狩りなどを外国人にも体験してもらうことが出来るように、施設や担い手への支援を開始し、体験型観光の充実を図っていく。さらに、利便性の向上については、ウィーチャット・ペイなどモバイル決済の県内商店街への導入を促進して、消費単価が高い中国人旅行者が買い物しやすい環境を整えていく。


4、神戸電鉄の安定運行に向けた支援及び沿線の活性化について
あしだ県議
 神戸電鉄は、長年にわたり沿線のまちづくりや人々の暮らしになくてはならない地域鉄道としての役割を担ってきた。しかし、沿線人口の拡大による輸送力の増強のための鉄道施設の再整備を強いられたほか、阪神・淡路大震災による被災の借入金の増なども加わり、昭和40年には100億円にも満たなかった借入金等が、平成10年には900億円を超えるなど、厳しい経営環境が続いた。

 その上、少子高齢化、転出超過などの人口動態の変化、マイカーへの転移や高速道路等を経由する路線バスへの転移などのモータリゼーションの進展、神戸市営地下鉄西神山手線の延伸に伴う地下鉄への転移などの影響を受け、神戸電鉄前線の輸送人員は平成4年のピーク時の6640万人から、平成24年には4182万人へと大幅な減少となった。

 平成23年6月、私が初質問で登壇した際の、神戸電鉄粟生線の維持存続に向けての具体的な方策を示すべきとの質問に対し、知事からは「当面の対応として、安全性や利便性の向上に資する施設整備等を支援するほか、神戸電鉄の更なる経営改善努力、親会社である阪急阪神の関与や支援が示されることに加えて、沿線の神戸、三木、小野の3市の一丸となった姿勢を確認したうえで、その必要性を見極めたい」という趣旨の答弁がありました。その後、平成24年度から5年間にわたる神戸電鉄への40億円の無利子貸し付けの実施や沿線3市による利便性向上の支援なども行われた。

 その結果、鉄道事業全体の経常利益は平成23年度決算において3億円の赤字だったが平成26年度には1.8億円、平成27年度には3.8億円の黒字となった。さらに、県の平成30年度当初予算案においても、国の補助を活用した、老朽化した車両の更新等、施設の維持更新・修繕に対する支援の継続実施も計上されている。これらの支援は安定運行をはじめ、自然災害等への対応や備えにも資する効果がある。公的な支援の継続については、是非引き続き行ってほしい。

 また、今後人口減少が続く中にあって、神戸電鉄沿線地域に訪れ移り住んでもらえるような魅力あるまちにしていくとともに、公共交通が使いやすいまちに変えていくことが必要だ。例えば、パーク・アンド・ライドの推進やイベントなどを通じた地域との連携など、アクセス利便性の改善や周辺施設と協力した取組も必要ではないか。このような沿線の活性化に結びつく取組を推し進めることが利用者減に歯止めをかけ、利用者増に結びつくのではないか。神戸電鉄の安定運行に向けた支援及び沿線の活性化について、今後どのように取組んでいくのか。

井戸知事
 ご指摘をいただいた私の答弁の趣旨に沿って支援を行っていると考えている。安全輸送設備等では、レール、枕木の交換やICカード対応の改札機設置等に対して、国庫補助制度を活用しながら、地元市とともに支援している。

 沿線の活性化に資する取組みでは、樫山駅と匠台工業団地を結ぶコミュニティバスの運行支援、昨年11月の北播磨ふるさとフェスタでは、恵比須駅からの送迎バス運行を行った。また、粟生線活性化協議会等とも連携して、恵比須駅前のパークアイランド駐車場の料金の割引や沿線の複合リゾート施設と連携した企画切符販売等も実施している。

 平成30年度には、国庫補助を活用し、岡場駅の耐震工事や老朽化が著しい車両更新に対して支援していく。また、県政150周年と神戸電鉄開業90周年を兼ねた特別列車を運行して、沿線の魅力の情報発信にも努める。このほか、鈴蘭台駅前や北鈴蘭台駅前の再開発など、地元市や民間企業等による魅力あるまちづくりも進められている。県もこれに対する助成や技術指導など、様々な角度から支援を続けていく。
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