トピックス

  • 2022年08月10日 加藤県立大学特任・名誉教授を講師に研修会を開催 地域政策の観点からの今後の県政について意見交換

    県議会公明党・県民会議は、8月10日県庁内で定例の研修会を開催しました。これには、加藤恵正兵庫県立大学特任・名誉教授を講師として招き「地域政策最前線から見た斎藤知事によせる期待」をテーマに講演していただきました。

    加藤氏はまず、2016年のデータをもとに兵庫県の経済競争力は全国で17位で、それ以降は後退していることを示しました。その対策として兵庫県を含むそれぞれの地域が魅力を発揮し、広域的な視点から発展の構造づくりを構築していくことが喫緊の課題であることを強調しました。 

    次に全国的に様々な影響を与えている東京一極集中となった要因について、国内の企業がものづくりに力を入れ続けデジタル革命に対応が遅れたことや企業が国内営業に終始してグローバル化に十分に対応できなかったことなどを解説。また、政府側の失敗としては、既往の硬直化した社会経済システムが既得権益化し、市場構造の変化やグローバル化などに機動的に対応できなかったことをあげました。

    加藤氏は、一極集中解消の糸口として第2層都市圏域への政策集中という考え方を説明。「ヨーロッパ先進国では、首都に投資するより第2の都市に投資したり、重視した政策を講じることで地域の活性化、地方分権の推進を目指す傾向にある。日本では第2層都市圏とは関西だと思っている。多様な文化や成り立ちを持っており、まだまだ可能性を秘めている」と第2都市圏域の今後の重要性を指摘しました。

    さらに、地域の労働市場について「デンマークや北欧では、解雇・退職の自由の原則があり、一方で社会保障や失業給付制度は手厚くなっている。そのうえ国が退職者に技術を身につける支援を行い企業に就職させるという積極的労働市場政策という構造をつくっている。これからの日本もこのような発想が求められてくる」と話し、「コロナ禍の経験から、働くことは地域に根差したものということを実感した。県庁が地域労働市場の問題に取組始めたのは最近である。国が労働市場の一元管理ができなくなってきたので県内のことは県がやるべきである」と付け加えました。

    ほかにも、貧困問題について「日本はG7のなかで第6位。これまで日本で貧困の政策議論されることがなかった。地域で格差が見られる。貧困は複雑化している。もう一歩踏み込む必要があり、広域で考えることも大事である」と述べ、地域産業の未来図実現の可能性に関しては、「企業は自分のところだけ発展するのではなく、外部との連携の大切さを感じている。日本の企業もオープンイノベーションを進め始めている。この構造をどう地域でつくっていくかが、活力ある地域産業づくりに繋がっていく」とこれからの地域産業への考え方を示唆しました。

    最後に県版地域政策については「国として人材育成や連携強化のための産官学でのプラットフォームづくりを進めている。国は地域プラットフォームをつくっているが、縦割りになっている。兵庫県はちょうどいい規模の地域。県内で産官学という文化・立場の違うこの3つの連携強化に取り組んでいく必要がある」と述べ、そのうえで「プラットフォームができると知識、情報が共有できる。ぜひ県独自のものをつくっていってほしい」と兵庫県政に期待を寄せました。

    このあとの質疑では、各議員から「今後の県内の経済活性化への県としての課題は」「世界的に見て経済のあり方に限界が見られる。県の経済を県政がどうリードしていくべきか」、また、「神戸市の中心街のまちづくりなどに県がもっと協力することで県にもメリットがあるのではないか」といった質問が出され、地域や企業などの事例をあげながら意見交換しました。

    20220804_02.jpg

    20220804_03.jpg

公明党 兵庫県議会議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

  1. ホーム
  2. トピックス一覧
  3. 加藤県立大学特任・名誉教授を講師に研修会を開催 地域政策の観点からの今後の県政について意見交換