議会質問(代表・一般)
Parliamentary questions
第357回(令和4年2月)定例県議会
補正予算案
越田浩矢県議
[質問項目]
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1. 新型コロナウイルス感染症拡大防止への緊急対策について
質問と答弁のダイジェスト
[越田県議]オミクロン株による第6波の感染拡大において、国に対するまん延防止等重点措置適用の要請を、大阪、京都、兵庫の3府県で歩調を揃えるとともに、飲食店に対する時短要請内容は国の基本的対処方針に則った内容として実施している。今回の経済対策補正予算の中で、時短要請に応じた飲食店に対する協力金303億円が一つの事業としても突出した金額となっており、感染拡大防止対策の中心となっている。
コロナ禍が2年を超え長期間になっている中において、これまでの対応ノウハウの蓄積、科学的知見やオミクロン株の特性等に基づいて、できるだけ経済を動かしながら、感染防止対策との両立を図っていくことが求められる。
国が示しているまん延防止等重点措置における基本的対処方針の内容はひとつの雛形であって、飲食店の時短要請内容やワクチン検査パッケージの活用等については、都道府県知事に裁量が認められている。認証店における営業時間や酒類提供時間のさらなる延長や、おひとり様利用であれば、深夜まで飲酒・飲食を可能にすることや中山間地域等の地域性を考慮して、まん延防止地域からはずすなど、県の要請内容はもっと柔軟な内容とすることも必要ではないか。
県内の大阪への通勤圏エリアは3府県での連携は当然重要だと思うが、感染対策と経済の両立の舵取りが複雑になる中で、もっと科学的知見やエビデンスに基づき、兵庫県の実態に合わせた取組が必要であり、まん延防止等重点措置適用の要請時期や飲食店の時短要請内容について、兵庫県独自に適切に対応していくことも必要だと考えるが所見を伺う。[齋藤知事]本県においては、1月中旬以降、重症病床の使用率は低いものの病床使用率全体として40%を超え警戒を強化すべき局面になるなどの状況を判断して、1月21日に国に要請した。あわせてオミクロン株の知見、特性を踏まえた対策の充実についても要望させていただいた。
本県における重点措置の指定区域は、オミクロン株の感染力が非常に強く、中山間地域を含めて県下のすべての保健所区域に感染が拡大しているということを踏まえて、県全域を対象とした。また、飲食店への時短要請は、地方公共団体において推進の責務を有する、いわゆる「国の基本的対処方針」を踏まえながら、認証店に対しては知事の判断により営業時間や酒類提供の有無を選択できるようにしたほか、対象者全員が検査されることにより同一テーブル5人以上も可能にしており、経済活動にも一定を配慮している。
一方、本県の感染状況は、増加速度自体は鈍化しているが依然、感染拡大という状況が継続しており、病床の逼迫も進みつつある中、引き続き感染拡大の防止に取り組む必要がある。昨日、専門家の意見もヒヤリング、聴取させていただいた上で、県の判断としてまん延防止等重点措置の延長を国に要請した。
今後、国での決定を踏まえて先般対処方針に新たに盛り込まれ飲食の場面や子ども・高齢者の感染対策、特に今、高齢者施設でのクラスターなど、その対策が急務となっているので、そういった感染対策の徹底も含めて取り組んでいきたい。
今後感染が収束に転じていく場合には、各地域の感染状況も踏まえながら、段階的な緩和措置も含めて検討していく。 -
2. ポストコロナを見据えた中小企業の経営革新やイノベーション創出の支援について
質問と答弁のダイジェスト
[越田県議]補正予算案ではポストコロナ・チャレンジ支援事業として、補助率2分の1で空き家改修を含め補助上限300万円、想定10社分の合計3、000万円の補助事業費が計上されている。本事業ではコロナ禍により表出した社会課題などを解決するイノベーション創出を支援するとし、主に中小企業の新ビジネス創出や社内ベンチャーを対象とした支援策となっている。
コロナ禍においても、史上最高益を更新するような企業がある一方で、売上の大幅な減少や原材料の高騰等により苦境に陥っている企業も数多く存在する。これまでの常識やビジネスのやり方が大きく変化しており、中小企業が自社の強みを活かしつつ、新しい分野への進出や新製品の開発等を行うことを強力に後押しすることは、県内企業の活力維持において非常に重要である。だからこそ、本事業がコロナ禍を乗り越えようとしている県内中小企業のイノベーションを促進する起爆剤となってほしい。
しかし、補助メニューに空き家改修補助が含まれていることや、予算規模が3、000万円と10社分しかないことから、県内中小企業のイノベーション創出を支援する事業としては不十分である。また、国や県がすでに実施している起業や事業再構築等の補助メニュー、空き家活用の補助メニュー等が多く存在することから、本事業の棲み分けをわかりやすくニーズのある事業者にしっかり周知することが重要だ。
コロナ禍の収束がまだ見えない中において、継続的かつ幅広く中小企業の経営革新やイノベーション創出を支援し続けていく必要があると考えるが所見を伺う。[竹村産業労働部長]県では、9月補正でお願いした「ポストコロナ出口戦略構築事業」により、新事業展開に向けた計画策定を支援するとともに、6月補正と12月補正でお願いした「中小企業新事業展開応援事業」により、国の事業再構築促進事業の対象とならない、150万円以下の事業も支援するなど県独自に中小企業の新分野への進出や事業再構築を支援してきた。実績では計画策定でおよそ866件。新事業展開は最終的に1、500件の支援を見込んでいる。
こうした取り組みに加え「ポストコロナチャレンジ支援事業」では、スタートアップや社内ベンチャーによる環境対策やオンライン教育など、ポストコロナ社会の課題解決と新たなビジネスの創出を後押ししていきたいと考えている。
ご指摘の通リ、ポストコロナ対策としては、国県を通じ様々な事業が制度化されており、その中から、事業者のニーズに即した支援メニューを選択して活用することが求められている。商工会、商工会議所や金融機関とも連携して、しっかりと事業者に制度の周知を図り、活用を進めていく。
代表質問
伊藤勝正県議
[質問項目]
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1. 令和4年度予算編成について
質問と答弁のダイジェスト
[伊藤県議]12月の定例会で知事は「令和4年度当初予算は、私にとってもコロナ禍の創造的復興、躍動する兵庫を具体化するための最初の本格的な予算編成」と述べるとともに、「新型コロナ対応に万全を期し、デジタル人材の育成を含む中小企業のDX、スタートアップ、水素をはじめとしたグリーン産業の創出、さらには観光戦略の推進、播磨灘大阪湾ベイエリアの再生など、ポストコロナ社会にふさわしい兵庫の姿を具体化する施策に積極的に取り組んでまいりたい」と決意を述べられた。
また知事は、予算編成プロセスについて部局長のマネジメントによる創意工夫を尊重したボトムアップ型の予算編成を行い、厳しい財政状況下でも県民の命と暮らしを守り夢と希望に満ちた躍動する兵庫を実現するため、めりはりの利いた予算編成を行っていくとしていたが、1月の政務調査会で令和4年度重要施策の説明を聴取したところ、昨年度までの施策と違いが感じ取れなかった。各部局に知事の思いが伝わっていたのか。
知事が掲げた来年度の重点施策の推進には国の財政措置も不可欠と考え、予算編成に先立って例年行われる国の予算編成に対する提案に注目してみた。この国への提案において、新型コロナウイルス感染症対策への支援を除く項目のトップに「新たな価値を生む経済の構築」を挙げられ、「ベイエリアの活性化に向けた海上交通の充実」と「水素社会の実現に向けた取組の加速」を最重点項目とされ、先ほど紹介した知事答弁と符合するが、気になったのが前年の国提案では8ページにわたり求めていた防災・減災対策の推進など「安全な基盤の確立」が、今回の国提案では3分の1頁しか触れられていない。あくまで、国提案での比較とはいえ、国提案は県政課題を反映したものであるとするなら、阪神・淡路大震災を経験し、頻発する災害に耐えうる社会基盤を先駆的に整備してきた防災先進県として大きな方針転換なのかと懸念するところである。
