兵庫県議会公明党・県民会議

代表・一般質問

H30年9月第341回 定例議会 島山県議 一般質問

 島山清史県議が第341回定例県議会で、10月1日に一般質問に登壇しました。クローズアップされている災害時の県民生活を守るための避難所のあり方をはじめ、障害者への虐待への対応策、スポーツ施策の推進など喫緊の課題について持論を交えながら県の考えをただしました。

第341回(平成30年9月)定例県議会 一般質問 島山清史

質問項目

  1. 避難所のあり方について
  2. 支援が届きにくい障害者に対する取組について
    (1)障害者虐待に対する取組について
    (2)強度行動障害がある障害者に対する支援について
  3. 自動運転社会の実現に向けて
  4. 兵庫県のスポーツ振興施策について
    (1)スポーツ推進計画の改定について
    (2)スポーツ行政(学校体育関係を除く)の教育委員会から知事部局への移管について
    (3)障害者スポーツの振興について

質問・答弁のダイジェスト

1、避難所のあり方について
島山県議
 県によると7月の豪雨災害では避難勧告及び避難指示が発令された人数は1,068,603人、そのうち避難所に避難された方は6,475人で避難所への避難率はわずか0・6%、台風20号では496,305人に避難勧告・避難指示が出され、避難所に避難された方は1,919人で0.4%、台風21号では338,116人に対して、3,470人で避難率は1.0%となっています。自宅上層階へ垂直避難された方や親族等に身を寄せられた方もおられると思うが、それにしても低い避難率だと感じる。

 台風20号接近時に避難指示を発令したのは午後1時前だったため、情報を出す時間帯が課題とされていたが、避難所を廻って避難された方の声を伺うと、ほかにも課題があることが分かった。台風21号接近の時、初めて避難してきた方に、これまでなぜ避難されなかったのかを伺った。そうすると、「避難所がどのようなところかわからないので、一人では不安である」「避難所が遠く、これまでなかなか行く気になれなかった」「避難所が3階にあり、一人では上がれないので友人に助けてもらった」等との声を聞いた。一方で、「一度来れば分かったので、これからは安心して行くことができる」「不安なので近隣の友人を誘ってはじめて避難した」といわれる方もおられた。

 それだけ避難所に行くにも心理的なハードルがあるということ。何を持っていってもいいのか、何を着ていけばいいのかといった、些細なことと言われる方もいると思うが、そのような原因から避難を躊躇している実態がある。そうした観点からも、まずは普段から避難所について知ってもらうことも必要ではないか。

 また、避難所の運営も地域の自主防災組織などに運営費を支給し、例えば、要援護者の方には電話での状況確認や避難を促したり、プライバシー空間を確保するなど、地域のニーズに沿った、顔の見える運営をしてもらうほうがいいのではないかと感じた。さらに、避難所の運営で私が着目しているのはスフィア基準です。これは、国際赤十字やNGОなどがまとめた、紛争や災害などを想定し、シェルターなどの収容施設等における人道救助のための国際的な最低基準。例えば「1人当たりの居住スペースは3・5u」、「受入・一次滞在センターにおけるトイレ数は50人に一つで、男女比は1対3」など、具体例を示しており、内閣府の避難所運営ガイドラインよりも手厚くなっている。海外でこの基準を適用している国は多く、地震国であるイタリアでも運用されている。日本では、徳島県が避難所の運営マニュアルにこの基準の一部を盛り込んでいるが、少しでも避難しやすくなるよう、質の高い避難所への改善を目指してスフィア基準に近づける努力が必要ではないか。

 避難所のあり方について、さらに検討していく必要があると思うが所見を。

早金防災監
 県では、住民の避難所体験や地域住民による避難所運営を支援するため、小学校での夜間宿舎訓練など自主防災組織が行う避難所運営訓練に助成するほか、活動の手引きや事例集を作成して自主防災組織等に提供している。

 また、市町が行う避難所運営や環境整備を支援するために「避難所管理運営指針」、あるいは「トイレ対策の手引き」を作成して、居住スペースやトイレ等に関する女性への配慮なども示している。特に要援護者については「福祉避難所運営・訓練マニュアル」や「災害時要援護者支援指針」等により福祉避難所の確保、あるいは早期避難の声掛けなどを求めている。さらに、避難所空間の質の向上のため、段ボールベッドや間仕切り等を迅速に設置できるよう業界団体と協定を締結しており、災害時の生活用水が確保できるよう井戸の整備を進めてきた。あわせて、避難所の過密状況を解消するため、旅館・ホテル等も活用することとしている。

