兵庫県議会公明党・県民会議

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2018/2/19 Up

定例の研修会で片山・大阪大学教授が講演 発達障がいの現状と課題について解説


 県議会公明党・県民会議の定例の研修会が、2月13日県庁内で開かれ、大阪大学大学院連合小児発達学研究科の片山泰一教授が「我が国における発達障がい(神経発達症)の現状と課題〜障害者差別解消法が施行されて〜」をテーマに講演しました。


 片山教授は大阪大学をはじめ5大学による連合小児発達研究科等で子どものこころの問題を医科学的に研究している状況を述べ「発達障がいには知的障がいも含むが、中には知能の高い子もいる。遅れているというよりも得意と不得意というアンバランスがあり、病気ではない。個性の延長線上のものと考えられるがそのままにしておくと、生きにくくなる人が多い」と発達障がいについて説明。


 また、発達障がいは、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD(限局性学習症)など症状によって分類され、特別な教育的配慮が必要な子どもたちは全体の6.5%とされ、これらのデータやここ10年ほどで発達障がいへの認識が広がったことから障害者差別解消法が施行されたことを紹介しました。

 次に、発達障がいであるとの医学的診断を受けている割合は少なく、その割合にも差が生まれている現状について「専門的な診断ができる医師不足や周りの目を気にして診断を仰ごうとしない親の考え方などが原因と思われる」と述べ、「発達障がいと思われる子どもが増えている要因が複合的に考えられるようになり科学的な検証が行われている」と指摘しました。

 さらに、環境因子単独でASDが生ずることはなく、最近の研究では、遺伝的関与と環境因子が50パーセントずつ関与するという考え方が広がりつつあり、発達障がいは脳の診断画像や測定データで可視化ができることをデータをもとに示し、発達障がいを持つ人への支援の際の指標づくりの必要性を訴えました。

 2016年4月に施行された障害者差別解消法については「障がいを持つ人への差別解消のために自治体や民間事業者が、障がいの状態や性別、年齢などを考慮した変更や調整、サービスを提供する合理的配慮をすることが明記されている。障害のあるなしにかかわらず、誰もが安心して暮らせる共生社会の実現をめざすものとなっている」と内容や特徴を解説。障がい者が働きやすく暮らしやすい社会の実現に向け、社会全体の仕組みやあり方を変えていく重要性を強調しました。

 最後に「早期発見、早期療育がより効果的で、適切なかかわり方をすれば症状は改善する。幅広い分野から子どもの様々な問題に対応できる核となる支援者、教員が不可欠。そのためには、単発式ではなく、現場で効果が見込まれる科学的根拠のあるプログラムの導入が必要」と今後の支援の形を示唆し、「我々が当たり前と思っていることは自身だけの認識と感覚である。それぞれの見方や感じ方が違っていることを知って認めることが大切。人の発達は一人ひとり違っている。発達の度合いを知り、ライフステージに応じたかかわりが重要だ。その子の特性を褒めて育てるような、人にも自分にもやさしい社会づくりを進めてほしい」と大きな期待を寄せました。

 講演後の質疑では、幼児期での最適な検診時期やこれからの学校や職場での受け入れ体制や考え方などについて意見交換しました。
このあと、大阪大学や金沢大学等が共同開発し、一部の自治体でも採用されている、かおテレビ(ゲイズファインダー)を実演。モニター画面に人や模様などが映し出され、人の話を聞いているときや物を指さしているときなどに、子どもが何に注目しているのか、パソコンに取り付けられたカメラが視線の動きをチェック。約2分間画面を見るだけで、目に映る情報への注視が客観的な数値として測定できる機器です。日頃、子どもが対象のどこに興味をもち、視線がどこに行っているかが分かり、子どもの関心や興味を知ることで、育てていく上での注意点を確認し発達障がいの早期発見や早期療育に繋げられます。 


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