トピックス

  • 2024年06月17日 定例の研修会で奈良県立医科大学理事長・学長の細井裕司氏が講演 「軟骨伝導イヤホンの普及促進について」

    県議会公明党議員団13人は、6月17日に研修会を開き、奈良県立医科大理事長・学長の細井裕司氏を迎えて、「軟骨伝導イヤホンの普及促進について」の講演会を聴きました。細井氏の専門は、聴覚医学と住居医学などであり、日本耳鼻咽喉科学会議員、日本聴覚医学会理事などを歴任されています。また、日本音響学会や日本聴覚医学会において軟骨電動聴覚の研究会代表を務められるなど、幅広くご活躍中です。

    日本には1400万人の難聴者がいて、その90%は加齢による老人性難聴です。本人は聞こえているつもりでいるため、補聴器を必要としていません。ところが、補聴器なしでの生活は周りとの会話の減少を招き、社会での活躍の機会が失われることなどから、「難聴は認知症の重要なリスクファクター」と言われています。聞こえの環境を整備して聞こえることの楽しさを感じ、会話が弾めば、認知症の予防になると考えられています。加齢性難聴を改善する薬はないため、補聴器や集音器で改善することが有効なのです。

    細井氏は、高齢者をはじめとする難聴者が困らない社会を実現するため、民間企業と提携し、医学的観点から世界初の軟骨伝導イヤホンを開発し、普及に努めています。軟骨伝導は骨伝導とは全く異なり、耳の軟骨に音情報を含む振動を与えることにより、筒状の外耳道軟骨が振動し、耳穴の中に音を生成します。通常の気導音は音源が耳の外にありますが、軟骨伝導では音源は耳の中にできるので、明瞭に聞こえて音漏れがありません。また、清潔に使えるため外耳道の病気の心配もなく、耳穴を塞がず快適に使用できます。現在、販売している軟骨伝導イヤホンはポケット型のみです。他にも軟骨伝導を応用したスマートグラスや介護ロボット、イヤリングなどが開発されています。

    世界のイヤホン市場規模は500億ドル(約7兆5千億円)と巨大ですが、ほとんどの通信・音響機器は気導です。細井氏は、この大きな市場に軟骨伝導を取り入れることに外国企業が積極的であることに触れ、「日本発の技術を活用した製品開発企業を探しています。日本から世界に広められるようにご支援をお願いします」と議員たちに呼びかけました。

    一人ひとり軟骨伝導イヤホンを体感した議員たちは、予想以上のクリアな音に感動し、協力したい意向を示しました。

公明党 兵庫県議会議員団はSDGsを県の政策に反映し、力強く推進していきます。

  1. ホーム
  2. トピックス一覧
  3. 定例の研修会で奈良県立医科大学理事長・学長の細井裕司氏が講演 「軟骨伝導イヤホンの普及促進について」