そこで令和4年度予算編成の総括とともに、厳しい財政状況下で「躍動する兵庫」や「ポストコロナ社会にふさわしい兵庫の姿」をいかに具体化されたのか、特に今までと異なる予算方針、重点施策などについて伺う。[齋藤知事]予算編成での新たな方針として、部局の裁量経費である一般事業枠を拡大し、各部局長の総意工夫によるマネジメントを重視した。また、新設した「新県政推進枠」及び改革で見直した効果額を新規事業の財源とするインセンティブとして「行革見直し効果枠」を設定し、部局長の総意工夫やビルドを促進する仕掛けにも意を用いた。
また、特に重点的に取り組む施策については、年末年始に個別に知事協議を設置し、方向性や視点について議論しながら、確認・共有している。その結果、各部長が創意工夫をこらした施策にも私の思いが十分反映されている。
具体には、3つの視点を重視した①新しい成長の種をまき、スタートアップの育成強化など持続的な成長、発展を導くこと、②兵庫五国の地域の価値を高め、地域の魅力、ブランド力を高めていくこと、③ヤングケアラーや発達障害児への支援、避難対策の強化など安全安心の網を広げることである。なお、県民の安全安心は全ての土台となるものであり、とりわけ震災を経験した本県にとって、防災・減災対策は重要な課題と捉え、将来の財政負担に配慮しつつ、防災先進県として喫緊の課題に対応する。 -
2. 県政改革方針及び行財政の運営に関する条例の改正案について
質問と答弁のダイジェスト
(1)県政改革方針について
[伊藤県議]9月定例会のわが会派の代表質問に対して知事は、行財政基盤の立て直しの必要性、単に収支改善のための削減ではなく守るべきことは守って、時代変化に合わせて変えるべき事業を一つずつ変えていくとされたが、その後、新知事のもとで進められると予想していた事業の大胆なスクラップ&ビルドの具体策は見えないまま迎えた12月、副知事のもとで策定された「県政改革方針」一次案と「県政改革方針実施計画」が突然示された。しかも「ビルド」を重視した行財政運営を掲げられているのもかかわらず、実施計画では「スクラップ」しか示されておらず、事業の縮小・廃止等で大きな影響を受ける県下の市町への十分な説明もなかったことから、基本方針に掲げられた「オープンな県政」「誰も取り残さない県政」「県民ボトムアップ型県政」という記述には大変違和感を覚えた。
一方で、財政収支見通しの試算に用いる経済成長率をベースラインケースに改めることや、県民の安全安心に直結する県単土木の増額、民間活力の活用推進、大型投資事業の慎重な検討など評価できる点も少なくない。それだけに、この一次案をもっと早く提示されていたなら、見直しについての具体的な議論を深めることができ、市町にも理解がいただけたのではないかと考えると今回の見直しの進め方は残念である。
昨年9月の代表質問で「民意が新しい県政を求めている以上、私たち議員も今までの既成概念を捨てて、齋藤知事とともに兵庫の新時代を築いていかなければならない」と述べさせていただいた。この思いは変わらないが、その前提には、議会や市町、県民への前広で丁寧な説明があることは言うまでもない。
そこで、県政改革方針に対する知事の率直な思いを改めて伺うとともに、県民から多くの指摘をうけた、ひょうご地域創生交付金や老人クラブ活動強化推進事業などの事業見直しについて、今後どのように見直していくのか、方針策定の総括とあわせて所見を伺う。[齋藤知事]見直しの内容が多岐にわたったため、一次案としてのご提示が市町の予算編成が佳境に差し掛かった12月となり、市町等との対話が不十分であったとのご意見を多数頂戴した。このご意見は真摯に受け止め、今後の県政運営に謙虚に活かしていく。
県政改革方針案には、まず3つの基本方針を掲げ改革の方向性を示した。また、新たな財政フレームでは、税収や財政指標を堅実に見込むため、経済成長率をベースラインケースに見直した。事務事業の見直しでは、単なる歳出削減ではなくビルドを重視した改善に取り組んだ。投資事業は、将来の財政負担に配慮し、別枠事業についても通常事業と同様に地方財政の伸びをふまえた上限を設ける一方、防災・減災対策等喫緊の課題にも対応できる持続可能な枠組みを設定した。
さらに、政策課題に的確に対応できる体制を整備するため、本庁組織を5部から12部に見直す。こうした取組を着実に推進することで「躍動する兵庫」の実現に向けた持続可能な行財政基盤の確立を目指す。ご指摘のひょうご地域創生交付金や老人クラブ活動強化推進事業など、今後、改善の方向を検討する事業の見直しについては、時代の変化を的確に捉えながら検討し、県議会や市町、関係団体、県民の皆さまに丁寧に説明し合意形成を図っていきたい。(2)行財政の運営に関する条例の改正案について
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3. オミクロン株に対する対応について
質問と答弁のダイジェストはありません。
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4. 科学的知見に基づくコロナ対策を推進する体制強化について
質問と答弁のダイジェスト
[伊藤県議]わが会派では、「重要政策提言」、「予算要望」の新型コロナウイルス感染症に関する最重点要望事項として、保健所機能の一体的な連携を図りつつ、疫学分析や公立病院・大学病院、産業界等の専門の関係機関が情報を共有・分析し、対策の立案や情報発信を行うようなセンター機能の体制整備の必要性を訴えてきた。
2年以上に及ぶコロナ対策の基本は人流を抑制することが中心だったが、国では、新型コロナの特徴が分かってきたため、外出自粛まで求めなくても、感染が危機的状況になることはなさそうだと、専門家では危機意識のレベルが統一されているとも言われている。政府としては「基本的対処方針」として対策のひな型を示すにとどまり、あとは現場をよく理解している各都道府県知事の判断で、休業要請や時短要請などの感染対策を行うことが求められている。だからこそ、政府の尾身会長等の科学的な分析を、現場レベルの情報と付け合わせながら、県独自のより有効性の高い対策を推進していくことが大事である。
本県では、感染症に対応する専門家の知見を取り入れる体制として、有識者ヒヤリングや、感染症情報の共有化システムによるデータ共有や分析、県立病院の治療情報の分析や神戸大学と連携した調査研究、健康科学研究所の感染症情報センターにおける情報の集約、分析、発信といった取組が行われているところだが、これらの役割を集約し、新型コロナ対策に特化したセンター機能を強化する必要があるのではないか。
兵庫県の感染状況についてマスコミで報道されることが多い中、医師や専門家が政治的な判断を含んでいない科学的知見に基づいた分析や、客観的な解説情報の発信も必要である。
知事が発信する情報は、社会・経済活動と感染対策との両立をにらみ、最終的には科学的知見を内包して政治判断としての情報発信とならざるを得ない。だからこそ、科学的な知見に基づく情報を県民と共有できるようにすることがコロナ対策の納得性のキーであり、そのためのセンター機能を強化することが重要ではないか。[齋藤知事]今後は次なる波に備え、新たに体制を強化していくことが必要である。感染症対策の強化にあたっては、知見やデータ分析を重視し、活用していくことが議員指摘の通り重要だ。そのため、大学等の関係機関と連携して、調査研究を進めるほか、保健所設置市も含めた全県でデータを共有して、感染状況の傾向把握等を行う感染情報共有システムの構築、県立病院において治療情報の分析等を行い、そこから得られた知見や専門家からの助言を県の施策に反映させていくことが大事だと考えている。今回のまん延防止等重点措置の延長の要請にあたっても専門家の意見を聞いて対応したものである。
