議会質問(代表・一般)
Parliamentary questions
第346回(2019年12月)定例県議会
代表質問
越田浩矢県議
[質問項目]
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1. 令和2年度の予算編成の方針について
質問と答弁のダイジェスト
[越田県議]来年度予算編成の基本方針としては、行財政運営の基本方針に基づき、選択と集中を徹底し、防災・減災対策の総合的な推進による安心安全の確保、「兵庫2030年の展望」及び「21世紀兵庫長期ビジョン」を踏まえた、すこやか兵庫の実現に向けた施策の推進、県民の参画と協働による県政の推進を掲げています。
本県においても人口減少に伴う課題が顕在化し始めつつあり、この4年間地域創生戦略の推進に取り組んできたにも関わらず、若者世代を中心とした人口の転出超過に歯止めをかけられず、出生率の向上も伸び悩み、交流人口増の柱でもある外国人観光客数も大阪府や京都府に大きく水を開けられるなど課題が山積している。来年度予算編成にあたっては、これまでの延長線上ではない、思い切った斬新な発想や取組により、転換点となるような事業展開が求められる。
毎年のように「選択と集中」という言葉で方針が語られるが、「選択と集中」とは、中核となるコア事業の見極めと選択を行い、組織内の経営資源を集中的に投下することによって経営の効率化や業績向上を目指す経営戦略のことである。兵庫県は五国の多様性があり、その多様性を大事にすることに重きを置き、全方位的な事業を展開してきた側面があると思うが、資源の集中投下による最大の事業効果を発揮する発想で地域創生に取り組む「選択と集中」の言葉通りの取組が求められている。
一般事業枠の経常的経費および政策的経費を本年度予算充当一般財源の6%を削減し、削減額の2分の1相当額を、新規事業財源として活用し、実質的には3%削減する方針を示しているが、このような枠組みで出てくる新規事業がどれほどの効果を発揮できるのか少し疑問に思うところだ。
そこで、地域創生戦略に取り組んできたこの4年間の課題や成果を踏まえ「すこやか兵庫の実現」への道筋を具体的にどう見据え、来年度の予算編成を行っていこうとするのか。[井戸知事]令和2年度の予算編成にあたっても、地域創生の課題への対応をはじめ
①防災・減災対策など安全安心な兵庫の構築
②産業競争力の強化など地域の元気づくり
③交流基盤の整備など交流・環流の促進
④そして2030年の展望のリーディングプロジェクトなどを積極的に推進するため、必要な財源確保を図っていく。
一方、令和2年度の財政環境は、地方一般財源総額は平成30年度水準とされ、社会保障関係費の自然増、震災関連県債の償還等を考慮すると引き続き厳しい状況が見込まれる。県税収入についても、法人関係税をはじめ米中貿易摩擦の長期化など景気の下振れリスクが懸念され、その動向を注視する必要がある。
県行財政運営方針に基づき、これまでの事業効果を検証し各会派からの申し入れも十分参酌しながら、選択と集中の徹底による取組の重点化を図り、新たな時代潮流に対応して五国それぞれが持つ多彩な魅力を生かす、すこやか兵庫の実現に向けた施策を展開する予算を編成していく。 -
2. 地域における出産体制確保対策について
質問と答弁のダイジェスト
[越田県議]産科医の減少については、民間病院では少子化に伴う分娩数の減少といった経営上の問題もあるが、1999年の医療事故の刑事事件化や、2004年の福島県立大野病院産科医逮捕事件(無罪判決)をきっかけに激減してきた状況がある。
県内でみると、丹波篠山市では出産の3割を占める「兵庫医科大学ささやま医療センター」が今年度末で分娩を休止する意向を示しており、市内で出産できる施設は1箇所のみになる見込みである。また、尼崎市では来年中に市内の分娩の3分の1を担ってきた3つの医療機関が分娩を休止するほか、北播磨では市立加西病院のほか、北播磨地域で最も年間分娩数が多い産科医療機関が来春までに分娩を休止すると聞いている。
