県議会公明党・県民会議は定例の研修会を2月13日に県庁内で行い、福岡壯治神戸電子専門学校校長が「市民発動の地域創生、兵庫・神戸への期待~東遊園地芝生化、078、神戸ホワイトディナー等を起こして分かったこと~」をテーマに講演しました。
福岡氏は、公共空間を市民が活用していく社会実験としての「神戸ホワイトディナー」や実験都市神戸の実現を目指したクロスメディアイベント「078(ゼロ・ナナ・ハチ)」、賑わいづくりとして進められている神戸・三宮の東遊園地の芝生化などの活動をけん引されています。それらを通して、まちづくりや地域創生について考えていきました。
はじめに、福岡氏は2015年5月に東遊園地でスタートした「神戸ホワイトディナー」について映像で開催の模様を紹介。参加する際の
▼全身白一色のコーディネートに統一
▼テーブル、イス食事などは参加者が準備する
▼各々ハンディキャリーで運べるもので装飾や最大限の効果を創出
▼参加者は開宴前2時間で準備し、閉宴後1時間で撤収する
-などのルールを説明し「公共空間にそれぞれがファッションや音楽などを持ち込み、同時にプロモーションしていく社会実験」とねらいを示しました。
また、都市の魅力を発信し、若者を呼び込もうと2017年から行われている「078」の実施までの経緯や様子を説明。。このイベントは街中をステージに、野外ライブからAI(人工知能)まで、多種多様な催しが行われるほか、映像と音楽、スポーツとテクノロジーなどいろいろなジャンルを組み合わせたクロスメディアイベントが各所で実施され、2019年には約7万8千900人が参加したことなどを解説しました。
さらに、校長を務める神戸電子専門学校について創立60周年を迎えた同校の取り組み方針や実績などを挙げ「国の教育改革に先駆けるとともに到来するAI時代を見越して、共創カリキュラムを準備するなど社会変化への対応に取り組んできた。AIの活用で働き方も変わってくるが人間の仕事として残っていくのはアート、クリエイティブ、ホスピタリティにかかわる分野。これから求められるのは、技術力と創造力を持つ専門職業人。その育成のため、基礎・専門・実務による共創プログラムを通じて、未来に対応できる人間力を提供している」と強調しました。
最後に福岡氏はまちづくりについて「領域や役職といったカテゴリーを超えたデザインが不可欠。障がい者や高齢者などさまざまな人のことも考慮し、何が必要なのかを考えること。地に足をつけた仕事を創っていくことが重要で、新しい仕事を創る中で文化ができてくる」と述べ、地域創生に向けてのヒントを示唆しました。
講演後の質疑では、「兵庫は五国といわれ、それぞれの地域が個性や特徴を持つが、一体感を持つには何が必要か」、「若い人たちに兵庫で暮らしてもらうには」といった質問が出され、これに対し福岡氏は「兵庫は人材の宝庫。高度なデザインによって一体感を作ると共に、地域の人たちが思いを寄せ合って文化や産業をつくっていくことが重要だ」、「大人が日々楽しく生活する姿を見せること。本物の大人がたくさんいればそれが魅力になる。それらを含めて学生の好奇心を喚起できれば」と自身の考えを述べるとともに、意見交換しました。