また、現在、専門家との共同会見や最新の知見を伝えるビデオメッセージの配信など情報発信の充実にも取り組んでいるが、さらにエビデンス等も踏まえた分かりやすい情報提供にも努め、県民の施策に対する理解に繋げていきたい。
県としては、今後の感染対策の推進体制の強化にあたって、大学等関係機関と連携したこれらの取組を強化し、専門家の方々のより客観的、そして納得感のあるデータをいただき、県民の皆様にもそれを発信して対策を決めていく体制、コロナ本部の機能強化を図っていきたい。 -
5. 難聴高齢者の認知症予防策について
質問と答弁のダイジェストはありません。
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6. 秩序ある海洋レジャー環境整備のルール作りについて
質問と答弁のダイジェスト
[伊藤県議]県は明石での水上オートバイによる危険行為や淡路での死亡事故を踏まえ、昨年11月から兵庫県水上オートバイによる危険行為等の対策検討会議を開催し、今月2日には、その検討会議での対策のとりまとめとして沿岸域を徐行とし、安全に配置した操縦を周知徹底するなど、都道府県の海域すべてを対象としたものとしては全国初となる独自のルール設定が示されたところだ。
この問題は、昨年夏に明石市の海水浴場での危険な水上オートバイの走行が多くのマスメディアで取り上げられ、同時期に淡路市の沖合を走行していた若い男女が乗った水上オートバイが消波ブロックに衝突する死亡事故が発生した。齋藤知事も事故現場を視察され、条例の見直し等に前向きな考えである旨の発言をされた。安全で安心して海洋レジャーを楽しんでもらうために、今回の規制ルールは最低限必要だと考えるが、危険な水上オートバイを規制するだけでなく、これを機に港湾及び海岸における秩序ある海洋レジャー環境整備を目指すルール作りが必要ではないかと考える。
海でのレジャーといえば、幅広い世代の方が楽しんでいる釣りやSUPなどのアクティビティがあるが、水上オートバイやプレジャーボートが港湾内や漁港内に進入してくることもあり、非常に危険なケースもある。また、私の地元の明石の沖合はタコなどの乱獲、タコ釣りに使用するルアーなどの疑似餌が海底に根がかりして糸が切れて海底に残り、海底にゴミとして放置されていることが問題となっている。漁業者の漁に影響があるばかりでなく、海の生態系にも影響を与えるため看過できない。
このような港湾及び海岸の状況、課題を把握して秩序ある海洋レジャー環境を整備するためにも、悪質な水上オートバイの対策としてのルール作りに終わらせず、本年秋に本県で開催される全国豊かな海づくり大会にあわせて、だれもが安心して楽しめる海洋レジャーのルールを早急に作る必要があると考えるが所見を伺う。[齋藤知事]海洋レジャーについては、港湾法などの法令に抵触しない範囲で自由使用が原則で、それゆえに一部のマナー違反者とほかの利用者の間で、危険行為による事故など、ごみの問題など諸課題が顕在化している。
顕著な例が議員ご指摘の昨年発生した水上オートバイによる危険行為問題で、来年度からは県の方でも検討会でとりまとめた結果を踏まえて、優良ユーザーの拡大、県独自のルールの設定、啓発・パトロールの強化など対策に取り組んでいる。
遊漁者によるタコ釣りについては、28年に漁業者と遊漁者が協力して「明石沿岸タコ釣りルール」が設けられた。このルールの遵守に向け関係者と連携しながらしっかりと取り組んでいく。
また、県が管理するボートパークでは、指定管理者がプレジャーボートの利用に関して、海苔の養殖漁場への進入禁止など漁業者への配慮事項やマナー啓発に努めている。海洋レジャーは、周囲の安全確保と他者に迷惑をかけないマナー遵守が基本である。来年度からはまず水上オートバイの対策に注力をしつつ、引き続き地域の実情に応じたルール、そしてマナーなどの啓発に取り組み、豊かで美しいひょうごの海づくり、これは今年秋に全国豊かな海づくり大会もあり、そういった意味で誰もが安全かつ快適に利用できる環境づくりの実現に向け取り組んでいきたい。 -
7. 特別支援教育の充実のための整備促進について
質問と答弁のダイジェストはありません。
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8. 通学路の安全対策について
質問と答弁のダイジェストはありません。
一般質問
竹尾ともえ県議
[質問項目]
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1. クラウド活用による全庁システムの経費削減の取り組みについて
質問と答弁のダイジェスト
[竹尾県議]誰もがデジタル化の恩恵を最大限に受けることができる社会を実現するため、国においては昨年9月にデジタル庁が発足し、システムの共通化推進や各府省庁の所管システムの総合調整などの取組が進められている。
県においても4月に情報戦略監を中心とする新たな推進体制となり、8月には民間出身デジタル分野の専門官を招聘し、行政・社会のデジタル化を推進している。県庁においてもコロナ禍でテレワークが普及し、事務的な作業は自宅でも職場と変わらず業務が行えるようになり、働き方改革にもつながっている。
兵庫県は既に、情報システム部門が全庁のシステムの予算の集約や改善に向けた助言などを行っていると聞いているので、今後は国のデジタル庁と同じように、県庁内のシステムの整備や運用の最適化を推進するよう取り組まなければならない。
県庁の主要システムは、かつては主に富士通、IBM社などの大型汎用機により運営されていたが、その後、庁内にサーバーを構えるオープン系システムに置き換わり、外部の業者にシステム開発から維持運用管理まで委託するのが標準となっている。
そのような中、茨城県では税務クラウドサービスを導入し、他の県と共同利用することにより、大幅な経費削減につながったという事例が報告されているので、今後システムを更新する際には、さらなるクラウドサービスの活用や他府県との共同利用などで経費削減につなげ、その効果を県民に還元していかなければならない。
クラウドサービスを導入するには、業務・事務の標準化という地道な作業が必要となる。何より導入しようとするサービスが適正なものか、見極める人材の育成が重要となる。さらに、すべての県民が県行政のデジタル化の利便性を実感するためには、特にデジタル弱者といわれる高齢者等のサポート体制を充実させるなどで誰一人取り残されることなく推進することが求められている。
そこで、クラウド活用による全庁システムの経費削減に向けた取り組みについて所見を伺う。[谷口政策創生部長]他団体との共同利用については、県内市町とは電子申請システムや電子入札システムをクラウド上に共同で構築している。さらに、県内にとどまらず他府県も視野に庁内システムの他団体との共用に向け、課題の整理など検討を進めている。また、システムの構築・更新にあたり適正なシステム調達や情報セキュリティの確保が図れるよう、県及び市町の情報担当職員向けの研修を実施するなど人材育成に努めている。
システム化の推進に伴うDX化の進展により、高齢者や障がい者など、デジタル機器の操作に不慣れな方が取り残されないよう、情報端末の操作講習会の開催などデジタルデバイドの解消プロジェクトも展開する。[竹尾県議コメント]知事は今、県財政状況の厳しさから県民生活サービスにかかわる行財政改革の事業の見直しも進めているが、まずは足もとの県庁システムの経費削減について、しっかり取り組むべきではないか。ポイントはクラウドの活用、他府県との共有、また効果の県民への還元である。これらは、苦労を惜しまず課題を乗り越えて大きな経費削減につながるクラウド活用、全庁システムの経費削減についても進めていただきたい。 -
2. 女性デジタル人材育成による就職支援について
質問と答弁のダイジェスト
[竹尾県議]デジタル分野の仕事は感染症の影響を受けにくく、今後デジタル分野の労働力を求めるニーズが高まるといわれており、経済産業省の調査では、2030年に情報システム部門などで働く「IT人材」が最大で約79万人不足すると試算されている。デジタル化が進めば、育児や介護をしながらテレワーク等で勤務できる企業が増えると考えられるため、女性がパソコン等のデジタルのスキルを習得できるよう積極的に支援し、再就職につなげる取り組みを後押しするべきである。
