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2020/ 1/21 Up

梅村大阪経済大学教授が定例の研修会で講演
  活力ある持続可能なまちづくりについて考える


 定例の研修会を1月16日、県庁内で行い、梅村仁・大阪経済大学経済学部教授が「『街の再生と総合的思考の必要性』米国・ポートランド市を事例に」と題して、ポートランドの都市政策などを示しながら、まちづくりのあり方について持論を展開しました。


 まず梅村氏は、全米で住みたいまちナンバーワンと言われているオレゴン州ポートランドについて
▼米国オレゴン州の最大都市。人口約65万人で都市圏人口は275万人で仙台や福岡と同じくらいの規模の都市
▼西海岸最大の貿易港として栄え、現在ではトヨタやホンダの輸入港で、日本向け米国産小麦の3分の2が同港から輸出されている。以前の主産業は農業と林業だったが、今は近郊にインテルの生産・研究拠点が7カ所あり、IТ産業の進出を促している
▼日本とも距離が近く、NEC、富士通など約150社の日系企業が事業を展開している
▼治安が良く若者が多く集まっている−といった同都市の特徴・概要を説明しました。


 また、「同都市の街区は1ブロックの長さが61mと短く、米国で一般的な122mの半分で、道路幅も20mと狭く、他に例を見ない独自の都市計画だ。歩く速度は自然と遅くなり、周囲や行き交う人にも目がいってしまう。高い建築物がなく、1階は店舗やカフェとなっており、通行人同士のアイコンタクトも発生しやすい環境がつくられている」と進めてきた都市政策の一部を具体的に紹介。

 さらに、中心街は約20分ほどで歩け、公共交通が行き届いており、中心部への自家用車の通行などの制限があることを付け加え、世代を問わず利便性の高い住み良いまちに整備されている様子を話しました。

 次に、1970年代以前のポートランドについて「中心市街地は衰退し、空き地はほとんどが駐車場となっていた。都市部の大気汚染と郊外の開発で自然が損なわれていた。そこで市民が自然の保全並びに都市と農村の発展を目指して成長管理政策を導入していった」と本格的なまちづくりに至った経緯を示しました。

 続いて、1973年の土地利用法にはじまったコンパクトシティへの取り組みは、ポートランド市開発局(PDC)が中心となって政策を進めてきたことを指摘。そのPDCに関して「自然と共生する都市政策を1958年から推進し、持続可能な街づくりを模索してきた。5人の理事(企業家や弁護士など市民らで構成)と7つのエリア、40のビジネス街連合による組織。資金の貸し付け、交通インフラ・公園の整備、住宅整備など幅広い事業を行い、同時に雇用の創出にも寄与してきた」と、そのまちづくりへの多大な貢献と役割を解説しました。

 梅村氏はポートランドのまちづくりの諸事業を支えてきたのは、事業収入などによる潤沢な財源であることを述べ、ほかにも、豊かな自然環境がもたらした観光産業の振興や消費税がないといった利点も集客を促進し豊かな財源を生み出した要因であることを話しました。

 梅村氏は同都市の今後の課題として
▼2030年までにさらに100万人以上の人口増が見込まれる
▼住宅や業務用地、農地不足が明確
▼中小零細企業が多い
▼雇用の供給が追い付いていない
―などを挙げました。その一方で「多様な人々が集まり、社会的な問題を議論する土壌があり、世代を超えた連帯が形成されてきた。それらが最先端産業や多様な人たちを呼び込んだ。豊かな自然があり、自由と寛容性と高い市民意識が根付いている」と活力ある持続可能な都市の実現へ着実に歩みを進めていることを強調しました。

 講演後の質疑では各県議から、「ポートランドの政策立案や実効の仕組みは」「荒廃から成長へと転換した時期にどのような段階を踏んだのか」「日本でコンパクトシティの実現は可能なのか」などの質問が出され、梅村氏は実例を挙げ意見交換しました


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