議案・請願の会派態度

attitude

第370回(令和7年3月)定例県議会

【請願に対する会派態度】

不採択
請願第36号

選択的夫婦別姓制度を導入することを 求める意見書提出の件

議決結果 不採択
公明党・県民会議の請願に対する
態度及び理由(考え方)
議決態度 民法では婚姻時にいずれか一方の姓を改めることと規 定しているが、95%は女性側が改姓しており、女性活 躍を阻害する象徴的な制度といえる。女性活躍の推進、 男女共同参画社会の実現のためには、「選択的夫婦 別姓」の導入が必要であると考え、本請願の趣旨に 賛同し、「採択」を主張する。
態度決定に至った理由
  1. 現行の民法では、婚姻時に夫婦のいずれか一方が 姓を改めることと規定しているが、結婚で姓の変更 をしているのは95%が女性であり、女性活躍を阻害 する象徴的な制度ともいえる。また、社会的な信用 と実績を築いた人が望まない改姓をすることで、自 己同一性を喪失し苦痛を伴う、一部の資格証では旧 姓の使用が認められない、姓を維持するために法的 な保障の少ない事実婚を選択せざるを得ないなどの 問題が生じている。
  2. 政府は旧姓の通称使用の拡大の取組を進めている が、ダブルネームを使い分ける負担の増加、社会的 なダブルネーム管理コスト、個人識別の誤りのリス クやコストを増大させる等の問題も指摘されている。 また、通称使用では、自己同一性を喪失する苦痛を 解消するものにはならず、根本的な解決策にはなら ない。
  3. このような状況から、国連の女子差別撤廃委員会 は、日本政府に対し女性が婚姻前の姓を保持する選 択を可能にするよう再三にわたり民法の改正を勧告 している。
  4. さらに、平成27 年12 月の最高裁判決に引き続き、 令和3年6月の最高裁決定においても、夫婦同姓規 定が合憲とされる一方、夫婦の氏に関する制度の在 り方については、国会で論ぜられ、判断されるべき であるとされたところだが、我が会派としては、女 性活躍の推進、男女共同参画社会の実現のためには、 「選択的夫婦別姓」の導入が必要であると考える。
  5. よって、「選択的夫婦別姓」導入を進める我が会派 の立場から、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主 張する。
採択
請願第37号

旧姓の通称使用の法制化を求める意見 書提出の件

議決結果 採択
公明党・県民会議の請願に対する
態度及び理由(考え方)
議決態度 民法では婚姻時にいずれか一方の姓を改めることと規定 しているが、95%は女性側が改姓しており、様々な不便 や不利益が課題となっている。通称使用の拡大では税や 社会保障の手続きなど公的な部分において根本的な解決 にはならないが選択的夫婦別姓制度により、姓の変更に よる精神的苦痛等を回避できるため、「選択的夫婦別姓」 の導入が必要であると考える。本請願の趣旨には一定 理解するものの『夫婦・親子同氏を維持し』との内容に は賛同できず「不採択」を主張する。
態度決定に至った理由
  1. 現行の民法では、婚姻時に夫婦のいずれか一方が姓を 改めることと規定しているが、結婚で姓の変更をして いるのは95%が女性であり、様々な不便や不利益が課 題となっている。
  2. 国の「第5次男女共同参画基本計画」では、「婚姻に より改正した人が不便さや不利益を感じることないよ う、引き続き旧姓の通称使用の拡大やその周知に取り 組む」とされている。
  3. 住民票・マイナンバーカードや運転免許証の旧姓併記 が可能で、旅券の旧姓併記の要件も緩和されている。 また、320 の国家資格、免許等でも旧姓使用が認めら れている。
  4. 一方で、多くの金融機関では口座等が作れないなど、 契約・手続上の課題などがある。また、研究者が論文 や特許取得時に戸籍上の氏名が必須であるなど、キャ リア構築上の課題も存在するため、通称使用を拡大す ることには一定の理解をする。
  5. 公明党では、選択的夫婦別姓制度導入推進プロジェク トチームにおいて、旧姓の通称使用拡大に伴う課題な どを議論し、「通称使用だけでは対処しきれない不便」 があることに触れ、これらは選択的夫婦別姓制度によ り、姓の変更による精神的苦痛等を回避できるとし、 選択制夫婦別姓制度の導入推進に向け議論を行ってい るところである。
  6. また、経団連などからは、事業者で従業員の戸籍姓と 旧姓を二重管理する不利益があるほか、旧姓併記は単 独記載ではないため、税や社会保障の手続きなど公的 な部分において通称使用の拡大では「根本的な解決に はならない」と指摘もあり、選択的夫婦別姓制度の早 期導入を求める声が上がっている。
  7. よって、本請願の趣旨は一定理解するものの、『夫婦・ 親子同氏を維持し』との内容には賛同できず、「不採択」 を主張する。
不採択
請願第38号