公明党は、「女性デジタル人材育成10万人プラン(仮称)」を掲げており、党の女性委員会は昨年、デジタル社会推進本部と合同で、ひとり親や未経験者を対象とした研修や就労支援などの先進的な取り組みについて、全国的な調査を行った。
その結果、適切な支援があれば、女性はより活躍できるという報告があったため、昨年末閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に「女性デジタル人材育成の推進」を加えるよう強く主張し、項目が新たに追加された。兵庫県では、かねてより女性の就業支援に取り組んできていると聞いているが、私は今後より多くの女性のデジタル人材を増やすためには、女性就業に向けたセミナー等に力を入れるとともに、周知・情報発信を積極的に行っていくことが大切だと考えている。
また、介護や子育てのため、だれでもセミナー等を受講できるように「オンライン講習」など女性への様々な支援の在り方も検討すべきである。コロナ禍が長引く中、希望する女性がデジタルスキルを習得し、就職や転職の機会を広げる取り組みをどのように進めていくのか。[齋藤知事]県は男女共同参画センターにおいて、従来からパソコンの基礎講座を実施しており、今年度は13コースを開催し144人が受講した。受講後、希望者にはセンター内で設置しているハローワークで就業の相談や職業の紹介も行っている。あわせて、神戸高等技術専門学院等の職業訓練にパソコン基礎からプログラミングなど高度なスキル習得まで、ニーズに応じたコースを実施している。
また、自宅でパソコンを活用して仕事を受注したいというニーズもあることから、在宅ワークで必要な知識等を学ぶセミナーも開催している。
来年度は、男女共同参画センターでのデジタルスキルを学ぶセミナーを増やし、オンラインでも開催する。また、就労相談では身につけるべきデジタルスキルについての助言等を積極的に行っていく。これらの取組について市町やハローワーク等と連携して情報発信を強化していく。
県内の中小企業において、ポストコロナを見据えて今後、ますますデジタル人材、いわゆるDXの人材が必要になってきて、その確保をどうしようかと検討している状況である。女性がデジタルスキルを習得できるように取り組んで、就職や転職の機会を広げるということも大事なのでしっかりと支援していく。[竹尾県議コメント]女性デジタル人材の就労支援について、しっかりと女性のデジタル人材を活用していくという前向きな方向を打ち出していただいた。ただ、この県行政のデジタル化の利便性を実感するためには、やはり特にデジタル弱者といわれる高齢者のサポート体制が重要である。私はやはりこの女性デジタル人材の拡充によって、女性が持つ丁寧さ、やさしさを活用して高齢者などデジタル弱者へのサポート体制にもつながる、またつなげる。そういったデジタル人材育成の拡充、就労支援の推進にも力を入れていただきたいと思う。 -
3. 医療的ケア児支援センター設置による取り組みについて
質問と答弁のダイジェストはありません。
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4. 出産前後の女性に寄り添う訪問型支援について
質問と答弁のダイジェスト
[竹尾県議]先日「産後ドゥーラ」協会の研修会に参加したが、梁川妙子理事は「産後うつ」は出産が母親に体とホルモンの急激な変化をもたらし、心のダメージが大きくなり発症する。また、近年虐待件数が増え続けているが、虐待による死亡事例の加害者は、実の母親が最多であり虐待は子どもが生まれた「直後」から発症し、0歳児が一番多い。虐待の原因は、母子の愛着形成がうまくいかなかったことであり、特にコロナ禍で子育てのスキルが十分でない母親が孤立し、追い詰められているとの話をお聞きした。
さらに今後、不妊治療の保険適用が進めば、出産女性の高齢化が進むことが考えられるものの、父親の育児は進んでいないため、虐待の予防には母親の心に寄り添い支援する、産前産後ケアが重要であると訴えられていた。産後ドゥーラ協会は、家事や育児を中心とする訪問支援であり、食事づくりや掃除、洗濯、赤ちゃんのお世話など幅広いサポートを提供している。
家事育児支援の担い手としては、ヘルパー、ベビーシッター、産後ドゥーラが考えられるが、家事支援ヘルパーは赤ちゃんをさわることができず、ベビーシッターは家事ができないため、「産後ドゥーラ」だけが家事と赤ちゃん双方の支援ができることになる。
東京都では産後家事・育児支援事業として、昨年より区市町の取組や人材育成に10/10の補助を実施しているほか、神奈川、千葉など7都道府県の25自治体が独自の事業を実施している。今後国では、子ども家庭庁の設置に向け、子育て支援に関する新法を概ね2年後に成立させ、子育て世帯への訪問支援事業を含む、新たな給付事業を恒久的に制定する予定としている。
県では「養育支援訪問事業」、今年度モデル的にはじまった「兵庫県版マイ助産師制度」を実施されているので「産後ドゥーラ」の活用などにより、訪問型の産前産後支援を充実させるべきである。そこで、国の制度化を前に県として、出産前後の女性に寄り添う訪問型支援について、どのように進めようとしているのか。[藪本健康福祉部長]現在県下の各市町においては、例えば妊産婦の孤立感を解消するために、保健師等や子育て経験者等が相談支援を行う「産前・産後サポート事業」、これについては29の市町が実施している。また、保健師等が退院直後の母子に対して、心身のケアやサポート等を行う「産後ケア事業」、これについて41全ての市町が実施しており、うち訪問型については30の市町が実施している。加えて保護者の養育支援が特に必要な家庭に対しては、保健師・保育士・ヘルパー等が育児支援、家事援助等を行う「養育支援訪問事業」、これについても39の市町が実施している等、妊産婦や母子を対象としてさまざまな訪問型の支援を実施している。 県ではまず、各市町の訪問型支援の取り組み状況を把握して、これを全県への情報発信、また家庭環境や母親の状況に応じて適切な対応ができるよう、保健師、助産師等への必要な研修の実施、各地域の医療、福祉等の幅広い関係者の参画による会議等で、支援体制の検討や好事例の共有を行うことにより、妊産婦への支援の充実を促進している。
さらに今年度から議員からもご紹介いただいたが、一人の助産師が訪問等により妊娠期から育児にわたって切れ目のない支援を行う「兵庫県版マイ助産師事業」を県内の2市でモデル実施しているところだ。一方、国においては今年度から家事・育児等に不安を抱えた家庭に支援員が訪問する「子育て世帯訪問支援事業」また来年度からは母子保健と児童福祉の支援機関の連携強化、そして令和5年度からは子ども真ん中社会の実現に向けた、こども家庭庁の創設等が順次進めらる。
県としては訪問型支援の推進に向け国の動向を注視しつつ、他府県の先進事例収集にも努め、提案のあった産後デューラの活用に向けた人材の確保、育成のあり方の検討、「兵庫県版マイ助産師事業」の全県普及に取り組む等、安心して子供を産み育てられる体制構築に向けて市町とも連携しその対策を強化していく。[竹尾県議コメント]訪問支援についてはヘルパー、ベビーシッター、保健師、保育士、助産師があるが産後デューラもしっかり入れ込んで、選ぶのは出産前後の母が選ぶ。必要なものに必要な支援を届けるのは行政の役割。助産師やヘルパーが足りないということも耳にする。支援の輪を広げる、産後デューラを入れる体制を兵庫県が先導していくことで、市町が活用しやすくなる。マイ助産師制度とあわせて、マイ訪問支援員制度、マイデューラ、マイヘルパー、マイシッターの導入を検討していただきたい。国もしっかりと動く、2年後には法整備して動いていくので兵庫県がいち早く進めていくことが重要である。兵庫県が安心して子育て、産み育てやすい街、環境づくりが県の課題である人口流出を防ぐ大きなカギとなる。
