件名 | 公明党・県民会議の請願に対する態度及び理由(考え方) | 議決結果 | |
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請願第5号 人工多能性幹細胞(iPS細胞)の備蓄事業に対する支援の継続を求める意見書提出の件 |
議決態度 | iPS細胞を活用した再生医療の実用化は、これからが正念場であり、安全性を確保しつつ、一日も早く実用化できるよう、支援する必要があることから、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 | 採択 |
態度決定に至った理由 | 1 iPS細胞は、難病などの治療に活用が期待されており、その研究・開発を促進し、治験結果を踏まえた実用化が求められている。 2 公明党は、iPS細胞などの再生医療にさい帯血を利用することを可能にした造血幹細胞移植推進法や、再生医療を推進するために安全を確保しつつ、国際競争の中でも迅速に研究を進めるための基盤を構築するための再生医療推進法の制定を主導し、iPS細胞などの再生医療の研究に対する支援を推進してきた。 3 今回の支援の減額等の動きについては、iPS細胞を活用した再生医療が事業化の段階に入りつつあるため、自己資金による運営への段階的な移行を求める声が出ていることなどが背景にあるとされている。 4 しかし、iPS細胞の実用化に向けて、誰でも、いつでも安全に、安く利用できる環境づくりが必要であり、その要となるのが、山中教授が進めている「iPS細胞ストック構想」である。これは、日本赤十字や公的さい帯血バンクなどと協力し、医療用のiPS細胞を作製・備蓄して医療機関などに提供する仕組みである。 5 その備蓄量について、今年中に日本人の約3割に対応する拒絶反応の少ない細胞をカバーできる見通しである。また、2022年までに日本人の大半をカバーする細胞を備蓄する計画は国も了承しており、今後もストック構想を着実に推進していかなければならない。 6 iPS細胞を活用した再生医療の実用化は、これからが正念場であり、安全性を確保しつつ、一日も早く実用化できるよう、支援する必要がある。 7 よって、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 |
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請願第6号 国民皆保険制度を基盤とした持続可能な社会保障制度の確立を求める意見書提出の件 |
議決態度 | すべての人が必要な医療・介護を安心して受けられるよう、持続可能な社会保障制度の確立を図っていかなければならないことから、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 | 採択 |
態度決定に至った理由 | 1 公明党は、誰もが安心して暮らせる全世代型社会保障の構築を推進してきた。 2 特に、診療報酬の改定は、質の高い医療の確保に必要な改定をする必要があり、診療報酬を安易に引き下げることは、医療従事者の確保に悪影響を与え、医療サービスの質の低下を招きかねない。 3 一方、少子高齢化が加速する中で、健康寿命の延伸、医師の働き方改革、患者に身近な医療の実現、社会保障と経済・財政との調和などを図っていく必要がある。 4 その上で、すべての人が必要な医療・介護を安心して受けられるよう、持続可能な社会保障制度の確立を図っていかなければならない。 5 よって、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 |
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請願第7号 社会福祉事業の職員配置基準の抜本的引き上げを求める意見書提出の件 |
議決態度 | 社会福祉事業関係の人材確保に関する課題は、総合的に解決を図る必要があること、また社会福祉事業は非常に多岐にわたるため、その課題や解決策も事業ごとに様々であり、本請願のいう社会福祉事業がどの事業を指すのか不明確でもあるため、本請願の趣旨には賛同できず「不採択」を主張する。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 福祉職場、とりわけ保育・介護分野における人材不足は深刻な問題であり、職員配置基準の抜本的な改善を図った場合、さらなる人材不足が生じ、多くの事業所で事業が継続できなくなる恐れがある。まずは、福祉人材の処遇改善策を進めるとともに、その効果を分析し、人材確保を進めていくことが重要である。 