概要
訪問看護師や訪問介護員が深夜時間帯等に訪問先でハラスメントを受ける事象が発生することがあり、在宅医療・介護の普及に向けて大きな障害のひとつになっています。厚生労働省による2019年2月の全国調査では、訪問先で利用者からハラスメントを受けたと回答した介護職員は50%、看護職員で56%いるというデータもあります。
兵庫県としてはこれまで安全確保のために2人訪問加算が適用できない場合に、加算相当額の一部を補助してきましたが、2020年4月からは訪問時間に応じた補助基準額を拡充します。
更に小規模事業者では2人訪問できる体制が確保できない場合があることから、1人訪問時の安全対策として警備会社によるセキュリティシステム(GPSなどを搭載した通報端末)を導入する場合の初期費用を支援することになりました。このような制度は全国初となりますが、訪問看護師・訪問介護員の安全を確保し、離職防止を図ります。
取り組み
住み慣れた自宅で医療・介護を受けながら住み続けたいというのが高齢者の多くの方の願いです。そのために国をあげて地域包括ケアシステムの構築に取組んでいますが、それに必須となる訪問医療・訪問介護の普及が大きな課題となっています。公明党の各議員が介護現場の生の声をお聞きすると、深夜時間帯に多くは女性の看護師や介護員が一人で訪問するとハラスメントに遭うことが大きな問題であると訴えられました。この問題を解消する必要があるとして議会での質問、予算要望等を通じて安全対策を強化するように申し入れてきました。その結果、従来の2人訪問の補助制度ができ、更に今回拡充されることになるとともに、1人訪問時のセキュリティシステム導入支援制度に結びつきました。