件名 | 公明党・県民会議の請願に対する態度及び理由(考え方) | 議決結果 | |
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請願第53号 |
議決態度 | 女性活躍の推進、男女共同参画社会の実現のためには、「選択的夫婦別姓」の導入が必要であると考える我が会派の立場から、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 |
1 平成30年2月に内閣府が公表した世論調査において、夫婦同姓も夫婦別姓も選べる選択的夫婦別氏(姓)制度の導入に賛成または容認すると答えた国民は66.9%であり、反対の29.3%を大きく上回ったことが明らかになった。 2 しかし、現行の民法では、婚姻時に夫婦のいずれか一方が姓を改めることと規定している。このため、社会的な信用と実績を築いた人が望まない改姓をすることで、自己同一性を喪失し苦痛を伴う、一部の資格証では旧姓の使用が認められない、姓を維持するために法的な保障の少ない事実婚を選択せざるを得ないなどの問題が生じている。 3 政府は旧姓の通称使用の拡大の取組を進めているが、ダブルネームを使い分ける負担の増加、社会的なダブルネーム管理コスト、個人識別の誤りのリスクやコストを増大させる等の問題も指摘されている。また、通称使用では、自己同一性を喪失する苦痛を解消するものにはならず、根本的な解決策にはならない。 4 このような状況から、国連の女子差別撤廃委員会は、日本政府に対し女性が婚姻前の姓を保持する選択を可能にするよう再三にわたり民法の改正を勧告している。 5 さらに、平成27年12月の最高裁判決に引き続き、令和3年6月の最高裁決定においても、夫婦同姓規定が合憲とされる一方、夫婦の氏に関する制度の在り方については、国会で論ぜられ、判断されるべきであるとされたところだが、我が会派としては、女性活躍の推進、男女共同参画社会の実現のためには、「選択的夫婦別姓」の導入が必要であると考える。 6 よって、「選択的夫婦別姓」導入を進める我が会派の立場から、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 7 なお、国民各層に様々な意見があるなかで、「選択的夫婦別姓」導入について幅広い支持を得ていくためには冷静な議論が必要となるが、今回の請願には「憲法に反する」等の表現の行き過ぎがあり、国民的合意を形成する上では大きな問題があると考える。 |
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請願第54号 |
議決態度 | 社会福祉事業関係の職場環境の改善については、単に職員配置基準の変更だけで解決するものではなく、処遇改善をはじめとする人材確保対策などを含め、総合的に解決を図る必要があることから、本請願の趣旨には賛同できず「不採択」を主張する。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 |
1 福祉職場、とりわけ保育・介護分野における人材不足は深刻な問題であり、職員配置基準の抜本的な改善を図った場合、多くの事業所で事業が継続できなくなる恐れがある。まずは、福祉人材の処遇改善策を進めるとともに、その効果を分析し、人材確保を進めていくことが重要である。 2 処遇改善については、例えば、保育士にあっては、国では今年11月に検討委員会を設置し、運営に要する「公定価格の在り方を抜本的に見直す」としている。また、介護職員にあっては、国では必要な人件費を手当てする介護報酬を3年に1度見直しており、直近では今年3月に改定されている。更に、障がい福祉サービスを提供する事業所について、配置基準以上の手厚い職員配置に対して報酬算定の加算を行っているほか、今年4月の報酬改定において配置基準や報酬の一定の見直しが行われたところである。 3 県も、例えば保育士の負担が軽減されるような配置基準の算定や保育士の給与改善を国に要望するなど、社会福祉事業に関わる人材の処遇改善をはじめとする人材確保対策の強化を図っている。 4 社会福祉事業関係の職場環境の改善については、単に職員配置基準の変更だけで解決するものではなく、処遇改善をはじめとする人材確保対策などを含め、総合的に解決を図る必要がある。 5 したがって、本請願の趣旨には賛同できず「不採択」を主張する。 |
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請願第55号 |
議決態度 | 令和3年6月に可決された「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法の一部改正する法案」については、現役世代と高齢者の負担のバランスを保つものであり、健康保険制度を今後も維持していくためには必要不可欠であることから、本請願の趣旨に賛同できず、「不採択」を主張する。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 |