知事は躍動する兵庫というが、言葉だけ、文字だけ踊るのではなく、県民の心をどう動かすかだ。兵庫に住んでよかった、そう思う人が何人できるかが勝負である。コロナ禍で悲惨な虐待、産後鬱が増えている。産前産後の女性に寄り添う、必要な支援はまだとどいていない。そういうことをしっかりと進めていく、知事の若い力、子育て中の知事が誰一人取り残さない兵庫づくりをするという手腕に期待している。 -
5. 公共交通機関におけるバリアフリー化について
質問と答弁のダイジェストはありません。
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6. コロナ禍におけるオンライン等を活用した学習支援について
質問と答弁のダイジェスト
[竹尾県議]2月10日の神戸新聞によると、県教育委員会と神戸市教育委員会の調査で、兵庫県内で新型コロナウイルスへの感染が不安で登校できない小中学生が、1月時点で3、833人にのぼり、そのうち小学生が2、511人、中学生が1、322人であることが分かった。感染拡大とともに県内全域で登校できない生徒が増加する傾向が見られている。
そのような中、2月7日、サンテレビ「ニュースキャッチ」に、阪神・淡路大震災をきっかけに子どもの心のケアに取り組む、臨床心理士で兵庫県立大学大学院の冨永良喜教授が出演し、全国の公立の小中学校で約3割の学校が学級閉鎖等の措置をとっていることに対して「これは東日本第震災を超える災害ですね。地震や津波と異なるのは、感染の不安だけではなく、感染させてしまうのでは、という不安があることです。自分を責めなくていいのに、責めてしまいやすくなります。また、日常生活の行動制限が厳しく、強いストレスを感じ続けています」と述べられた。
特に「オンライン授業」の実施状況については「自治体によって差が激しい。一方的な授業配信にとどまり、交流ができていない市もある一方で、オンラインでグループ討議したり、オンラインで宿題も提出したりしている市もある」と発言され、沖縄県ではオンライン授業中心の市の方が、分散登校のみの市より、感染者数が半分であったことを踏まえ、感染拡大の状況に応じて、登校とオンライン授業を併用するハイブリッド方式へ切り替える必要性を訴えておられた。
兵庫県においても日々状況が変化する状況の中、工夫を重ねながらオンライン等を活用した学習支援を実施されているが、その取り組みにはばらつきがあり、市町においても格差が出てきていると思うので、オミクロン株への対応だけでなく、次の波に備えて早急に対策を進めるべきであり、課題だと感じている。
また、児童生徒の感染拡大の恐れや不安に対しては、県が推進する動画の活用やスクールカウンセラー等専門家を活用した「ストレス対処法を学ぶ特別授業」などオンライン配信も行うべきではないか。そこで、今後「コロナ禍におけるオンライン等を活用した学習支援」をどのように進めるのか所見を伺う。[西上教育長]県内の小・中学校においては、一人一台の端末や学校内でのICT環境が整備された。今年度4月からようやく日常的にICTを活用する教育活動ができる環境となった。しかしながら、学年閉鎖また学級閉鎖等を行った学校における学習支援の状況をみると、ご紹介にあったように従来のドリル等の活用となった学校もあれば、オンラインによる朝の会や授業のライブ配信、またオンライン上で双方向のグループ学習を行う学校もあるなど、確かに市町間、学校間でばらつきが出ている。
この課題はハード面の課題もあるようだが、やはり日頃の使用頻度の差が、教員のICT活用の資質向上の差にも表れている。一方で、短期間でもこうしたオンラインでの授業を行ったことが、今後の事態への備えや、また、オンライン活用に対する教員の自信につながったという声も聴いている。
県としては、今回の教訓を幅広く活かせるよう、オンラインを使った好事例を紹介していきたいと思っている。あわせて、臨時休業等が終わり、登校した際には学習の定着状況を確認し、人と人との関わり合いによる学びをとりもどせるよう市町教育委員会に指導していく。
また、コロナ禍による心のケアについては、ご紹介にもあったが県のホームページに掲載しているストレス対処法を紹介した動画を活用することをさらに促すとともに、オンラインとなった場合でも児童生徒の様子を確認するよう引き続き指導していく。 -
7. 高齢ドライバーの交通事故防止対策について
質問と答弁のダイジェストはありません。
一般質問
坪井謙治県議
[質問項目]
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1. 2025年大阪・関西万博に向けた伊丹を始めとする県内への誘客等について
質問と答弁のダイジェスト
[坪井県議]「2025年大阪・関西万博」では、期間中、国内外から2、820万人もの来場者が見込まれている。多くの人に県内に訪れてもらう大きなチャンスである。そして、兵庫県の魅力は神戸の夜景や姫路城、有馬温泉等たくさんあるが、「文化ただよう」伊丹にぜひきていただきたい。かつての繁栄が偲ばれる街並みや黒瓦と白壁の酒蔵を歩き、「白雪ブルワリービレッジ長寿蔵」「伊丹老松酒造直売所」で食事や買い物を楽しんでいただきたい。
日本酒は日本の文化と歴史に結び付いており、和食と合う素晴らしい食文化で、海外から来日されるお客さんにアピールするには最適である。また、国内からのお客さんには清酒発祥の地として、かつて繁栄したことを知っていただく大事な機会である。
齋藤知事は、大阪・関西万博を見据え、観光客等の人の流れを兵庫に呼び込む「フィールドパビリオン」を言われ、そのためしっかりコンテンツを磨きあげていきたいとされている。伊丹は【「伊丹諸白」と「灘の生一本」下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷】として、日本遺産に認定されている。そのストーリー性も十分で、フィールドパビリオンにふさわしいと考えている。現在、「みやのまえ文化の郷」ではリニューアル工事が行われており、この4月にはきれいな姿となる。
「2025年大阪・関西万博」の開催まであと3年となった。いよいよ本格的に準備しなければ間に合わない。そこで「2025年大阪・関西万博」を見据え、伊丹等の県内観光地への誘客や清酒等の特産品のプロモーションにどのように取り組むのか。そのために、伊丹等の県内市町とどのように連携し、その取り組みを支援していくのか。[齋藤知事]宮ノ前地区には、歴史的景観の中に日本酒と和食を楽しめる店が多数在り、フィールドパビリオンにふさわしい場所である。この魅力を発信できるよう、伊丹市と近隣4市では、「伊丹諸白と灘の生一本」をテーマに、旧岡田家住宅、白雪の長寿蔵、白鶴資料館等を結び、清酒と料理を味わう周遊ルートを開発している。こうした地元主体の取り組みを、ひょうご観光本部を通じて支援している。令和4年度中には、全県でこうしたコンテンツが約60件出来上がる予定である。
誘客と特産品のプロモーションは、一体的に行うことが効果的であると考える。例えば、日本酒であれば酒米の王者・山田錦、宮水、丹波杜氏など兵庫の風土と文化が育んだ唯一無二のものであることを伝えることが、誘客につながると考えている。こうした観点から2023年からのデスティネーションキャンペーンでは、「兵庫テロワール旅」をテーマにして、兵庫の風土と人が育んだ産地の味と魅力、ストーリーを全国に向けて発信していきたい。
2025年の大阪・関西万博には、国内外から約2、800万人、議員ご指摘のとおり大きなチャンスなので、こうしたコンテンツにさらに磨きをかけて、万博来場者を県内各地に誘って展開するフィールドパビリオンへと誘客していきたいと考えている。このフィールドパビリオンのあり方については、今後有識者の方の意見を聞きながら、さらに具体化していきたい。 -
2. 犯罪被害者支援を行う民間支援団体の活動の充実について
質問と答弁のダイジェストはありません。
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3. 市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編について
質問と答弁のダイジェスト
