件名 | 公明党・県民会議の請願に対する態度及び理由(考え方) | 議決結果 | |
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請願第73号 |
議決態度 | 本請願の趣旨は理解できるものの、現時点では諸課題の整理の状況を見守る必要があることから、「継続」を主張する。 なお、表決をする場合には、「不採択」とせざるを得ない。 |
不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 女性差別撤廃条約は男女の完全な平等の達成に貢献することを目的としたものであり、女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とするもので、我が会派も条約の趣旨に賛同するところである。 2 選択議定書については、個人または集団が条約のいずれかの権利が侵害された場合に「女子差別撤廃委員会」に通報できる制度が定められており、条約実施の効果的な担保を図るとの趣旨から、早期締結について真剣な検討を進めるべきだと考えている。 3 しかしながら、この選択議定書が定める個人通報制度については、司法権の独立を含め、我が国の司法制度との関連で問題が生じる恐れがあるなど、課題がある。 4 したがって、本請願の趣旨は理解できるものの、現時点では諸課題の整理の状況を見守る必要があることから、「継続」を主張する。 なお、表決をする場合には、「不採択」とせざるを得ない。 |
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請願第74号 |
議決態度 | 平成27年12月の最高裁判決に引き続き、令和3年6月の最高裁決定においても、夫婦同姓規定が合憲とされる一方、夫婦の氏に関する制度の在り方については、国会で論ぜられ、判断されるべきであるとされたところだが、我が会派としては、女性活躍の推進、男女共同参画社会の実現のためには、「選択的夫婦別姓」の導入が必要であると考える。 よって、「選択的夫婦別姓」導入を進める我が会派の立場から、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 |
採択 |
態度決定に至った理由 | 1 現行の民法では、婚姻時に夫婦のいずれか一方が姓を改めることと規定している。このため、社会的な信用と実績を築いた人が望まない改姓をすることで、自己同一性を喪失し苦痛を伴う、一部の資格証では旧姓の使用が認められない、姓を維持するために法的な保障の少ない事実婚を選択せざるを得ないなどの問題が生じている。 2 政府は旧姓の通称使用の拡大の取組を進めているが、ダブルネームを使い分ける負担の増加、社会的なダブルネーム管理コスト、個人識別の誤りのリスクやコストを増大させる等の問題も指摘されている。また、通称使用では、自己同一性を喪失する苦痛を解消するものにはならず、根本的な解決策にはならない。 3 このような状況から、国連の女子差別撤廃委員会は、日本政府に対し女性が婚姻前の姓を保持する選択を可能にするよう再三にわたり民法の改正を勧告している。 4 さらに、平成27年12月の最高裁判決に引き続き、令和3年6月の最高裁決定においても、夫婦同姓規定が合憲とされる一方、夫婦の氏に関する制度の在り方については、国会で論ぜられ、判断されるべきであるとされたところだが、我が会派としては、女性活躍の推進、男女共同参画社会の実現のためには、「選択的夫婦別姓」の導入が必要であると考える。 5 よって、「選択的夫婦別姓」導入を進める我が会派の立場から、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。 6 なお、国民各層に様々な意見があるなかで、「選択的夫婦別姓」導入について幅広い支持を得ていくためには冷静な議論が必要となるが、今回の請願には「憲法に反する」等の表現の行き過ぎがあり、国民的合意を形成する上では大きな問題があると考える。 |
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請願第75号 |
議決態度 | 厚生労働省職業安定局において、医療・介護・保育分野の職業紹介事業について紹介手数料額や採用後の早期離職等の事案に対応し、一定の基準を満たした適正な事業者を認定する「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」を令和3年度から実施している。 既に相応の措置や取組が行なわれていることから、本請願には賛同できず、「不採択」とする。 |
不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 職員の処遇改善については、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」(令和3年11月19日閣議決定)を踏まえ、令和4年2月から処遇改善を支援する補助金が設けられ、令和4年10月には、臨時の報酬や公定価格改定が行われたところである。 また、県は国の処遇改善を受けられない加配職員等について、必要な費用の一部を補助すると共に、国の予算編成等に対する提案で処遇改善加算制度の拡充や、公定価格・報酬単価の引上げ等を要望している。 2 労働者派遣事業や職業紹介事業については兵庫労働局の許可制であり、職業紹介の手数料の多くは届出制となっている。上限を超えた手数料や虚偽の手数料を提示した場合や手数料を明示しなかった場合等は、兵庫労働局の指導対象となる。 3 厚生労働省職業安定局において、医療・介護・保育分野の職業紹介事業について紹介手数料額や採用後の早期離職等の事案に対応し、一定の基準を満たした適正な事業者を認定する「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」を令和3年度から実施している。 4 既に相応の措置や取組が行なわれていることから、本請願には賛同できず、「不採択」とする。 |