県内の分娩できる病院・診療所は、2008年に116施設だったものが2017年には96施設まで減少しており、その後も歯止めがかからない状況が続いており、住んでいる地域で子どもを産むことができない状況の広がりが深刻化している。このままでは、出産できない地域には若い世代は住まなくなることも懸念される。
9月県会でのあしだ議員の質問に対して、知事からは「分娩手当の一部支援による産科医の処遇改善や産婦人科医等を目指す県養成医師に対する特定診療科育成コースの新設」といった取組とともに「より実効的な医師偏在解消対策を進める医師確保計画の策定」について答弁があった。県では医師養成が進められており、中長期的にはその取組によって医師偏在が解消することに期待するところだが、先程述べた地域の状況を考えると更なる対策を検討すべきである。
産科医の減少は全国的な課題で、即効性のある取り組みは難しいということは理解するが、だれもが安心して住んでいる地域で出産できるよう、産科医や助産師の確保、質的向上のために県としてどのように取り組んでいくのか。[井戸知事]今後は、産科医の負担軽減や確保に加え、近隣市町が連携して妊婦検診や分娩を行う体制の構築がさらに必要になると考えている。そのため、県養成医師の「特定診療科育成コース」における産科医の育成、分娩手当への支援や神戸大学の地域医療活性化センター等と連携した研修による産科医や助産師等の資質向上、院内助産の設置促進等の取組を引き続き推進する。
さらに、今年度末には「医師確保計画」を策定し、新たに産科を目指す専攻医を確保する取り組みや正常分娩からハイリスク分娩に対応できる実践力の高い助産師の育成を目指す研修を行うほか、周産期母子医療センターと一般の産科医療機関との間でのより迅速な患者搬送についても検討を進めていく。 -
3. ひょうご・スマイル条例制定後の取組成果と今後の展開について
質問と答弁のダイジェスト
[越田県議]昨年4月から施行された「障害者等による情報の取得及び利用並びに意思疎通の手段の確保に関する条例(ひょうご・スマイル条例)」ができて1年半となる。この条例が制定されたことで、兵庫県が推し進める「誰もが、安心して暮らし、自己決定による能動的な社会参加を目指す、ユニバーサル社会づくり」に大きく寄与することが期待されている。
聴覚障害者団体からは手話言語条例制定を切望する声を引き続き頂いているが、当該条例制定にあっては、これらの趣旨を踏まえながら多くの障害者団体からご意見をいただきまとめ上げたところである。これまでから、視覚に障害がある方については展示図書館において展示図書や録音図書による情報提供、聴覚に障害がある方については手話の普及促進により情報取得等への支援の強化が図られてきた。
当該条例の着実な推進を図るうえで、視覚障害者や聴覚障害者の情報取得等への支援が重要なことはもちろんだが、とりわけ「目(視覚)」と「耳(聴覚)」の両方に障害があり「自分で情報を得ること」が相当困難な盲ろう者の情報取得等への支援強化は大きな課題ではないかと思う。また、盲ろう者は「1人で外出すること」も困難である。このため情報取得等への支援に加え、盲ろう者が社会参加していくうえにおいては「生活訓練」「総合相談」「盲ろう者向け通訳・介助員派遣、養成」などの福祉サービスの充実も重要となるが、県のこれらの事業への予算はまだまだ不十分ではないか。ひょうご・スマイル条例の趣旨に沿って更なる取り組みを推進し、全国の盲ろう者福祉を兵庫県がリードすべきではないか。
そこで、ひょうご・スマイル条例の制定から1年半がたった今、条例制定により、どのような取り組みを行い、どのような成果が出てきたのか、また、それらを踏まえた今後の展開について所見を伺う。[金澤副知事]条例施行後、初めて編成した今年度予算では情報取得の強化に積極的に取り組み、視覚障害者へは展示図書館でのオーディオブック充実強化等、聴覚障害者へは未就学の聴覚障害児が早期に手話を取得するための講座開設などの拡充を行った。
盲ろう者への情報取得支援はより難しく、支援者の養成が重要である。県では全国に4カ所しかない盲ろう者支援センターを運営するNPO法人兵庫盲ろう者友の会へ事業委託し、通訳・解除員養成研修において、盲ろう者との意思疎通手段である触手話や指点字の習得を強化するほか、生活訓練の場において盲ろう者とともに調理や入浴などの訓練を通じて実生活におけるコミュニケーション力の向上を図っている。
