兵庫県議会公明党・県民会議

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2018/11/29 Up

先進的な兵庫県の総合治水対策/条例施行6年半の取り組みを追う
  『ながす』『ためる』『そなえる』で水害防止 池や水田に一時貯留


今年、西日本豪雨や台風21号などが、甚大な被害を各地にもたらした。
近年、多発する大雨や風水害の中、想定を越える豪雨にも有効な対策として注目されているのが、兵庫県が6年半前に施行した条例を基に、先進的に進めている総合治水対策。
従来の河川対策に加え、さまざまな施策を組み合わせて被害を軽減する手法だ。
同県のこれまでの取り組みや成果、課題を追った。


☆ 従来の対応に限界
 「総合治水条例を施行して6年半。
その間、何度か強大な台風や豪雨に見舞われたが、県下の多くの地域で被害の抑止や減災の効果が現れてきたと感じる」。
県総合治水課の黒澤正之副課長は、これまでの取り組みを振り返った。

 総合治水とは、雨水を素早く安全に「ながす」河川・下水道対策に加え、一時的に「ためる」流域対策、あらかじめ「そなえる」減災対策を組み合わせた、水害防止の考え方。同県は総合治水を県や各市町だけでなく、事業者、県民の協力を得ながら推進するため、都道府県では全国初となる条例を2012年4月に制定した。

 「“数十年に1度”という短時間に集中する大雨が頻発し、「従来の河川やダム、下水道の整備、改修強化だけでは対応が難しくなっている」(同課)ことが背景にある。

☆ ドーム5個分確保
これまで効果を発揮しているのが、「ためる」取り組みとしての流域対策。昨年度末の雨水貯留可能量は東京ドーム5個分の約570万立方メートルになる。

 なかでもため池の持つ貯水機能の活用が進んでいる。大雨が予想される際に、あらかじめ水位を下げておくことで、一時的に雨水を貯留できる容量を確保。県によると17年3月末時点で164力所のため池が、事前放流施設の整備を行っており、容量アップのための土手のかさ上げも進んでいるという。

 日本一のため池密集地として知られる淡路島。過去には大きな水害も受けたが、事前放流を開始した13年度以降、記録的豪雨の発生があったのにもかかわらず、農地・農業施設の被害は年々、減少傾向にある。

☆ セキ板2万枚配布
「県は340団体に2万枚以上のセキ板を配布。「標準の水田1枚(約3000平方メートル)当たりの貯留量は25メートルプールの半分程度だが、参加者が増えれば効果が増す」と、県の担当者は協力の広がりに期待を寄せる。このほか、学校グラウンドを活用した一時貯留も進む。

 河川・下水道整備と流域対策は相乗効果を発揮。過去に被害をもたらしたのと同程度の雨量があっても、西脇市黒田庄町の福地地区のように浸水が起こらなかったり、浸水範囲が大幅に減少するなどしている。

☆ 出前授業やハザードマップ作成通じ啓発
学校、公園の管理者や農業者など、多くの利害関係者の協力が欠かせない総合治水対策。その成否は、県、市町と、県民、事業者との“協働”にかかっている。県は、県民の理解を広げるソフト面”の対策も、進めている。

 先月、明石市の公園で開かれた農林水産業関連のイベント。子どもたちは、セキ板に思い思いの絵を描き、田んぼダムやため池貯留の仕組みを学ぶ模型装置を体験するなどして楽しんだ。こうした行事や学校への出前講座をはじめ、住民が地域での危険区域を知るハザードマップ作成への支援、各種媒体による広報活動を通じ、県や市町は防災意識の向上に努めている。

 総合治水への県民の認知度は上昇しており、総合治水課は、「積極的に情報発信し、さらなる対策の推進を図りたい」としている。

 兵庫県議会公明党・県民会議(野口裕団長、岸本一尚幹事長)は、総合治水対策を推進。武庫川流域の安全対策に一貫して取り組んできた野口団長は、「県民の安全・安心が第一だ。行政の施策を充実するとともに、住民の防災意識が高まるよう、今後も後押ししていく」と語っていた。


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