[坪井県議]伊丹市においては、市立伊丹病院と近畿中央病院の統合による基幹病院の整備事業が進められており、令和7年度の開設を目指し、来年度よりいよいよ、整備工事に着手するところである。
この統合新病院は、地域がん診療連携拠点、ハイリスク分娩への対応、チーム医療の実践、感染症対応に転用できる施設整備等、診療機能の充実・強化が図られるが、その中で私が特に期待しているのが、年間約1万件と現在の市立伊丹病院の2倍以上となる救急搬送患者の受け入れ体制整備である。
この救急体制について、「市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編に係る基本方針」を見ると、新統合病院は、兵庫県保健医療計画に即して「救命措置を要する重篤な救急疾患に常時対応し、2次救急医療機関の後送先ともなる3次救急医療機能を要する救急センターを整備」し、「将来的には医療スタッフ等の充実により、地域に不足している救命救急センターの設置を検討する」となっており、どのような「救急センター」としての機能を果たすのか非常に関心のあるところだ。
また、兵庫県地域医療構想では、阪神北部の課題として「当圏域は救命救急センターがなく、高度急性期医療の充実を図る必要がある」ことが指摘されており、私は統合新病院が救急センターの機能を高め、高度急性期医療の提供体制が充実することで、今後、地域医療構想の実現に大きく寄与するものではないかと期待している。
伊丹市では「地域で必要な医療を受けることのできる体制づくりを進め、いつまでも健やかに、いきいきと暮らすことのできるまちの実現」を目指しており、統合新病院はその中核としての役割を担うものと考えている。これらの状況をふまえ、以下、2点について伺う。
まず、県として統合新病院は阪神北準圏域において、高度急性期・急性期医療、および救急体制の充実に向け、どのような機能を果たす必要があるのか。また、そのために県としてどのように支援するのかを伺う。[藪本健康福祉部長]平成28年10月策定の兵庫県地域医療構想において、高度急性期医療及び救急医療の充実が課題とされている阪神北準圏域管内の基幹病院については、阪神圏域内の三次救急医療機関等との連携に加えて、それぞれ高度・専門医療の強化に向け、再編統合も視野に入れた今後のあり方を検討している。
このような中で、市立伊丹病院と近畿中央病院は再編統合し、急性期病床の一部を高度期病床へ転換するとともに、ICU4床、HCU・高度治療室16床などを含む重篤な救急患者の受け入れ可能な救急センターを設置して、救急受入体制の拡充等を行うこととする「診療機能・施設整備計画(案)」を令和2年12月に策定した。県としては、統合新病院には今後高齢化の進展に伴い、増加する脳卒中や心不全などの循環器系疾患等へ対応するため、高度急性期及び救急医療体制を強化し、阪神北準圏域における地域医療の基幹病院としての機能が期待されていると考えている。
そのため県では、地域医療構想の実現に向けて、国による技術的、そして財政的支援の対象となる「重点支援区域」の指定に向けて、この両病院の再編統合等を念頭に「阪神区域」を国に申請するとともに、国と連携して圏域の受療同行の分析データ等を提供して、統合新病院の診療機能等の検討を支援している。
また、地域医療構想の推進を図るため、再編統合等を行う医療機関に対する施設整備補助単価を今年度から増額することとしており、この統合新病院についても、拡充した施設整備補助に加え、高度急性期医療提供に必要な設備整備等への補助も行うなど積極的に支援する。 -
4. 伊丹市をモデルとした生活困窮者の就労の場の提供について
質問と答弁のダイジェストはありません。
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5. 伊丹市をモデルとした防災協力農地制度の普及促進について
質問と答弁のダイジェスト
[坪井県議]震災を始めとする大規模災害への対応において、仮設住宅の建設や復旧用資材の仮置き場などの用地確保が大きな課題になっている。この解決策として、災害時の土地利用や食料品供給などの防災協力について、あらかじめ協定や登録などを行っている「防災協力農地制度」がある。平成7年の阪神・淡路大震災を教訓として横浜市で始まり、農水省の調査によれば、令和2年3月末時点で三大都市圏で76自治体が取り組んでいる。しかし、県内市町における防災協力農地制度の導入は進んでいなかった。
そのような中、県内ではじめて私の地元伊丹市が令和2年度より防災協力農地制度を始めた。農家が所有している土地について、「仮設住宅建設用地、復旧資材置き場、復旧活動多目的用地」のいずれかの用途、で登録簿に記載される。登録期間は2年間。その間に災害が発生した場合に、市が所有者の方の承諾を得た上で使用し、土地使用料の支払いと補償を行い、使用が終了した後には原状回復し、返還するというものである。伊丹市担当課の課長は制度の意義について、「災害時の対応策の選択肢をふやすだけでなく、都市農地の多面的な役割りについて市民の理解にもつながる」と言っている。その登録状況をみると、令和2年度から3年度の2年間の合計で約2万㎡と着実に拡大している。
南海トラフ大地震発生の切迫性が高まっているといわれる中、県内市町、特に阪神間等の都市部において防災協力農地制度の導入を進めていく必要がある。その際には伊丹市の取り組みをモデルとして、各市町への働きかけを推進していくことが重要である。
また、防災協力農地の設置は農家の協力に支えられており、新聞によれば仮設住宅などが建設されれば長期的に営農できなくなるという不安から、協力をためらう農家もあり理解をいかに得るかが課題だ。市町による災害対策に関しては、すでに一定の支援措置が講じられているが、防災協力農地制度の普及のためには、土地使用料の支払いと保守、使用終了時の原状回復について、県が市町を支援することも必要である。今後、防災協力農地制度の県か市町への普及をどのように進めていくのか。[寺尾農政環境部長]防災協力農地制度は、都市農業の持つ防災機能の発揮はもとより、都市農地の存在価値の再評価にもつながることから、県としても制度普及に努めてきた。
具体には、都市農地を有する市町に対し、伊丹市の事例など制度理解を深める研修会を開催した他、都市農地での避難訓練、防災講習会の実施、防災用井戸の設置等に取り組む地域団体にも支援を行い、制度導入に向けた地域住民の機運醸成を図ったところである。
一方、制度導入について市町ヒアリングを行った結果、災害時用地の確保は多くの市町が都市公園など公有地の利用を想定しており、補償が必要な農地の利用検討が進んでいないことが明らかとなった。今後は、災害発生時でも学校、公園等の通常機能が維持できる防災協力農地制度について、都市農地を有する市町を対象に実務勉強会等を開催し、粘り強く働きかけを行っていく。なお、土地使用料の支払等への支援のあり方については、市町の意見、国の制度も確認しながら今後研究を進めていく。 -
6. 2025年大阪・関西万博に向けた伊丹空港の国際化について
質問と答弁のダイジェスト
[坪井県議]1月13日に第11回関西3空港懇談会が開催され、齋藤知事もメンバーとして出席された。今回の懇談会では大きな進展はなく「関空ターミナル1の改修工事」などの進捗状況が報告されたほか、以前から検討課題となっていた「関空の発着容量の拡張」や「神戸空港のあり方」の検討を次回懇談会に向けて着実に進める事が確認されただけと理解している。また、私の地元の伊丹空港については、ほとんど議論がされなかったようで残念に思っている。
知事は、大阪・関西万博の来場者を兵庫県へいざなう流れを作りたいと言っておられる。私もこの好機を逃すことなく、インバウンド客の増加を兵庫県の発展、活性化につなげていくことが重要だと思っているが、そのためには新型コロナの終息を見据え、インバウンド客を柔軟に受け入れる関西3空港の体制を今から検討し、見直しておくことが重要だ。
