県議会公明党・県民会議は、9月15日、県庁内で「令和4年度当初予算編成に対する重要政策提言」を齋藤知事に申し入れました。
提言書では、新型コロナウイルス感染症収束への取り組みをはじめ社会状況などを挙げながら「兵庫は多様な地域が、バランスを保ち発展してきた背景を持ち、阪神・淡路大震災などを支え合いながら乗り越えてきた歴史を持つ」と指摘。
その上で「県民生活に直結する事業の水準を低下させることなく、それぞれの地域の強みを活かしながら、事業の再構築を」と各要望事項実現への取り組み求めています。
要望事項には希望と活力あふれる兵庫を目指して、防災・減災対策の強化、介護・福祉の充実、女性が輝く社会づくり、命を守るインフラ整備の推進などさまざまな分野にわたって施策を掲げ、来年度予算に盛り込まれるよう強く望んでいます。主な提言事項は次の通りです。
≪新型コロナウイルス感染症に関する最重点要望事項≫
1,疾病予防管理センター(CDC)の創設
新たなウイルスの備え、災害と同様に事前の準備で被害を軽減し、政令市・中核市の保健所も含めて県内保健所の一体的な連携体制を構築するため、疾病予防管理センター(CDC)を創設すること。
2,新型コロナの影響をふまえた財政運営と事業の見直し
来年度予算編成にあたり事業の見直しを進める際には、新型コロナウイルス感染症対策にかかる予算は十分確保するとともに、県民生活に直結する事業についてはその水準を低下させないように県単独事業の削減等は行わないこと。また、その見直しの内容については県民の充分な理解を得るとともに、県議会との合意形成を丁寧に行うこと。
3,緊急時に対応できる医療体制の構築
新型コロナ等、新たな感染症の急激な感染拡大に機動的に対応できるよう、病床や看護師などの医療人材を恒常的に確保すること。
4,新型コロナで影響を受けた農水畜産物の需要拡大
新型コロナで業務用需要が著しく影響を受けた県内の水産品、ブランド和牛、酒米の山田錦などの需要喚起策や学校給食への提供拡大、新商品開発などを推進し、県産農水畜産物の消費拡大に努めること。
5,ポストコロナ時代の自立分散型社会を目指す地域創生戦略の見直し
コロナ禍により、リモートワークやワーケーション等の経験を経て、地方移住、副業・兼業、ワークライフバランスの充実への関心が高まるなど国民の意識・行動に大きな変化が生じている。東京一極集中を是正し地方分散型社会の実現に向け、この変化を的確に捉え、デジタル環境整備を早急に進めるとともに、教育・医療・商業等がつながり合うスマートシティ構築を推進する等、ポストコロナ時代の自立分散型の多極的な社会を目指し、従来の地域創生戦略について適切かつ大胆に見直しを図ること。
6,離職者の再就職の促進
コロナ禍により影響を受けた離職者の再就職を促進するため、職業訓練や資格取得に向けた様々な支援を講じること。
7,観光振興の推進
コロナ禍の収束状況を見定め、深刻な打撃を受けた観光関連産業への大胆な支援策により観光需要喚起に努めること。さらに、長期滞在型観光やリピーター観光客確保、県特産品消費など地域交流と観光がマッチングする質重視の観光への展開を推進すること。
8,県民の兵庫県内の旅行を促進する取組
コロナ禍の収束までは、マイクロツーリズムといった県民の県内旅行を促進する取組を更に強化すること。
≪重点要望事項≫
1、企画県民部
①防災・減災対策の強化
②持続可能な県政の推進
③私学教育の充実
④安全・安心の地域づくり
⑤選挙権行使の利便性確保
⑥土砂災害特別警戒区域に係る固定資産税減免等
2、健康福祉部
①地域医療の充実
②介護・福祉の充実
③子育て支援の強化
④障がい児・者への支援強化
⑤その他
3、産業労働部
①多様な人材が活躍できる社会づくり
②働き方改革の推進
③女性が輝く社会づくり
③若者の活躍を促す環境づくり
④視覚障がい者の雇用・就業・定着の推進
⑤観光立県の推進
⑥中小企業の振興
⑦未来を拓く基盤づくり
4、農政環境部
①農林水産業の振興
②持続可能な環境の構築
5、県土整備部
①命を守るインフラ整備の推進
②公共交通・バリアフリーの充実
③道路交通網の整備
④関西3空港・神戸港の発展
⑤県内建設業者・運輸事業者の振興
⑥通学路対策の推進
⑦急傾斜地崩壊対策事業の受益戸数等の採択要件の緩和
6、病院局
①がん対策の推進
②障がい者への支援強化
③新型コロナウイルス感染症など感染症対策
7、教育委員会
①教育の充実
②通学路対策の推進
②スポーツ立県ひょうごの推進
8、警察本部
①安全・安心の地域づくり