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請願第76号 |
議決態度 | 最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める本請願については、国の最低賃金決定の動向を見極める必要があること、また、最低賃金が急激に上昇すると、中小企業の経営に大きな負担となる恐れがあることなどから、現時点では、本請願には賛同できず、「不採択」とする。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 国の「ニッポン1億総活躍プラン」において、名目GDPの成長率に配慮しつつ、最低賃金を年率3%程度を目処として引き上げていくことで、全国加重平均で時給1,000円を目指すことが示され、令和4年度の全国加重平均額は961円と年々上昇している。 2 最低賃金の地域間格差については、地方最低賃金審査会の答申を受けて、各都道府県労働局で決定されるが、地域経済・雇用情勢等の地域の実情を踏まえており一定の合理性が認められる。 3 県は中小企業への支援策について、持続化給付金や家賃支援給付金の再度の支給のほか、事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金の継続実施及び支給要件の弾力的運用など、事業継続を強力に支援し、地域経済を下支えする制度の充実を国に要望しているところである。 4 なお、社会保障費用が増加する中で、社会保険料の軽減が、雇用主や労働者の負担を軽減するというメリットについては一定理解できるが、厳しい財政状況の中で、健康保険組合等に必要となる財源を投入することになれば、税の公平性の観点からも議論する必要があるため、慎重な対応が必要になる。 5 よって、最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める本請願については、国の最低賃金決定の動向を見極める必要があること、また、最低賃金が急激に上昇すると、中小企業の経営に大きな負担となる恐れがあることなどから、現時点では、本請願には賛同できず、「不採択」とする。 |
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請願第77号 |
議決態度 | 県立高校の統合計画については、少子化による生徒数減少の中で魅力と活力ある教育環境を確保するために必要である。 また、少人数学級については、国による制度改正が不可欠であり、国の動向を見守る必要があることから、本請願の趣旨には賛同できず、「不採択」を主張する。 |
不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 県立高校の統合計画については、少子化による生徒数減少による高校での多様な学びに支障を来している中、学校規模を大きくすることで、魅力と活力ある教育環境を確保するために必要である。 2 令和3年度に県下10地区での小中学校PTA対象の説明会等での説明・意見聴取のほか、本年7月の統合対象校の公表に際しては、学校ごとにPTA・同窓会代表への説明や生徒全校集会での説明、保護者への周知等を行っているが、さらに丁寧な説明が必要である。 3 高等学校の学級編成は、国の高校標準法により40人が標準とされており、県でも40人を基準としている。 県では、中学校3年生までの35人学級編成のすみやかな拡大とともに、高等学校までの少人数学級編成の早期実現および計画的な定数改善を国に要望しているところである。 4 県立高校の統合計画については、少子化による生徒数減少の中で魅力と活力ある教育環境を確保するために必要である。 また、少人数学級については、国による制度改正が不可欠であり、国の動向を見守る必要があることから、本請願の趣旨には賛同できず、「不採択」を主張する。 |
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請願第78号 |
議決態度 | 少人数学級の拡充及び教育条件の改善を求める本請願については、可能な限り教育条件の維持・向上に努めていること、また、少人数学級については、国による制度改正が不可欠であり、国の動向を見守る必要があることから、本請願の趣旨には賛同できず、「不採択」を主張する。 | 不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 県では、すべての子どもたちの学びを保障するため、少人数学級の実現を国に要望している。今回、国では義務標準法を改正し、小学校においては今年度から5年かけて35人学級を実現することとなった。 2 県立高校の統合計画については、少子化による生徒数減少による高校での多様な学びに支障を来している中、学校規模を大きくすることで、魅力と活力ある教育環境を確保するために必要である。 