訪問介護の介護報酬引下げの撤回を求 める意見書提出の件

議決結果 不採択
公明党・県民会議の請願に対する
態度及び理由(考え方)
議決態度 県は国に対して、障害福祉サービス提供を担う全ての 福祉専門職に対する、さらなる処遇改善を図るよう要 望している。報酬改定の影響については、令和3年度 の報酬改定では、その翌年度に国が障害福祉サービス 施設や事業所の経営状況を把握し、次期報酬改定の検 討に必要な基礎資料を得るための概況調査を行ってい る。次期報酬改定に向けても同様に国において行われ ると考えられるため、国の動向を注視すべきと考え「継 続」を主張する。表決する場合には本請願には賛同で きず「不採択」とする。
態度決定に至った理由
  1. 令和5年11 月に公表された介護経営実態調査によ ると、訪問介護の介護報酬の利益率は、7.8%と全て の介護保険サービス平均の2.4%を大きく上回って いたことや、社会保障審議会介護給付費分科会の「訪 問介護では処遇改善の効果やそれを確実に取得でき る方策により経営できるようにする」との考え方に 基づき、令和6年度介護報酬改定において、基本報 酬は身体介護生活援助等の各区分で2%超の引き下 げとされた。
  2. 一方、改正された介護職員等処遇改善加算では、 訪問介護は介護老人福祉施設や通所介護など他のサ ービスと比べ、最大で24.5%等、最も高い加算率を 取得できるサービスに区分されている。
  3. また、報酬の差が問題となっていた、都市部と中 山間地域等での報酬についても、今回の改訂では、 特別地域加算、中山間地域等における小規模事業所 加算及び中山間地域等に居住する者へのサービス提 供加算が新設されている。
  4. 国は、改定による影響を十分に調査・検証すると ともに、現場の負担や保険料、利用者負担への影響 なども考慮して、丁寧に検討すべきとしており、今 後の国の動向を見守る必要があることから、現時点 では「継続」を主張する。
  5. なお、表決をする場合には、本請願には賛同でき ず、「不採択」とする。
採択
請願第39号

過労死等防止対策推進法の見直しを求 める意見書提出の件

議決結果 採択
公明党・県民会議の請願に対する
態度及び理由(考え方)
議決態度 国では「過労死等の防止のための対策に関する大綱」 の変更が閣議決定され、事業主は国が行う対策に協力 するとともに、労働者を雇用するものとして責任をも って過労死等の防止のための対策に取り組むとされた が、過労死等を真に防止するため、過労死等防止対策 推進法の見直しを求める本請願の趣旨に賛同し、「採 択」を主張する。
態度決定に至った理由
  1. 令和6年8月、「過労死等の防止のための対策に関 する大綱」の変更が閣議決定され、「国以外の主体 が取り組む重点対策」として「事業主は国が行う対 策に協力するとともに、労働者を雇用するものとし て責任をもって過労死等の防止のための対策に取り 組む」とされた。
  2. 厚生労働省では毎年11 月を「過労死等防止啓発月 間」と定め、有識者等の講演やシンポジウムを開催 するほか、長時間労働の是正等の解消に向けた重点 的な監督指導やセミナーなどを開催している。
  3. 勤務時間インターバル制度は、労働時間等の設定 の改善に関する特別措置法において努力義務とされ ており、「過労死等の防止のための対策に関する大 綱」では、2028 年までに制度導入企業の割合を15% 以上という数値目標が定められているが、令和5年 1月時点で6.0%と目標値に対しても乖離している。
  4. 労働施策総合推進法においてパワーハラスメント の定義が明記され、令和4年4月より中小企業を含 めた事業主に相談体制の整備等の雇用管理上の措置 を講じることが義務付けられている。
  5. 県では県立高校において、学校の判断により授業 の一環で社会労務士等による過労死に関する出前授 業を実施している。また、本県職員に対してはメン タルヘルス研修など知識の習得に取り組み、教職員 に対しても適正な業務量の管理に関する研修等を実 施している。
  6. 以上のような状況であるが過労死等を真に防止す るため、過労死等防止対策推進法の見直しを求める 本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。
継続
請願第40号