また、盲ろう者が社会参加をしていくためのきっかけづくりや県民の理解促進が重要なため、交流イベントや学校出前講座への支援を行うなど年々予算を増額して施策の充実強化にも取り組んでいる。これらの取組の結果、同センターへの相談件数や登録盲ろう者数・支援者数も増加し、社会参加や県民理解も進みつつある。 -
4. 再生可能エネルギーの企業の導入支援について
質問と答弁のダイジェスト
[越田県議]兵庫県では、2017年3月に策定した「兵庫県地球温暖化対策推進計画」により、温室効果ガス削減目標を2030年度に2013年度比26.5%削減とし、県内企業に排出抑制計画を策定してもらうなど温暖化対策の取組を行っている。そうした中で、今「RE100」という国際イニシアチブが注目されている。「RE100」とは、遅くとも2050年までに事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟するイニシアチブ。2014年に発足した「RE100」には、2019年12月4日時点で、世界全体で216社が加盟。食品世界大手スイスのネスレ、家具世界大手スウェーデンのイケア、アパレル世界大手米NIKIなど、日本でもよく知られている企業が数多く含まれている。日本からもソニーやパナソニック、富士通、イオン、積水ハウスなど29社が参加し、今後も増加が見込まれる。この「RE100」に取り組む企業のメリットとしては、企業が再エネ調達の必要性を発信することにより、再エネ市場規模を拡大し、結果として安価で安定した再エネ供給が受けられるコスト削減効果や環境、社会、起業と内に配慮している企業を重視・選別して行う投資、いわゆるESG投資の呼び込みに役立つこと。さらには「RE100」に参加している世界中の企業と情報交換できることや世界的な対外アピールができることなどがあるとされている。
更に今年日本で発足した新たな枠組みの「再エネ100宣言 RE Action」は「RE100」の趣旨に賛同しながらも参加基準に満たない年間電力消費量10ギガワットアワー未満の企業や自治体、医療機関、教育機関などを対象に参加を募る取組みだ。参加団体や企業は、RE100と同様に「リーズナブルな再エネ」が必要であると、社会に対するシグナルを出すことにより需要を顕在化させ、再エネへの投資や再エネ推進政策を後押しし、再エネを希望する全ての電力需要家がリーズナブルに再エネを調達していける環境構築を目指している。
こういった再エネ導入に取組む県内事業者を増やしていくことは、地球温暖化対策を進めるだけではなく、県内企業の中長期的な競争力確保にも寄与する取組みとなることから、県として積極的に「RE Action」の啓発や導入支援を積極的に行っていくべきではないか。県内企業の再生可能エネルギー導入促進に向けた取組について所見を伺う。[井戸知事]本県では企業に対して、県条例に基づくCO2排出抑制計画制度で再エネ発電設備の導入を指導・助言している。木質バイオマス発電を設置した赤穂市内の企業では、約19%の削減効果があった。また、各種セミナーや中小事業者への設備設置至近の融資を通じて再エネの導入を後押ししている。
さらに、地域に賦存する再エネ資源を活用した地域発電を進めてきており、県の無利子貸付で再エネ発電設備を設置した地域発電事業者から、再エネ電力を調達、県内で販売している地域新電力も現れてきた。このような動きをさらに発展させるため、県では「RE Action」を契機に再エネ比率を高めようとする企業と地域発で事業者、地域新電力をつなぐ仕組みづくりも検討している。環境と経済の観点から、「RE Action」の窓口であるIGES((公財)地球環境戦略研究機関)や企業団体とも連携し、発電から消費まで県内での再エネの地産地消とあわせて県内企業の再エネ導入を支援していく。
一般質問
岸本かずなお県議
[質問項目]
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1. 在宅で生活する医療的ケアが必要な障がい者への支援について