 スフィア基準については、元々長期にわたる避難生活を前提に国際赤十字等が設定したもので、その点においては災害時の避難所管理運営指針の基準とは異なっているのではないかと認識している。避難所は一時的な避難生活を前提としたものであり、避難生活が長期にわたる場合は生活環境がより整った応急仮設住宅を提供したいと考えている。


2、支援が届きにくい障害者に対する取組について
 (1)障害者虐待に対する取組について
島山県議
 今年4月、三田市で70代の父親が障害のある40代の長男を約25年間自宅の折に監禁したとして、逮捕される事件があった。逮捕された父親は「長男がものを壊して大きな音を出し、近所から迷惑と言われ自宅の檻に入れるようになった」と話していたが、過去に複数回、市や関係機関に相談していたことも明らかになっている。行政の対応も課題として浮かび上がった。こうした経緯から三田市が第三者委員会を設置し調査したところ「職員の引継ぎが不適切で、組織として機能していなかった」との調査報告もされた。

 市町職員の引継ぎ等については、どの市町においても同じような引継ぎ方法が行われていると考えられ、今回の三田市事案の教訓については、他市町にも活かされるべき点があるのではないか。また、障害者虐待防止法によれば、父親などの援護者による障害者虐待は市町職員が対応することとなっているが、警察や医療機関、学校等様々な機関と連携をとって対応しなければならない。このような対応については事案発生時にほとんどの市町で同じような手続きや連携が必要となってくるのではないか。

 今回の事件を検証した第三者委員会の報告書には冒頭、次のような警鐘があった。「今回の検証対象となった虐待案件は一般的なイメージからは相当かけ離れた特殊な側面を持つとともに、未だ発見あるいは認識されることのない隠れた・隠された虐待、全国にあまねく存在する膨大な数の虐待の象徴的なものである」と。

 兵庫県においては、二度とこうした事件を起こさせないためにも、市町に対し何らかの啓発や支援をすることが重要と考える。そこで、県は今回の事件問題点等をどうとらえ、どのように再発防止に取り組むのか。

井戸知事
 三田市の障害者虐待が長期にわたって続いたことや発見直後の対応が遅れた要因としては、まず児童担当課から成年担当課へ所管が移る際の「庁内の引継ぎが不徹底であったこと」が指摘されている。二つに、福祉の支援対象から除外された際の「関係部署による障害者情報が共有されなかったこと」があげられている。三つに、虐待が発生した際の緊急対応を定めた「市の障害者虐待対応マニュアルの不備もあったこと」、このような要因が挙げられている。

 「引継ぎの不徹底」については、今後三田市で善後策が検討されていく。「障害者情報の共有」や「虐待マニュアルの不備」については、県内他市町においても三田市同様に潜在している可能性を否定することはできない。まず、障害者の情報は障害者手帳や障害年金、障害福祉サービスの利用状況など、関係部署の情報を一元的に管理することで、福祉サービスを利用していない障害者を把握し、その現況等を確認、各種支援につないでいくことができるのではないかと考えている。

 次に虐待対応マニュアルですが、県は平成24年10月の障害者虐待防止法施行前に、国の示したマニュアルに緊急性の判断の具体例を追加する等県独自の項目を加えて兵庫県版マニュアルを各市町に配布している。しかし、各市町においてその活用が十分であるとはいえない。今後は、三田市の検証結果を県内市町に伝達し、共有するとともに警察や教育、施設関係団体等とも連携して情報共有の仕組みづくりや県版マニュアルの改訂について検討していく。


3、自動運転社会の実現に向けて
島山県議
 自動運転技術は車両面や運行面などにおいて発展途上であり、加えて住民は自動運転に対し不安に思っている面も多く、社会的受容性も大きな課題であり、実証実験を積み重ねることが必要と考える。現在、全国各地で実証実験が行われているが、本年5月、播磨科学公園都市でも実証実験が実施された。わが会派からも5名が自動運転車に乗車したが、安全な運航で乗り心地もよく、自動運転車社会の実現が近いことを実感したと聞いている。播磨科学公園都市はSpring―8やSACLAのある科学技術のまちであることから、自動運転を全国に先駆け導入するにふさわしいと考える。

