定例の研修会を11月11日、県庁内で開催し、堺井啓公・2025年日本国際博覧会協会広報戦略局長が「2025年大阪・関西万博による経済効果と関西の活性化」をテーマに講演しました。
堺井局長は、はじめに名称(2025年日本国際博覧会)、テーマ(いのち輝く未来社会のデザイン)、開催期間(2025年4月13日~10月13日)、会場(大阪市此花区夢洲)、想定入場者数(約2、820万人)といった概要を説明。
また、今回の万博について「これまでは国威発揚や最新の科学技術などを発信する場であった。この万博はこれから共に創っていくことを掲げている。また、現在58の国と5つの国際機関が参加表明しており、ほかにも企業や様々な団体も参加する予定だ。2030年の持続可能な開発目標(SDGs)の達成のみならず、その先の未来の姿を示していくもの」と開催意義を説明しました。さらに、「『いのち輝く未来社会のデザイン』をテーマにしており、人間の命だけではなくあらゆる生き物とそれらを育む地球をも含んだ多様な命について考える機会になる」と話しました。
続いて、テーマ事業の「いのちの輝くプロジェクト」では、日本を代表する8人の専門家がテーマについて語り深めその成果を展示し未来に残すプロジェクトであることや次世代技術・社会システムの実証と先端技術・社会システムの実装の二つのレイヤーを念頭に置いた未来社会ショーケースに関して詳しく紹介しました。
次に全国レベルの機運醸成と万博観光について、万博観光を通して全国各地との連携を強化して大阪・関西万博の認知度を高めていくことと、地域の観光客増と万博への来訪者数の好循環が生まれるような自治体・観光事業者等が連携した取り組みの重要性を指摘。さらに、「国内外から万博に訪れた人は、万博のテーマを実践している地域、日本の自然や生活・文化を体験できる場所に行きたいと思ってもらえる。グループでの瀬戸内海などのツアーなどがあれば、チケットとともにツアープログラムも予約してもらえる可能性も出てくる。今後、旅行社等との連携も進めていければ」と関西全域の経済への波及効果に大きな期待を寄せました。
兵庫県との共創についても、会場内に設置される大阪をはじめ自治体が主体となるパビリオンでの出展や誘客のための仕掛けの必要性を強調しました。
このあとの質疑では、「万博に行った人々が、そのあと実際に兵庫県の播磨や丹波地域まで行って頂けるのか」との質問には「各地域の特徴をアピールできるかが大事だ。県が県内各自治体と連携をとってミニツアーなどの企画をすることも大きなポイント。会場で兵庫の食のフェアなどを行い、興味を持った人に、すぐに現地への観光サービスが提供できるように計画しておくことが重要になってくる」と提案しました。また、「前回の大阪万博で社会が大きく変わったように思う。今回の万博で期待することは」との質問に対しては「今は時代の変革期であり、その状況下での開催となる。ぜひ、世界への提案や日本の自慢できることを見せていきたい。一人ひとりの環境への意識と行動を変えていける仕掛けも考えていけると思う」と考えを話しました。