質問と答弁のダイジェスト
[岸本県議]県では、平成30年度より、医療機関を活用した「医療的ケア児等医療提供体制確保事業」を実施し、医療的ケアを必要とする障がい児者の受入施設の拡大を図っているが、地元の障がい者の保護者からは「週末等の利用したいときにベッドが空いていない」などといった意見を聞いている。こうしたショートステイ(短期入所)の課題だけでなく、親等の保護者自身の高齢化も進む中、親自身が介護を受ける状況になったときや、親亡き後、我が子はどうして生きていけばいいのか、という切実で深刻な問題も抱えている。
後者については、9月定例会において我が会派のしの木議員からも「障がい者に対する親亡き後の取組」について質問があり、知事から「医療的ケアが必要な重度の障がい者でも安心して生活できるよう、県独自の施策として、『医療シエナ型グループホーム』の助成事業を創設した」という趣旨の答弁を頂いた。
医療的ケアが必要な障がい者にとって、このような手厚い支援が確保された「住まいの場」が提供されることに大きな期待を寄せているところだが、「医療支援型グループホーム」は、いつ頃、どこにできて、そこではどのような人に対してどのようなサービスが提供される予定であるのか、また、医療的ケアが必要な障がい児者へのショートステイ(短期入所)の更なる充実について、どう考えているのか。このような在宅で生活する医療的ケアが必要な障がい者への支援について所見を。[入江福祉部長]障がい者の重度高齢者や親亡き後を見据え、本県独自施策として新たに展開した「医療支援型グループホーム」については、県立加古川医療センターの隣接地に令和2年度秋に開設を定員20床で予定している。このグループホームでは、人工呼吸器等の使用やたんの吸引、経管栄養など医療的ケアが必要な障がい者に看護師が24時間体制で対応するほか、併設する生活介護サービスや短期入所施設5床において、在宅の重度障がい者への支援を行うこととしている。こうした手厚い支援が可能なグループホームが今後、県下各圏域で整備されるよう引き続き支援していく。
また、医療的ケア児者の在宅介護を行う保護者の介護負担を軽減する短期入所事業者については、現在、専用病床型が8施設で利用定員49人、空床利用型の医療機関が5機関、介護老人保健施設が8施設のみとなっている。稼働率についても専門人材の確保や採算性の低さ等から低調な施設が多くなっている。
このため、県では昨年度から播磨地域と神戸地域の医療機関の空床を毎日各1床確保する県独自の取組を開始し、病院間で差があるものの、利用率6割を超える病院もあるなど一定の成果があったと認識している。しかしながら、小児科に対象者が限られているほか、週末や夏休みなど利用希望時期が重なり、ニーズに十分対応しきれていない面もあることから 内科等成人の診療科への拡充、週末等需要超過期の受入枠拡大、併設型施設の空床の活用策など、さらに使いやすい制度の検討を進めていく。
在宅重度障がい者への支援は、高齢化が進む中、今後ますます切実さが増すと認識しているところで、来年度改訂予定の「ひょうご障害者福祉計画」において、最重点項目として検討するなど重度障がい者の方も安心して暮らせるユニバーサル社会の実現に向けた取組を進めていきたい。 内科等成人の診療科への拡充、週末等需要超過期の受入枠拡大、併設型施設の空床の活用策など、さらに使いやすい制度の検討を進めていく。 -
2. 「障害児者リハビリテーションセンター」で展開される「兵庫モデル」の推進について
質問と答弁のダイジェスト
[岸本県議]我が会派が切望してきた「障害児者リハビリテーションセンター」が、来年2月に開設される。設置場所も交通の便が良い阪神尼崎駅の近隣ということで、地元だけでなく、全県域の障がい者の方から「うちの子は対象になるのか」「受診するにはどうしたらいいのか」など、開設を待ちきれない多くの期待の声を聞いている。
また、障がい児者のリハビリテーションは、日常の生活リハビリも重要との「県東部における障害児者リハビリテーションセンター医療のあり方検討会」の提言を踏まえ、地域の訪問看護ステーションを活用した訪問リハビリを取り入れた「兵庫モデル」が実践されると聞いており、障がい者目線の新しい取組として、これへの期待も大変大きいと思う。
