議会報告

  • 岸本 かずなお
    第366回(令和6年2月)定例県議会 一般質問(岸本かずなお県議)

    ≪質問項目≫
    1,県職員の働き方改革について
    2,土地開発公社の更なる活用について
    3,加古川の未来に向けたインフラ整備について
    4,放課後児童クラブの更なる拡充について
    5,パラスポーツの振興について
    6,抜け道対策について
    7,投票率向上に向けた取組について



    ≪質問と答弁のダイジェスト≫

    1,県職員の働き方改革について

    (岸本県議) 私が入庁した時の知事は坂井知事であった。それから貝原知事、井戸知事のもとで仕事をさせていただいた。いわば私も古いタイプの公務員である。そんな中、これまでの流れをくまない新しいタイプの斎藤知事が誕生した。前例によらない手法で次々と新たな施策を展開していくことは、わたしのように古いタイプの公務員にとっては、なかなか理解できないものである。
    特に4割出勤に対しては、かなりの抵抗がある。私たちの時代は、県議会の質問待機で夜中まで残されたり、上司が返らないので帰れなかったりといったことがあった。家庭や地域を顧みず「県庁は不夜城」といって休日返上で仕事をしてきた。
    しかし今、斎藤知事が打ち出された働き方こそ、時代の要請であり、新しい未来を形作る方向なのかもしれない。とはいえ、災害に対する対応だとか、増大する県民ニーズへの速やかな対応など、4割出勤に対する不安要素は多々あるので、進める上においてそれらの意見に真摯に耳を傾けていただき、万全の対応策は練っていただきたい。
    そこで、知事の改革方針を共に進めるうえにおいて、一つ提案がある。それは職員の社会貢献である。知事は以前から「テレワークを進め、通勤時間を短縮することにより、その空いた時間を使って、県職員が地域コミュニティ活動へ積極的に参画することを促進したい」といわれていた。今、地域では高齢化によって担い手不足が顕著になっている。民生児童委員だとか町内会役員、保護司など社会にとって大事な役割を担う人々のなり手が不足している。これから高齢化の進展にともなってますますきびしくなる。
    県職員が地域活動などに積極的に取り組むことは、社会貢献となることはもとより、職員の知見を拡げ、地域課題の把握と理解へとつながり、公務の遂行にも有効に作用する。そのためにも県が、在宅勤務制度の活用などにより、地域活動へ積極的に取り組み、県民本位を体現する職員の活動を認め、人事評価への反映や職務以外の表彰などを積極的に行うことで、職員の働き方に対する考え方も広がっていく。在宅勤務制度活用による職員の社会貢献について、所見を伺う。

    (斎藤知事) 職員が、地域コミュニティ活動へ積極的に参画するということは、地域団体等とのネットワークを形成していくということ、そしてご指摘のとおり、それぞれの地域コミュニティを支える団体が、高齢化と人手不足に悩まされているので、そこを県職員が支えるといことになれば、その方々にとっても大きな力になる。なによりも職員自らもそうした経験をさせていただくことで、幅広い経験と多角的な視野を養え、県の行政サービスの質の向上につながっていくと期待する。
    地域での活動経験を活かして新たな施策展開に貢献するなど、功績をあげた職員に対しては、適切に評価し、さらに社会貢献を促していくしくみも考えていきたい。
    また、今年度からは報酬を得て行う活動を含め、職員が公務外で活躍することを後押しするため、「社会参画サポート制度」を創設した。