先の3空港懇談会では、神戸空港の国際化を含む空港機能のあり方について検討を深めることが確認されたが、関西3空港が世界と関西をつなぐ玄関口として、平時だけでなく大震災等の予期せぬ大規模災害の発生時においても安定的に機能できるように、伊丹空港への国際線就航の規制緩和を前向きに検討する時期がきている。
地元の伊丹市でも、伊丹空港は安全面において大きな事故がないこと、環境面においても使用される大多数が低騒音機材に更新されていること、また、ターミナルビルが全面改装され地域住民にとっても魅力ある空港に生まれ変わったことを評価している。そのため運用面において利用者利便の向上のために、安全面と環境面に直接影響を与えない国際チャーター便などの就航に関する規制緩和を求めているところだ。このような現状を踏まえて、2025年大阪・関西万博に向けて、伊丹空港の国際線就航に向けてどのように取り組んでいくのか。[服部県土整備部長]伊丹空港は、兵庫県、大阪府にまたがる市街地に立地する極めて利便性の高い都市型空港であり、関西のビジネス、観光における航空需要の主要な受け皿となっている。
一方で、航空騒音訴訟の原告団との郊外調停等を踏まえ、当時の運輸省と地元市との間で平成2年に「存続協定」が結ばれ、発着回数や運用時間等には制限が設けられている。周辺の騒音値は最新のモニタリング結果でも、一部地域で環境基準値を満たしていない。また、到着が21時を超える遅延便も航空会社等の努力により大きく減少しているものの解消には至らず、未だ課題は残された状態となっている。
まずは航空会社と関西エアポートの連携による低騒音機のさらなる導入や遅延便対策の促進など、実効性を高める取り組みが重要である。懇談会での議論の進展もこれらの課題解決が前提であり、その先に地元の理解と合意のもとで国際化を含めた新たな展開が見えてくる。
ご指摘のとおり、大阪・関西万博など国際イベントが控えている中、不測の事態に備えた国際線のバックアップ機能は重要である。このため、災害時における国際線の受入が可能となるよう「近畿圏で国際線が就航する空港は関空に限定する」とした平成20年の国の基本方針に、災害時の特例を盛り込む等の見直しを、引き続き国に強く要望していく。また、国際イベント開催時の臨時的な対応として、オウンユースのみならず、全てのチャーター便を運航可能とするよう、伊丹市とともに国へ粘り強く働きかけていく。 -
7. 県営住宅における入居要件の見直しや福祉的対応の充実について
質問と答弁のダイジェストはありません。
一般質問
松田一成県議
[質問項目]
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1. 大阪・関西万博に向けた「ひょうごフィールドパビリオン」の展開について
質問と答弁のダイジェスト
[松田県議]2025年開催予定の大阪・関西万博は、国内外から約2、800万人が訪れるとされており、兵庫に人、モノ、投資を呼び込むための起爆剤になると大きな期待が寄せられている。
振り返れば平成4年、大阪湾臨海地域開発整備法、いわゆる「ベイ法」が制定された。この法律は関西国際空港の開港目前の時期に制定されたもので、大阪湾を中心とするベイエリア全体の活性化や東京一極集中の是正、関西全体の経済、文化の発展に大きく寄与してきた。
それから、30年の時を経て大阪・関西万博の開催を契機として、大阪湾ベイエリアや兵庫の臨海部の活性化に取り組む機運が再び、訪れたものと考えている。これから、新たな大阪湾ベイエリアのグランドデザインの策定に向けて、兵庫県域のベイエリアの活性化方針を策定するようだが、あわせて地域の魅力を県内外に発信し、産官学連携による検討会を設置し、事業展開の方向性を打ち出すことも大事である。
万博に訪れた人にベイエリアだけでなく県内各地の観光地や滞在・体験型の施設に来てもらうには、ひょうごフィールドパビリオンの展開において、市町や民間企業とも連携し、ノウハウや知恵を出し合い、ひょうご五国をパッケージ化し、情報発信の方法を工夫するなどで、人の流れを兵庫に呼び込む体制を計画しておく必要がある。
兵庫県には、国内外から評価の高い、トップブランドである神戸ビーフや灘五郷の日本酒、神戸スイーツなど日本を代表する食材もあり、有馬をはじめ温泉も豊富だ。さらに、神戸のベイエリアには神戸医療産業都市やスーパーコンピュータ「富岳」、HAT神戸には阪神・淡路大震災を伝える施設、兵庫の歴史文化を伝える数多くの施設がある。
関西各府県も万博来場者の取り組みに向け、一層競争が激化するものと思われる。「ひょうごフィールドパビリオン」の展開といっても漠然としていて県民には分かりにくいと思う。そこで、民間を中心とした実行委員会を立ち上げるなど、スケジュール感を持って進める必要があると考えるが所見を伺う。[齋藤知事]ひょうごフィールドパビリオンは県土全体をパビリオンに見立てて、地場産業、農林水産業などSDGsを体現する地域の活動の現場に、国内外から多くの方々を誘う取り組みというものも考えている。今後、事業の枠組みを早期に固め、来年度前半には地域で活躍しコンテンツを発信している様々なプレーヤーの方々の募集を開始したいと考えている。さらに、そのプレーヤーを主体とする実行委員会の組織も設置したいと考えている。
実行委員会では、交通・観光事業者、メディア関係者、市や町等との連携体制を構築するとともに、具体的なアクションプランも策定し、ツアーの造成、受入体制の整備、情報発信などに取り組んでいく。ツアーの造成では、阪神・淡路大震災からの創造的復興の取り組み。これは万博の年が阪神・淡路大震災から30年の年になるので、そういった取組も発信していきたい。また、議員ご指摘の神戸ビーフや日本酒など、さまざまな地場産業、特にSDGsに繋がるような取組をやっておられる地場産業・農林水産業の現場、それから伝統工芸、さらには健康と食など、兵庫五国にまたがる兵庫ならではの体験をパッケージ化したいと考えている。
今年の夏から、デスティネーションキャンペーン、JR西日本と連携してやっていくが、まさにそこがこれからの兵庫の観光、そして交流人口拡大のチャンスなので、この3年間を万博につなげていくことが大事だと思っている。そういった中でも、こういったフィールドパビリオン的な取り組みもしっかりプレ実施として取り組んでいきたい。
フィールドパビリオンの成功には、やはり行政だけではなく、地域の団体、事業者などの民間・地域の皆様からの創発的な創意工夫やコンテンツの発信、そして周遊の促進の仕組みをつくっていただき、それを活かしていくということが不可欠だ。官民一体となった体制を早期に設置して、3年後に迎える本番に向けて着実に準備を進めていく。[松田県議(再質問)]先々週新神戸にある神戸ビーフ館に行き、昼の定食を食べたが、70gで非常に高かった。世界が認める神戸ビーフをどのようにして万博の来場者に知ってもらうか。関西広域連合と連携して兵庫棟をつくるということも聞いているが、そこで神戸牛を焼くわけにもいかないので、食としての神戸ビーフの見せ方、PRの仕方を一段も二段も(工夫して)やっていかないと、せっかくの世界ブランドなのでこういう考え方(も必要だと思う)。
それと、世界一のスーパーコンピュータ、これは世界一なので余所にはないわけだから、富岳ならではの発信の仕方もあると思う。わかりやすくシミュレーションするとか、そこには今回のテーマである命というものもあるので、環境分野とか健康分野とかのテーマをしっかり持って、目玉を持ってやらないと、まず大阪から来てもらう目玉が何かということがしっかりしないといけない。今までも兵庫県は海外からの方を大阪や京都にとられてしまって、なかなか兵庫に来てもらえなかった。それだけの経済効果もあるので、ここはしっかりとやっていただきたい。[齋藤知事]関西広域連合と連携しながら兵庫棟をつくるというかたちになる。ポイントは、そこを導線にして兵庫県に来ていただくという流れをつくっていくことが大事で、そのためには議員ご指摘の行ってみたいと思ってもらえるような目玉と魅力をつくっていくことが大事である。
そういった意味で一つの大事な視点で「食」というものは人類共通の一つの楽しみでもあるし、その魅力を発信するというテーマなので、食というものが全国・関西でも屈指の産出県が兵庫であるので、農林水産業や神戸ビーフ、日本酒も含めて発信できるようにしていきたい。