こうした期待が大きい分、障がい者の訪問リハビリを行える訪問看護ステーションが県下にどれくらいあるのか、今後どのように対応していくのか気にかかるところである。また、先日、障がい者の方々との意見交換会の中で、重度の肢体障がいのお子さんを持つ保護者の方から「兵庫県では、訪問看護ステーションが実施する訪問リハビリは原則3割負担となるため『兵庫モデル』で推奨する訪問リハビリを受けるには、1回あたり3000円程度の自己負担が生じることになり、経済的なことを考えると利用したくても利用できない」という不安の声を伺った。
私が調べたところ、訪問看護ステーションの訪問リハビリも医療機関で受けるリハビリ同様、補助制度を持つ府県が多く、「兵庫モデル」といいながら、例えば近隣府県にお住いの障がい者の方が、同センターを受診し、地元の訪問看護ステーションを利用した場合の方が、兵庫県民の方より「兵庫モデル」の恩恵を受けやすいという矛盾も生じます。
こうした課題を解消し、県内の障がい者の方が真に利用しやすいセンターの開設と、「兵庫モデル」の推進を目指すべきであると考えるが所見を伺う。[井戸知事]この「兵庫モデル」の推進には、地域の訪問看護ステーションの参画が必要不可欠。昨年度、阪神地域の訪問看護ステーション199事業所に対して、アンケート調査を実施したところ、脳性麻痺患者等への訪問リハビリ実施事業所数は1~2割に止まっていた。現在未実施の事業者でも、6割以上が人材養成等の要件が整えば今後対応したいとの回答があった。このため、今年度より理学療法士会に委託し、脳性まひ患者等の基本的知識やリハビリ手法を学ぶ研修会を県内訪問看護ステーションのPT、OT、ST等を対象に実施している。2回80人ほどの受講予定があった。「兵庫モデル」への参画事業所の増加をこのように図っていく。
ご指摘の利用者負担については、肢体不自由による身体障がい者手帳1級かつ療育手帳A判定をお持ちの方が訪問看護ステーションを利用した場合の自己負担は、1割となるがこれは個別の助成制度を受けて適用しているからではあるが、その他の方については、センターでリハビリを受けた場合と訪問看護ステーション等による訪問リハビリを受けた場合とで自己負担額が大きく異なる。
これは、訪問看護ステーション等による訪問リハビリは福祉医療の対象外となっているからであるが、遠方にお住まいの方や定期的な通院が困難な方の経済的負担がより大きくなり、リハビリ継続が困難になるとともに、兵庫もっるの推進にも使用を来すと考えられる。本県が目指す県内の脳性まひ等肢体不自由のある方が子どもから大人まで一貫したリハビリを身近な地域で計測的に受ける態勢の構築に向け、自己負担の在り方について検討していく。 内科等成人の診療科への拡充、週末等需要超過期の受入枠拡大、併設型施設の空床の活用策など、さらに使いやすい制度の検討を進めていく。 -
3. 但馬牛の生産基盤の強化について
質問と答弁のダイジェスト
[岸本県議]以前より私はあらゆる場面を通じて、繁殖雌牛の増頭対策や肥育農家の支援などを訴えていますが、新温泉町でアパート方式の牛舎がスタートしたとはいえ、まだまだ目標頭数に達していないのが現状だ。
新規参入したいという意欲ある人も少なからずおられるが、補助金の制約等でイニシャルコストなどが確保できず、参入できないケースも見受けられる。そのような相談には親身になって聞いていただきたいと思う。
先日、20年近く中国への日本産牛肉の輸出が禁止されていることをめぐり、日中両政府は輸出の再開に必要な安全性に関する協定に署名し、早ければ来年にも輸出が再開される見通しであると報道された。今後、世界での和牛需要は間違いなく増えてくる。
そのような状況の中、県内では今年度に入り、姫路市にある「和牛マスター食肉センター」が、米国をはじめ香港、EU等への牛肉の輸出認定施設となり、さらなる神戸ビーフの輸出拡大が期待される。