    3,加古川の未来に向けたインフラ整備について

    (岸本県議) 現在、播磨臨海地域の各工場への搬出入に使われている大型車両は、一般道を走行しているため、騒音や振動がひどく、沿道住民の皆様が大変悩まされている。私も議員になった当初より、数多くの相談を受けたが、根本的な解決策は、この道路が完成し、大型車両の一般道を走らず高速へと抜けることしかない。また、大型車両の交通利便性も図られ、経済効率が格段に良くなることは間違いない。その意味からも、早期整備のためには、住民の皆様のご理解が必要となるので、引き続き丁寧な説明を行って頂きたい。
    そもそもこの道路の必要性の一つに、加古川バイパスの慢性的な渋滞がある。加古川バイパスは、大阪万博の関連で事業化され、1970年3月に開通した。すでに開通から53年が経過している。加古川バイパスが開通した当初の計画交通量は、一日当たり44,000台であったのに対し、現在では一日当たり約88,000台の交通量となっており、計画時よりも約44,000台もの交通量が超過となっている。
    また、この加古川バイパスは擁壁を伴う盛り土方式で建設されているため、加古川市の南北が分断され、時間帯によっては、加古川バイパスの横断ボックスカルバートをくぐるのに大変時間がかかり、加古川市内の大きな交通阻害要因となっている。さらに、盛り土方式の横断ボックスカルバートの箇所などはバイパスの道路面が高くなることから、全線にわたってアップダウンが多く、追突などの事故が多く発生している。
    以上のことから、これらの課題を解決するためには、加古川バイパスを盛り土方式から高架方式へと変える必要がある。ただ現在、この加古川バイパスは、東西交通の要であるから、止めてしまうわけにはいかない。
    そこで今後、播磨臨海地域道路の整備のみならず、加古川バイパスの効果も必要であると考えるが所見を伺う。

    (杉浦土木部長) 加古川バイパスは、アップダウンを繰り返す道路構造による追突事故の発生、また、近接する沿線住宅地への騒音、さらには盛土構造になっているので、交差道路が限られており、そのことに伴う南北道路の渋滞などの課題がある。このため、道路管理者の国により平成12年から「加古川バイパスリニューアル事業」が行われている。
    このリニューアル事業においては、国がアップダウンを緩和するような工事、また騒音を軽減するための遮音壁の設置等を進めている。また、交差する道路については、県と市が交差部の住宅を解消する事業であるとか、歩行者用の新しい横断ボックスカルバートの設置などを行っている。国・県・市が連携して取り組んでいる。平成17年3月には、交差する県道加古川小野線河原交差点において車線数を増やす各幅工事が完了している。交差点の通貨時間が8分から、3分に短縮できたという事例もある。
    ご提案いただいたバイパスの高架化については、これら多くの課題を抜本的に解消することができる。ただ一方で、延長が約12kmと長く、その整備には大きな費用と時間を要することとなる。したがって、まずは加古川バイパスリニューアル事業をしっかり進めることで早期完成を目指し、高架化については今後事業を行う播磨臨海地域道路の整備による交通状況の変化や、沿線地域の今後の開発動向も見極めて、長期的課題として対応していきたい。播磨臨海地域道路の早期実現と加古川バイパスのリニューアル工事等のインフラ整備を進めていく。



    6,抜け道対策について

    (岸本県議) 通常、住宅街などの生活道路は歩行者の往来が多いので、歩行者の側方を通過する際に、十分な間隔を確保できないときは、本来ならば車は最徐行で通行しなければならない。地元住民であれば、そのことをよく理解しているので、細心の注意を払って通行しているが、地元以外の方が抜け道として通行した場合、考えられないスピードを出している場面をよく目にする。実際、加古川市内でも渋滞する路線が多くあるので、抜け道として使われている箇所が数多くある。
    例えば、別府町にある私の家の前の道がそうである。南北に走る県道八幡別府線と東西に走る県道別府湊加古川停車場線が時間帯によっては大変渋滞するため、別府湊加古川停車場線と並行して走る私の家の前の道が抜け道となっている。
    この道は車1台がやっとすれ違える程度の狭い道であるにもかかわらず、過去には死亡事故や車が横転する事故があった。いったいこの道を何キロで走っていたのかと恐怖に思う。また、明姫幹線坂井交差点から北に少し上がり、島文社宅を左折したところから古大内に抜けていく道も抜け道として多くの車が行き交っている。この道も大変狭く、車1台がやっとすれ違える程度である。ここでも過去に子どもが車と衝突し、数メートル飛ばされたと聞いた。
    今、紹介した事例はごく一部だが、生活道路の抜け道利用が問題になっている地域が数多くある。このことから、町内会では、抜け道としての通行を禁止する看板を設置するなどの対策をとっているところもあるが、抜け道でスピードを出す車の走行を完全に止めることはできない。抜け道問題は加古川市内だけでなく、県内いたるところで発生している。どうか、県民が安全に安心して暮らせる生活環境をつくっていきましょう。
    そこで、特に危険な抜け道については、県警において交通取り締まりの強化など、様々な対策をしていくべきだと考えるが所見を伺う。