2 処遇改善については、例えば、保育士にあっては、国ではこれまでの引き上げに加えて、今年度から更に1%の賃金引き上げを図っている。また、介護職員にあっては、国では近年、各年度ごとに賃金等の改善に努めるなど、処遇改善に努めている。更に、障がい福祉サービスを提供する事業所について、配置基準以上の手厚い職員配置に対して報酬算定の加算を行っているほか、本年10月から人材確保のための新たな処遇改善加算が設けられている。 3 また、国では、平成31年3月に、介護現場におけるハラスメント対策マニュアルを策定するなど、ハラスメント対策を推進している。 4 県も、例えば保育士の負担が軽減されるような配置基準の算定や保育士の給与改善を国に要望するなど、社会福祉事業に関わる人材の処遇改善をはじめとする人材確保対策の強化を図っている。 5 社会福祉事業関係の人材確保に関する課題は、単に職員配置基準の変更だけで解決するものではなく、処遇改善をはじめとする人材確保対策などを含め、総合的に解決を図る必要がある。 6 さらに社会福祉事業は社会福祉法第2条に規定されており、その事業は非常に多岐にわたるため、その課題や解決策も事業ごとに様々であり、本請願のいう社会福祉事業がどの事業を指すのか不明確でもあるため、本請願の趣旨には賛同できず「不採択」を主張する。 |
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請願第8号 障害児の豊かな教育のため条件整備を求める件 |
議決態度 | 教育条件の改善に関する本請願の趣旨は一定理解できるが、県としても可能な限り教育条件の維持・向上に努めていることから、現時点では今後の推移を見守る必要があり、「継続」を主張する。なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 県では、特別支援学校の新設に継続して取り組んでおり、これまで、東はりま特別支援学校、芦屋特別支援学校、阪神昆陽特別支援学校、姫路しらさぎ特別支援学校、西神戸高等特別支援学校が整備されるなど、特別なニーズのある子どもの教育の充実が進んでいる。 2 また、阪神間の特別支援学校在籍児童生徒の増加に対応するため、こやの里特別支援学校分教室開設及び仮設校舎設置、芦屋特別支援学校への仮設校舎設置、阪神特別支援学校分教室を開設してきた。さらに、県は阪神間の特別支援学校については抜本的な対策に乗り出し、増築を基本しつつも、新築も含め検討することとしている。また、県の推計では、児童生徒数について、今後も増加する見込みであり、今後も変動状況を把握しながら対応を行うこととしている。 3 寄宿舎の防犯対策として、県は、危機対応マニュアルの見直しや、警察と連携した不審者対応訓練を実施するとともに、各寄宿舎を設置する学校の実情に応じて、防犯用センサーライト、防犯カメラ等の防犯設備を設置して、防犯対策に努めている。 4 さらに、スクールバスについても、県は児童生徒数に応じた台数の確保やコースを設定した上で、毎年度の見直しを実施しており、児童生徒の安全な通学に向けた取組を進めている。 5 一方、特別支援学級の定数については、本県では義務標準法で定めるとおり8人で編成しているところである。 6 また、小学校・中学校・高等学校における教職員の配置については、県はその加配等について、国に求めているところである。 7 教育条件の改善に関する本請願の趣旨は一定理解できるが、県としても可能な限り教育条件の維持・向上に努めていることから、現時点では今後の推移を見守る必要があり、「継続」を主張する。 なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 |
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請願第9号 教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちに行き届いた教育を求める私学助成に関する件 |
議決態度 | 私学助成の充実についての本請願の趣旨は一定理解できるものの、今後の充実については、私学の自立性にも配慮しつつ、引き続き検討する必要があることから「継続」を主張する。 なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 授業料の減免については、国は来年4月から、年収目安が約590万円未満世帯の生徒を対象に就学支援金の上限額を引上げ、私立高校の実質無償化を実施することとしている。一方、県では国制度に上乗せする形で所得区分に応じた授業料軽減補助を実施している。 