本計画の策定に当たっては、令和3年度に県下10地区での小中学校PTA対象の説明会等での説明・意見聴取のほか、本年7月の統合対象校の公表に際しては、学校ごとにPTA・同窓会代表への説明や生徒全校集会での説明、保護者への周知等を行っているが、さらに丁寧な説明が必要である。 3 また、教育予算について県では厳しい財政状況の中、必要な措置が講じられるよう、できる限り確保し保護者負担の軽減に努めている。 4 公立高等学校では、年収910万円未満の世帯については、授業料相当分が国制度の高等学校等就学支援金制度により無償となっている。また、私立学校生徒に対しては、国制度に上乗せし県単独の授業料軽減補助を実施している。 5 奨学金は、低所得世帯の生徒の就学機会を広げ、安心して学業に専念できる有意義な制度である。 公立高校生徒については、家計急変により非課税である世帯に相当すると認められる世帯に対し、奨学給付金が支給されている。 また、私立高校では、生活保護世帯及び非課税世帯に対し、奨学給付金制度を実施している。 大学生については、授業料等の減免措置の創設と給付型奨学金の拡充を行う「高等教育の就学支援新制度」が実施されている。 6 特別支援学校の新設について、県では、継続して取り組んでおり、令和4年度にはむこがわ特別支援学校、6年度には川西市に新設校の開設が予定されているなど、特別なニーズのある子どもの教育の充実が進んでいる。 また、定数については、本県では義務標準法で定めるとおり8人で編成しているところである。 7 よって、少人数学級の拡充及び教育条件の改善を求める本請願については、可能な限り教育条件の維持・向上に努めていること、また、少人数学級については、国による制度改正が不可欠であり、国の動向を見守る必要があることから、本請願の趣旨には賛同できず、「不採択」を主張する。 |
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請願第79号 |
議決態度 | 私学助成の充実についての本請願の趣旨は一定理解できるものの、今後の充実については、私学の自立性にも配慮しつつ引き続き検討する必要があること、財政状況が厳しい中、可能な限り私学助成に努めていることから「継続」を主張する。 なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 |
不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 県は、財政状況が厳しい中、コロナ禍による厳しい財政環境下ではあるが、経済格差が教育格差につながることなく、学ぶ意思のある生徒が希望する教育受けられるよう、選択と集中を徹底し、必要な予算の確保に努めている。 2 私立学校への経常費補助については、保護者負担の軽減を図るため従来から充実に努めており、令和4年度当初予算においては、私立小・中・高校分総額で前年度並の約169億円を計上し、教育環境の維持・向上を図っている。 3 県は、授業料軽減補助については、低所得世帯により手厚い支援となる制度とすることが適切であると考えて、年収590万円未満世帯に対しては、国の就学支援金と県の加算を合わせて40万8千円まで、年収730万円未満世帯には10万円、年収910万円未満世帯には5万円を、県から上乗せして補助を行っている。 令和3年度は、県内私立高校の半数以上が授業料40 万8千円以下であり、多子世帯であるか否かにかかわらず、年収要件等を満たせば、授業料は無償となっている。 4 家計急変世帯を対象とした「入学資金貸付制度」、兵庫県高等学校教育振興会による「奨学資金貸付制度」といった無利子貸付制度が設けられており、入学時の一時的な費用負担の軽減を図っているほか、入学金についても授業料無償化と同様に支援の対象とするよう国に要望している。 5 県では、ICT教育の環境整備について経常費補助により支援している。 一方、国では、私学のICT教育機器の整備に要する費用を支援している。また、GIGAスクール構想のもと、遠隔授業やオンライン学習に必要な指導用コンピューター等の整備費を支援している。 6 私立小中学校に通う児童生徒への支援については、令和4年度から、家計急変年度の次年度以降も引き続き低所得世帯の児童生徒に対して、年額33万6千円の補助を行い、継続した支援を行っている。 7 私学助成の充実についての本請願の趣旨は一定理解できるものの、今後の充実については、私学の自立性にも配慮しつつ引き続き検討する必要があること、財政状況が厳しい中、可能な限り私学助成に努めていることから「継続」を主張する。 なお、表決をする場合には、現時点では「不採択」とせざるを得ない。 |
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請願第80号 |
議決態度 | 本件は、特定地域に係る個々具体的な事案であり、請願に馴染まないことから、「不採択」を主張する。 なお、県では、本年2月に策定した「県立特別支援学校における教育環境整備方針」に基づき、狭隘化が進む東播磨地域の整備を検討し、特別支援学校の狭隘化解消、教育条件を整えるための施設・設備については、すでに実現に向けて進めている。 |
不採択 |
態度決定に至った理由 | 1 本件は、特定地域に係る個々具体的な事案であり、請願に馴染まないことから、「不採択」を主張する。 2 なお、県では、本年2月に策定した「県立特別支援学校における教育環境整備方針」に基づき、狭隘化が進む東播磨地域の整備を検討し、特別支援学校の狭隘化解消、教育条件を整えるための施設・設備については、すでに実現に向けて進めている。 |