県として国に対して、公立学校の教職 員未配置解消のための政策に早急に取 り組むことを求める件

議決結果 継続
公明党・県民会議の請願に対する
態度及び理由(考え方)
議決態度 県は国に対して加配制度創設や定数改善など要望を続 けている。また県では教職員確保のための採用試験の 工夫改善や、臨時講師確保のための対策に取り組んで いるところであり、本請願の趣旨には一定理解するも のの、県においても様々な取組を進めている中で、 国の動向も見守る必要があることから、現時点では 「継続」を主張する。なお、表決をする場合には、 本請願の趣旨に賛同し、「採択」とする。
態度決定に至った理由
  1. 本県では、正規職員の確保のため、採用試験の工 夫・改善や、本県教員の魅力発信等に取り組んでい る。また、臨時講師の確保のため、講師登録人材バ ンク充実に向けた講師登録開始時期の前倒しやペー パーティーチャー等支援講座の実施などに取り組ん でいる。さらに、病休の代替等で常勤の臨時講師が 確保できない場合には会計年度任用職員で短時間の 補充を行うなど、現場のニーズに応じて柔軟に対応 している。
  2. 国では、令和6年8月の中央教育審議会答申にお いて、学校・教師が担う業務の適正化や教師の健康 及び福祉の確保に向けた取組に充実等の「学校にお ける働き方改革の更なる加速化」、教職員定数の改 善や教職員及び支援スタッフの配置の在り方等の 「学校の指導・運営体制の充実」、教職の重要性及 び職務や勤務の状況に応じた「教師の処遇改善」の 3つを一体的・総合的に推進することの必要性が示 されている。
  3. 県は国に対して、育児休業・病気休暇等の欠員に 対応するための加配制度創設や中学校35 人学級の 実現に向けた定数改善などの実現に向けた要望を行 っている。
  4. 以上のことから、本請願の趣旨には一定理解する ものの、県においても様々な取組を進めている中で、 国の動向も見守る必要があることから、現時点では 「継続」を主張する。
  5. なお、表決をする場合には、本請願の趣旨に賛同 し、「採択」とする。
継続
請願第22号

高等教育の学費無償化に向けた教育予 算拡充を求める意見書提出の件

議決結果 継続
公明党・県民会議の請願に対する
態度及び理由(考え方)
議決態度 国において、令和6年度から多子世帯や理工農系学部 学生への支援拡充など制度充実に努めており、昨年3月 の参議院文教科学委員会において、「高等教育負担の軽減 を着実に進め、その実施状況や効果を検証しつつ、引き 続き教育費の負担軽減に取り組む」こととしている。 公明党は、総合的な教育の無償化に取り組むことを訴 えており、限られた国家予算の中にあっても、高等教育 費の負担軽減を着実に進めようとするものである。 よって、国の動向を見守る必要があることから、現時 点では「継続」とし、表決をする場合には、「不採択」と する。
態度決定に至った理由
  1. 国においては、令和6年度から多子世帯や私立の 理工農系の学部等に通う学生等の中間層への支援を 拡大して、高等教育の修学支援制度の充実に努めて いる。 また、昨年3月の参議院文教科学委員会において、 国は「高等教育負担の軽減を着実に進め、その実施 状況や効果を検証しつつ、引き続き教育費の負担軽 減に取り組む」こととしている。
  2. 公明党は、政府に対して申し入れた提言の中で、 令和6、7年度の奨学金制度改正等について、広く 周知をした上で着実に実施すること。また、令和8 年度における修学支援新制度の対象拡大、貸与型奨 学金の返還支援についても検討を進めることなど、 総合的な教育の無償化に取り組むことを訴えており、 限られた国家予算の中にあっても、高等教育費の負 担軽減を着実に進めようとするものである。
  3. よって、現時点では国の動向を見守る必要がある ことから、現時点では「継続」を主張する。
  4. なお、表決をする場合には、本請願には賛同でき ず、「不採択」を主張する。
継続
請願第24号