また県は、今年度から、年収270万円~590万円未満相当の世帯を対象に、国が授業料無償化を行う2020年度まで、国に先行する形で、県独自の措置として、13,000~33,000円の補助拡充を実施しているが、国の無償化に伴い、更なる補助拡充を検討すべきである。 2 私立中学校就学支援実証事業については、義務教育において、私立学校を選択している理由や家庭の経済状況などについて、実態把握のための調査を行うことを目的とした実証事業であることから、その検証を踏まえた上で、拡充等については検討すべきである。 3 また、県は、財政状況が厳しい中、経常費補助の充実にも努め、令和元年度当初予算で一人当たり単価を増額し、私立小・中・高校分総額で前年度並の約172億円を計上し、教育環境の維持・向上を図っている。 4 私学助成の充実についての本請願の趣旨は一定理解できるものの、今後の充実については、私学の自立性にも配慮しつつ、引き続き検討する必要があることから「継続」を主張する。 なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 |
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請願第10号 全ての子供たちへの行き届いた教育を目指し、35人学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善を求める件 |
議決態度 | 教育条件の改善は必要であり、本請願の趣旨は一定理解できるが、可能な限り教育条件の維持・向上に努めていることから、現時点では今後の推移を見守る必要があり、「継続」を主張する。なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 35人学級の拡充について、県では、計画的な定数改善の着実な実施等を国に要望している。また、国においては、学校における働き方改革などへの対応などから、教職員定数を4,235人増員する来年度予算の概算要求が行われており、今後は、国の動向を踏まえつつ、新学習システムを推進していくこととしている。 2 また、教育予算について県では厳しい財政状況の中、必要な措置が講じられるよう、できる限りの確保をし、保護者負担の軽減に努めている。 3 一方、県では、公立高校生徒については、国制度により910万円未満の世帯は授業料相当分が無償となっているとともに、家計が急変した世帯等には県単独制度で免除又は減額を行っている。 また、私立学校生徒に対しては、国は来年4月から、年収目安が約590万円未満世帯の生徒を対象に就学支援金の上限額を引上げ、私立高校の実質無償化を実施することとしている。 加えて、県は学校法人に対する経常費補助の充実に努め、令和元年度当初予算で一人当たり単価を増額し、私立小・中・高校分総額で昨年度並みの約172億円を計上し、教育環境の維持・向上を図っている。また県は、今年度から、年収270万円~590万円未満相当の世帯を対象に、国が授業料無償化を行う2020年度まで、国に先行する形で、県独自の措置として、13,000~33,000円の補助拡充を実施しているが、国の無償化に伴い、更なる補助拡充を検討すべきである。 4 奨学金は、低所得世帯の生徒の就学機会を広げ、安心して学業に専念できる有意義な制度である。 現在、公立高校生徒については、非課税世帯及び年収270万円未満世帯には奨学給付金により、年間約3万円~13万円程度が支給されている。 また、私立高校生徒について、国は生活保護世帯並びに年収270万円未満世帯には、奨学給付金により、年間約4万円~14万円程度が支給されている。さらに、兵庫県高等学校教育振興会の奨学資金貸付により自宅通学者で年間36万円を無利子で貸付けを受けることができる。 大学生の給付型奨学金については、国が実施しており、現在、約4.1万人に対して月額2~4万円の給付が行われている。また、住民税非課税世帯及びそれに準ずる学生に年間約21~91万円を支給する来年度予算の概算要求が行われており、県としても今後、国の動向を注視することとしている。 5 特別支援学校の新設について、県では、継続して取り組んでおり、これまで、東はりま特別支援学校、芦屋特別支援学校、阪神昆陽特別支援学校、姫路しらさぎ特別支援学校、西神戸高等特別支援学校が整備されるなど、特別なニーズのある子どもの教育の充実が進んでいる。 また、定数については、本県では義務標準法で定めるとおり8人で編成しているところである。 6 教育条件の改善は必要であり、本請願の趣旨は一定理解できるが、可能な限り教育条件の維持・向上に努めていることから、現時点では今後の推移を見守る必要があり、「継続」を主張する。 なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 |