こうした課題をまた、私の地元にある、加古川食肉センターではマカオ・タイ・ベトナムに輸出していますが、現施設では欧米等の輸出基準を満たせないため、輸出できないのが現状だ。解消し、県内の障がい者の方が真に利用しやすいセンターの開設と、「兵庫モデル」の推進を目指すべきであると考えるが所見を伺う。
食肉事業者からは、神戸ビーフの輸出拡大のための衛生対策の向上、さらには働きながら食肉技術が学べる食肉学校機能を備えたセンターへの再整備を望む声を聞いている。食肉事業者は、今後ますます拡大が見込まれる神戸ビーフ需要に応えるための準備を行っているが、但馬牛の生産基盤が強化され、神戸ビーフの供給量が増えないことにはその需要に応えることができない。
そこで、国内外での神戸ビーフの需要に応えるための、今後の但馬牛の生産基盤の強化対策を伺う。[井戸知事]まず、繁殖雌牛の導入やアパート方式を含めた牛舎の整備を進めている。続いて、子牛の生産期間を短縮する妊娠牛の導入を行っている。3つに、肥育素牛の増産を図る乳用牛等への受精卵移植などを支援してきた。その結果、平成30年度末の繁殖雌牛は13,482頭と前年から324頭増え、ここ3年連続で増加してきているが、さらなる取組が必要である。
今年度から、企業参入や畜産農家の規模拡大をきめ細やかに支援する総合窓口として「畜産参入支援センター」を畜産課内に設置し、市町などと連携して施設用地の紹介や初期投資の軽減を図る助成の相談を実施している。
このような中、日米貿易協定によるアメリカへの輸出の低関税枠の拡大、200トンから最大65,000トンまでの拡大や約20年ぶりとなる中国への日本産牛肉の輸出解禁の動きは、今後の神戸ビーフの需要拡大に大きな追い風となる。
これを受け、先週閣議決定された和牛の増頭支援を行う国の経済対策を積極的に活用し、但馬牛の増頭を図り神戸ビーフの安定供給にさらに取り組んでいく。あわせて、安定供給に食肉センターは不可欠である。加古川食肉センターを含め、その役割や機能のあり方について市町や食肉事業者などとさらに検討を進めていく。 -
4. 東播磨港の機能強化について
質問と答弁のダイジェスト
[岸本県議]加古川市に工場立地の問い合わせは多くあるものの、適地はないといっている。最近の企業立地では、新しい工場を建設した上で古い工場を取り壊し、土地を売却することが多いため、新たな工場を立地したり工場を拡張するための用地がなければ東播磨地域の工場・企業の空洞化が進んでいくのではないかと憂慮している。
さらに企業にとって国際競争力を強化するためには、原料を入手しやすく、製品を安価に輸出するための港湾機能の強化が必要だが、東播磨港の加古川・高砂地区の公共岸壁は-5.5mが最深であり、、近年の大型船舶の寄港に対応できていない。東播磨地域の各企業も浚渫を行うなど、岸壁環境の改善を図っているが、抜本的な解決とはなっておらず、大型船舶が利用できない状況が続いており、別の港で積み替えを行っている企業も多いのが現実である。
姫路港では、平成15年に-14m岸壁が1バースながら強要され、それまでの最大船型15,000GT(グロストン)級から30,000GT級の寄港が可能となり、新たな企業立地が薄みつつあると聞いている。さらに、来年は阪神・淡路大震災から25年を迎え、南海トラフ地震の危険性が高まる中、大規模災害時に支援物資の集積などの防災機能を備えることが可能な耐震岸壁も二見地区に1バースしかない。
今後の東播磨地域の発展のためには、東播磨港の臨海部に展開する企業が経済活動を拡大・発展できるように企業地先で埋め立てを展開し、企業用地を確保するとともに、国際競争力を高めるために、昨年の取り扱い貨物量が年間約3,600トン、神戸港に次ぐ取り扱い貨物量を誇る重要港湾・東播磨港にふさわしい大水深岸壁の整備が必要であると思う。所見を伺う。[濱県土整備部長]
②大水深岸壁も含め必要な岸壁や防波堤
③臨港道路などについて、平時に加え災害時の利用も念頭に置いた適切な規模や配置の整理が必要である。
今後の港湾計画の改定に向けて、来年度企業ニーズを把握するためのヒアリングを行う。
引き続き、東播磨地域の産業と経済活動を支え地域創生をさらに推進するため、港湾機能強化に取り組んでいく。