兵庫県が削減した令和7年度医師臨床 研修病院の研修医募集定員を令和8年 度は0から2以上に増員を求める件

議決結果 継続
公明党・県民会議の請願に対する
態度及び理由(考え方)
議決態度 本請願については、医師の採用状況や病院の規模等に より令和7年度募集定員を検討した結果、やむを得ず定 員0名という判断となっており、研修医の募集定員の見 直しは国における慎重な議論が必要であることから、現 時点では「継続」を主張し、表決をする場合には、現時 点では「不採択」とせざるを得ない。
態度決定に至った理由
  1. 国から配分される本県の募集定員は減少が続いて おり、令和7年度募集定員は、特例加算の廃止等に より前年度から10名減少した。また、定員1名の みの配分は、特例加算の廃止後もなお認められてい ない。
  2. 厳しい状況の中、医師の採用状況や病院の規模等 により令和7年度募集定員を検討した結果、やむを 得ず定員0名という判断となっている。
  3. 県では、令和7年度の国の予算編成等に対する要 望の中で、廃止された特例加算の復活を求める提案 を行っている。
  4. 研修医の募集定員の見直しには国における慎重な 議論が必要であることから、現時点では「継続」を 主張する。
  5. なお、表決をする場合には、本請願には賛同でき ず、「不採択」を主張する。
継続
請願第34号

障害児の豊かな教育のための条件整備 を求める件

議決結果 継続
公明党・県民会議の請願に対する
態度及び理由(考え方)
議決態度 教育条件の改善に関する本請願の趣旨は一定理解で きるが、県としても可能な限り教育条件の維持・向上 に努めていることから、現時点では「継続」を主張し、 表決をする場合には、本請願には賛同できず、「不採 択」とする。
態度決定に至った理由
  1. 県立学校のトイレ改修は、普通教室棟は令和5年 度に完了、それ以外の箇所は長寿命化改修等の大規 模改修工事の中で学校の状況に応じて整備を実施す るとされている。 また、雨漏りや寄宿舎の改修は、部分修繕程度の 規模の場合、緊急性の高いものから優先的に対応し ており、大規模の場合、長寿命化改修等の大規模改 修工事の中で整備を実施するとされている。
  2. 一部地域の知的障害特別支援学校の狭隘化の課題 に対しては、新設校の設置等を含め、対策を講じて きており、今後も各校の状況に応じて普通教室の確 保を進め、地域の実情に応じた対策を検討していく とされている。 また、運動スペースについては、敷地内にスペー スが確保できない場合、近隣施設を借り上げる等対 策を講じている。
  3. 小中学校の特別支援学級については、義務標準法 により、学級編制の標準は1学級8人と定められて おり、県においても、その標準に基づき、学級編制 を行っている。 なお、近年の小中学校の特別支援学級の児童生徒 数の増加や、障害の重度・重複化、多様化にきめ細 かに対応するため、学級編制基準の引き下げを国に 要望している。
  4. 県では、各県立特別支援学校の障害種別や学校規 模等に応じ、スクールバスを配備している。医療的 ケアを必要とする子どものスクールバスへの乗車に 当たっては、「兵庫県医療的ケア実施体制ガイドラ イン(R6.3 県教委)」において、乗車可能性をでき る限り追求し、個別に判断することとされている。 また、今年度から医療的ケア児の通学時における 保護者 の負担軽減のための調査研究に取り組んで いるところである。
  5. 教育条件の改善に関する本請願の趣旨は一定理解 できるが、県としても可能な限り教育条件の維持・ 向上に努めていることから、現時点では「継続」を 主張する。
  6. なお、表決をする場合には、本請願には賛同でき ず、「不採択」を主張する。