    (村井県警本部長) 幹線道路の渋滞対策としては、交通状況に即応した信号制御を行うことで渋滞の解消や緩和を図っており、生活道路への流入抑制に努めている。しかしながら、交通量が著しく多いといったケースは道路改良なども必要となることから、国、県等の関係機関から構成される「兵庫地区渋滞対策会議」に参画し、道路管理者や自治体等と連携してハード・ソフト両目からの対策を講じている。
    また、生活道路対策としては、歩行者等の安全な通行を確保するため、県内の174箇所における「ゾーン30」の設定、通学時間帯における歩行者用道路規制等の交通規制を実施すると共に、幹線道路が渋滞する朝・夕の時間帯を中止として「可搬式オービス」による速度取締り、通行禁止違反等の取締りを強化している。



    7,投票率向上に向けた取組について

    (岸本県議) 昨年の統一地方選挙の内、兵庫県議会議員選挙の投票率は、39.01%であった。前回より若干増えたとはいえ、まだまだ低い投票率である。ちなみに全国の道府県議会議員選挙の投票率は、最も高かったのが島根県の55.82%、最も低かったのが埼玉県の34.92%であった。
    また、昨年4月9日に道府県議会議員選挙が執行されたのは41県道府県で、そのうち投票率が30%台だったのは11県。関西2府4件でみても、30%台は兵庫県のみである。もっとも高かったのは、奈良県の54.96%であり、改めて兵庫県の投票率の低さを認識しなければならない。
    私は、昨年の統一地方選挙のおり、多くの高齢者の方から次のようなお声を頂戴した。それは、「投票所が遠くて、足の便もないので、もう投票には行かない」とか「前回、投票に行ったら、投票所がバリアフリー化されてなくて転んでしまった。もう二度と投票には行かない」といった内容であった。
    以前より、世の中では若者の政治離れが投票率の低下を招いていると指摘されてきた。確かに、若者の政治離れは深刻な問題であり、民主主義の根幹をなす選挙制度の必要性を今後もしっかりと伝えていかなければならない。それに加え、高齢者の皆様が投票環境の問題で選挙に行かなくなることは、あってはならないことだ。今後、ますます高齢化が進展する中で、投票環境の改善が図られなければ、さらに、投票率が低下していくことは、火を見るよりも明らかである。
    憲法15条には、参政権は国民固有の権利となる。選挙は国民から奪うことのできない権利である。しかし、行きたくてもいけないのであれば、実質的に権利を奪っていることになるのではないか。そこで、今後の投票率向上に向けた取組について、所見を伺う。

    (永田選挙管理委員長) 高齢者や障害者をはじめ、誰もが投票しやすい環境を整備することが非常に重要であり、例えば投票所内に段差がある場合には、臨時にスロープを設置したり、常時、人的介助を行う体制をとるなどのきめ細やかな対応を、市町選挙管理委員会とともに進めている。
    一方で、人口減少・高齢化が進展するなかで、投票立会人の確保、これが非常に難しいが、これを理由とした投票所の再編が進みつつあり、投票率のさらなる低下につながるということが、懸念される。このため、投票所はできるだけ維持・確保することや、仮に再編する場合であっても、代替措置を積極的に検討するよう、市町選挙管理委員会に助言している。
    昨年の県議選では、7市6町において、巡回・送迎バスの運行やタクシー等の無料乗車券の発行など、投票所への移動支援の取組が実施されたほか、各地のイオンモールなど、県内20カ所のショッピングセンターに期日前投票所が設置された。
    選挙は民主主義の根幹であることから、一人でも多くの有権者が貴重な一票を投じることができるよう、今後とも、市町選挙管理委員会と連携を取りながら、投票しやすい環境づくり、これが非常に大事だと思うので、この環境づくりにこれからも全力で取り組んでいく。

公明党 兵庫県議会議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

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