それから医療、ライフサイエンス、健康で長く生きるということが、人生100年時代と言われる中で、これも一つのテーマになる。スーパーコンピュータ富岳が様々な分野で発信してきていて、今回のコロナでもそうだが環境分野でも、例えば今年は豊かな海づくり大会があるが、栄養塩の取り組みをコンピュータで分析して、どういう課題が解決したかシミュレーションしてもらうとか、いろいろな発信の仕方がある。 そういったものも組み合わせながら、じゃあ兵庫に行ってみようといろんな人に思ってもらえるような仕掛けをつくっていきたい。 -
2. 県と市町との関係について
質問と答弁のダイジェストはありません。
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3. 新型コロナウイルスへの対策について
質問と答弁のダイジェスト
[松田県議]今後、感染拡大を防ぐには3回目のワクチン接種、飲み薬、無症状者の検査の3つがカギとなる。原則8カ月とされていた2回目からの接種間隔も順次6カ月に短縮され、県が西宮、姫路市に設置した大規模接種会場では2月5日から接種規模を一日3、500人に拡大した。
しかし、供給されるワクチンは2回目と比べ、モデルナ製の比率が高く接種を迅速に進めるための交互接種の理解が進んでおらず、総人口に対する全国の接種率においても、3回目のワクチン接種率は現時点で20%に届いていない。また、国からの法定受託事務として5歳から11歳の接種が市町に対し求められており、3月からは県内の市町でも順次接種が行われる。
小児接種においては、重症化リスクが低いことやワクチンの副反応について、科学的裏付けに基づいた情報発信等を行うなど、学校や保護者に対し不安解消に向けた説明が求められる。飲み薬は自宅・宿泊療養で服用でき、感染初期の患者の重症化リスクを下げ、医療提供体制への負荷を減らすことができる。しかし、発熱外来などの医療機関が逼迫しているため、受診できず薬が処方されない状況も生じており、多くの医療機関が処方できるよう、早急に体制を整えるとともに供給体制を確保する必要がある。
もう一つは、無症状者への検査。無症状であっても感染への不安はある。健康上の理由でワクチンを打てない人や高齢者等のショートステイ入所時、受験等で陰性証明を求められるケースも見られ、質の高い、容易、無料で受けられる体制を整備するため、地方創生臨時交付金の検査推進枠が設けられ、感染拡大時には知事の判断で無症状者の検査ができる。検査の需要が増える状況の中、県の対応はどこまで進んでいるのか、ワクチン接種、飲み薬、検査体制の現状についての認識を伺う。[藪本健康福祉部長]ワクチン接種の推進のため、国の方針が変わる中、各市町では接種券発送の前倒しや接種会場の拡大を図っており、県においても大規模接種会場での接種規模の拡充や接種券なしの接種を実施している。また、神戸大学の教授による交互接種の安全性や副反応などの解説動画を作成し、大型ビジョンやホームページ等で啓発することにより、県民の皆様のモデルナ社ワクチンへの不安解消に努めている。小児への接種については、明日から神戸市で接種が始まるなど、市町が開始に向け準備を進めている。県としても保護者の方が適切な判断ができるよう必要な情報を提供していきたい。
経口薬については、現時点で供給量が限られており、国が買い上げ、登録された医療機関や薬局に配分されている。県では12月24日に「ラゲブリオ」が特例承認されて以来、関係団体と連携して医療機関や薬局の登録、重症化リスクのある方への投与を積極的に進めてきた。2月19日現在で2、011カ所の医療機関、薬局の登録が完了しているが、引き続き登録を呼びかけるとともに、新たに2月10日に特例承認された「パキロピッドパック」についても救急体制の充実に努めていく。
知事の要請に基づく感染不安を感じる無症状者の無料検査については、薬剤師会や大手薬局の協力をいただき、現時点で目標を上回る360カ所の検査場所を確保した。検査キットの供給に若干の課題はあるが当面の間、検査を計測し県民の不安解消に努める。[松田県議コメント]医療・介護の現場の皆さんには大変ご尽力をおかけしており、本当に感謝をお伝えしたい。人間が存在している以上、感染症との戦いは続くと思っている。そういう意味では前からも我々が申し上げている専門家など本当によく知っている方を中心とする感染症対策センターに基づいて知事が発信するというような流れをお願いしたい。 -
4. 大阪湾岸道路西伸部の情報発信による事業促進について
質問と答弁のダイジェストはありません。
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5. 空き家活用特区条例について
質問と答弁のダイジェスト
[松田県議]県内の住戸数はおよそ268万戸、空家数も約36万戸と年々増加している。そのうち利活用できるにも関わらず流通していない空家は約11万戸あり、今後、人口減少、少子高齢化を背景にますます管理不全に陥る可能性が指摘されている。建築物や空家の維持管理に関しては、建築基準法や空家等対策の推進に関する特別措置法において、所有者が適切に行うよう努める旨の規定があるが、依然として管理が不十分な空家があり、地域の活力、住居環境及び地域経済に悪影響を及ぼしている。
これまで、私は本会議で繰り返し質問し、空家の届け出制度条例化の必要性等を訴えてきた。県の空家対策としては平成25年の「さとの空き家活用支援事業」に始まり、「老朽危険空き家除去支援事業」や「インスペクション普及支援事業」といった補助事業や「空家発生予防の手引」を活用した県民の意識啓発に取り組んでいたが、このたびやっと空家の活用を促進する特区制度が創設され、規制緩和や流通促進、活用支援等を行う全国初の条例が提案された。
この条例は、空家の活用を促進する必要のある区域を市町が申し出て、県が特区として指定すれば、市街化調整区域では空家の除去跡地での住宅等の新築を可能とするほか、空家のカフェ、ホテル等への用途変更も可能としており、市街化区域の密集市街地において、狭あい道路に面する空家の建て替えや用途変更を可能とする規制緩和等を盛り込んでいる。
また、特区内の空家所有者に対し、建物情報や管理状況、活用計画等について市町への届け出を義務付け、所有者の同意を得たものについては、市町と連携する宅地建物取引業団体やNPO法人等が市町から提供を受けた届出情報をもとに、所有者に対し、空家バンクへの登録等、空家の流通や活用の働きかけを行うことも規定されている。
さらに、神戸市や中核市も含む、特区を対象とした補助事業も新たに創設し、市町に対する財政支援を行うことで、空家の活用がより一層促進されることが期待されている。
今後2025年には、団塊の世代が75歳の高齢者となり全国の認知症の方はおよそ700万人、空家も1千万戸を超えるという推計もある。それに伴い、空家の管理や所有者の特定がますます困難になる。地域社会に悪影響を与え、活力を阻害している空家の管理不全を未然に防止し、活力を促進していくため、今後、この条例をどのように発信し実効性のあるものとするのか、所見を伺う。[佐藤まちづくり部長]この度、届け出制度に加えて、人・モノ・投資を呼び込むための規制緩和も盛り込み、昨年11月に設置した土地利用推進検討会での議論を経て作成した空家活用特区条例案を本定例会に提案している。
本条例は作成段階から、市町アンケートや説明会を通じて、市町の意見を聴きながら丁寧に検討を重ねてきたものであり、現在10以上の市町で、特区指定に向けた検討を進めていると聞いている。今後さらに、特区指定の拡大に向けて市町への働きかけや地域に出向いた説明会を積極的に開催していく。
また、すでに新聞報道されており、県のホームページ等でも条例の制度やメリットを広くわかりやすく発信するとともに、広報誌や専門誌、学会誌への掲載や不動産等の業界団体を通じた周知も図っていく。あわせて、本条例の実効性を高めるため、特区内における空家バンクへの登録支援や空家改修の補助の割り増し等の財政支援も講じていく。