1 高齢者の医療費負担増は受診控えなどに繋がる可能性もあり、できるだけ避けなければならない。 2 その一方で、健康保険制度については将来に渡って維持できるような制度設計が必要であり、若者や現役世代の負担が過大となっては持続可能なものとならない。 3 したがって、医療費負担については、高齢者等の窓口負担とともに、若者や現役世代の保険料負担とあわせて、健康保険制度の在り方全体で論じられるべきものである。 4 令和3年6月に可決された「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法の一部改正する法案」については、現役世代と高齢者の負担のバランスを保つものであり、健康保険制度を今後も維持していくためには必要不可欠である。 5 同時に改正の必要性について、国民に分かりやすく丁寧な周知を行うことが必要であるが、都道府県としても制度の詳細が決まり次第、円滑な実施に向け、周知に努めることとしている。 6 よって、本請願の趣旨に賛同できず、「不採択」を主張する。 |
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請願第56号 |
議決態度 | すべての人が必要な医療・介護を安心して受けられるよう、持続可能な社会保障制度の確立を図っていかなければならない。よって、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 | 採択 |
態度決定に至った理由 |
1 公明党は、誰もが安心して暮らせる全世代型社会保障の構築を推進してきた。 2 特に、診療報酬の改定は、質の高い医療の確保に必要な改定をする必要があり、診療報酬を安易に引き下げることは、医療従事者の確保に悪影響を与え、医療サービスの質の低下を招きかねない。 3 一方、少子高齢化が加速する中で、健康寿命の延伸、医師の働き方改革、患者に身近な医療の実現、社会保障と経済・財政との調和などを図っていく必要がある。 4 その上で、すべての人が必要な医療・介護を安心して受けられるよう、持続可能な社会保障制度の確立を図っていかなければならない。 5 よって、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 |
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請願第57号 |
議決態度 | 母親のお腹にいる赤ちゃんを対象とした給付金を創設した基礎自治体は少なくないが、一方でそのような給付金を設けていない基礎自治体もあり、赤ちゃんが生まれた自治体によって給付の有無が決まるという状況は改善すべきであり、国として何らかの措置を行う必要があることから、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 | 採択 |
態度決定に至った理由 |
1 国が2020年に実施した特別定額給付金(10万円)においては、支給の基準日に母親のお腹にいる赤ちゃんは支給の対象となっていなかった。 2 そのため、母親のお腹にいる赤ちゃんを対象とした給付金を創設した基礎自治体は少なくなく、県内でもたとえば姫路市では、未来につながる子育て支援を行うため、「姫路市新生児臨時特別給付金」を支給し、コロナ禍が収束していないため、事業期間を来年4月1日まで延長しているところである。 3 一方でそのような給付金を設けていない基礎自治体もあり、赤ちゃんが生まれた自治体によって給付の有無が決まるという状況は改善すべきであり、国として何らかの措置を行う必要がある。 4 よって、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 |
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請願第58号 |
議決態度 | 我が会派としては県民等と危機意識を共有するために「気候非常事態宣言」を行うというのであれば、賛同するが、請願の文面を読むとエネルギー政策に踏み込んだ内容となっている。そもそもエネルギー政策は国の方針によるところが大きいので、今後の国の動向を見極める必要があることから、我が会派としては、「継続」を主張する。なお、表決する場合は、現時点では「不採択」を主張せざるを得ない。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 |
1 地球温暖化のもたらす「気候変動」は、もはや私たち人類や全ての生き物にとっての生存基盤を揺るがす「気候危機」である。 2 温暖化対策は県等の行政だけの取り組みでは実現できるものではなく、県民・事業者・団体とともに危機意識を共有し、取り組まなければ、実効性を伴うものとならない。このような中、県内でも尼崎市、明石市、加古川市は「気候非常事態宣言」を行っており、我が会派としては県民等と危機意識を共有するために「気候非常事態宣言」を行うというのであれば、賛同する。 3 しかしながら、請願の文面を読むと、「兵庫県も『気候非常事態宣言』をして、温室効果ガス排出目標を引き上げ、石炭火力を廃止し再生可能エネルギーに転換するなど、抜本対策を進めることが必要である」と主張しており、エネルギー政策に踏み込んだ内容となっている。 そもそもエネルギー政策は国の方針によるところが大きいので、今後の国の動向を見極める必要があることから、我が会派としては、「継続」を主張する。なお、表決する場合は、現時点では「不採択」を主張せざるを得ない。 |