 自動運転社会の実現に向けては、まだまだ多くの課題があると思うが、わくわくする未来に向けてぜひ頑張ってもらいたい。そこで、今回の実証実験の成果と、今後の展開について所見を伺う。

石井公営企業管理者
 自動運転の導入に向けて、本年5月に理化学研究所や地元バス事業者等と連携し、Spring―8構内で4日間の実証実験を行った。実験では、2台のハンドルやブレーキペダルのない自動運転EVバスが車や歩行者は自由に活動する空間を走行し、15q離れた事務所から2台を遠隔監視する全国初の取組も行った。

 地元住民など約900名に乗車してもらった。試乗後のアンケートによると、乗車前は約7割が自動運転に不安感をもっていたが、乗車後は約2割に減少した。また。9割が自動運転社会の到来に賛同するなど、播磨科学公園都市内の走行を望む声も多く、自動運転を受け入れようとする社会的受容性は高まったと考えている。

 一方、車両面や運行面では多くの課題が見つかった。車両面では、8時間程度しか運航できないバッテリーの能力や坂道発進が難しい動力、あるいは雨天時における障害物感知機能の誤作動などの課題があった。運行面では、車の故障や車内の異変、事故等の緊急時の対応について検討が必要であると考えている。

5、 兵庫のスポーツ振興施策について
  (1)スポーツ振興計画の改定について
島山県議
 スポーツの多面的な価値は、平成29年に改訂された国の第2期スポーツ基本計画にわかりやすく示されている。国民がスポーツを通して「人生」が変わる、「社会」を変える、「世界」とつながる、「未来」を創る、という4つの指針を掲げている。とても分かりやすい指針に、私自身改めてスポーツの価値を再認識させられた。スポーツは、現実に人生を豊かにし、社会の空気を換える、大きな力を持っている。こうしたスポーツの持つ可能性に今一度注目し、さらなる兵庫県のスポーツ振興について取り組むべきであると考えるし、県の重要政策に織り込んでいく必要がある。

 兵庫県では平成24年に兵庫県スポーツ推進計画を策定したが、こうしたスポーツの多面的な価値を県民に分かりやすく伝えきれていない。また、計画の中の「スポーツをめぐる現状と課題」は、多くを修正する必要はないものの、例えば、今、報道等で話題となっているスポーツ団体のガバナンス、クリーンでフェアなスポーツの推進、女性アスリートの抱える女性特有の問題など欠けていると思われる課題も散見される。

 井戸知事は、8月6日に行われた定例記者会見で現行の基本計画は2020年の東京オリンピック・パラリンピックや2021年のワールドマスターズゲームズへの対応という視点が欠けていることから、計画の見直しをすると発表された。ゴールデン・スポーツイヤーズを目前にして、基本計画を改定することは大いに評価できる。改定に当たってはスポーツの持つ多面的な意義を踏まえ、今日的な課題を把握し県民に分かりやすく、さらには実行ある計画に移していくことが必要である。

 そこでまず、スポーツの価値について、どのように考えているのか。さらに、兵庫県のスポーツ振興を推進していくうえで、どのように基本計画を改定するつもりなのか。

西上教育長
 本県では平成24年度からの10年計画として、1点は子どもの体力向上方策の推進、2点目としてライフステージに応じたスポーツ活動の推進やSC21ひょうごの活性化、3点目にジュニア期からトップレベルまでの一貫指導体制の強化や指導者養成、4点目として障害者スポーツのすそ野拡大や環境整備、5点目に国際競技大会等の招致活動等を柱とする「兵庫県スポーツ推進計画」を策定した。併せて、「今後の方向と目標」や数値を用いた成果指標など施策の取組内容を明記した実施計画を策定しており、この計画に基づいてスポーツの推進に総合的に取り組んできた。

 しかし、人口減少社会、女性の活躍促進、人生100年時代といった社会情勢の変化、また、教職員の働き方改革における運動部活動への対応、そしてドーピング、パワーハラスメントなどの問題に対するスポーツの誠実性、健全性、高潔性を高める課題、そして4点目はラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズ2021関西など国際大会の開催決定、こういった要素は現在の計画に盛り込まれていない。

 したがって、2021年まで残りわずかではあるが、今年度中には現行のスポーツ推進計画の一部を改訂していきたい。実施計画、指標、数値目標についても改定して、現行計画以降に生じた社会情勢を踏まえたより効率的で効果的な施策展開を図っていく。

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