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請願第59号 |
議決態度 | 少人数学級の拡充及び教育条件の改善は必要であり、本請願の趣旨は一定理解できるが、これまで可能な限り教職員定数の改善に努めている。また、可能な限り教育条件の維持・向上に努めていることから、現時点では今後の推移を見守る必要があり、「継続」を主張する。なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 |
1 県では、すべての子どもたちの学びを保障するため、少人数学級の実現を国に要望している。今回、国では義務標準法を改正し、小学校においては今年度から5年かけて35人学級を実現することとなった。 2 また、教育予算について県では厳しい財政状況の中、必要な措置が講じられるよう、できる限り確保し保護者負担の軽減に努めている。 3 公立高等学校では、年収910万円未満の世帯については、授業料相当分が国制度の高等学校等就学支援金制度により無償となっている。また、私立学校生徒に対しては、国制度に上乗せし県単独の授業料軽減補助を実施している。 4 奨学金は、低所得世帯の生徒の就学機会を広げ、安心して学業に専念できる有意義な制度である。公立高校生徒については、家計急変により非課税である世帯に相当すると認められる世帯に対し、奨学給付金が支給されている。 5 特別支援学校の新設について、県では、継続して取り組んでおり、令和4年度にはむこがわ特別支援学校、6年度には川西市に新設校の開設が予定されているなど、特別なニーズのある子どもの教育の充実が進んでいる。 なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 |
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請願第60号 |
議決態度 | 小学校5・6年生の35人学級実現は、学校現場が混乱しないよう国のスケジュールに沿って着実に進める必要がある。また、中学校における35人学級実現は国の動向を注視する必要があることから、現時点では「継続」を主張する。なお、表決をする場合には、「不採択」とせざるを得ない。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 |
1 少人数学級の拡充について、県では、計画的な定数改善等の着実な実施を国に要望している。 2 今回、国では義務標準法を改正し、今年度から5年かけて小学校における35人学級を実現することとなり、少人数学級は着実に進んでいる。県としては35人学級の中学校3年生までの速やかな拡大等についても、国に要望しているところである。 3 小学校5・6年生の35人学級実現は、学校現場が混乱しないよう国のスケジュールに沿って着実に進める必要がある。また、中学校における35人学級実現は国の動向を注視する必要があることから、現時点では「継続」を主張する。なお、表決をする場合には、「不採択」とせざるを得ない。 |
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請願第61号 |
議決態度 | 私学助成の充実についての本請願の趣旨は一定理解できるものの、今後の充実については、私学の自立性にも配慮しつつ引き続き検討する必要があること、財政状況が厳しい中、可能な限り私学助成に努めていることから「継続」を主張する。なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 |
1 県は、財政状況が厳しい中、経常費補助の充実にも努め、今年度当初予算においては、私立小・中・高校分総額で前年度並の約169億円を計上し、教育環境の維持・向上を図っている。 2 私立高校の生徒に対しては、国の就学支援金に上乗せし、県単独の授業料軽減補助を実施するほか、就学支援金の対象となる基準年収の引き上げを国に要望しているところである。 3 家計急変世帯を対象とした「入学資金貸付制度」、兵庫県高等学校教育振興会による「奨学資金貸付制度」といった無利子貸付制度が設けられており、入学時の一時的な費用負担の軽減を図っているほか、入学金についても授業料無償化と同様に支援の対象とするよう国に要望している。 4 また、ICT教育の環境整備についても、家庭学習のための通信機器の整備、学校からの遠隔学習機能を強化するカメラ等の整備などの取組を行っている。 5 加えて、私立小中学校に通う児童生徒に対しても、国の私立中学校等就学支援実証事業により継続した支援を行っている。 6 私学助成の充実についての本請願の趣旨は一定理解できるものの、今後の充実については、私学の自立性にも配慮しつつ引き続き検討する必要があること、財政状況が厳しい中、可能な限り私学助成に努めていることから「継続」を主張する。なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 |