第368回定例会初日において、齊藤知事の不信任決議が全会一致で可決されました。
不信任決議案に対する公明党会派として賛成討論は以下のとおりです。
「齊藤元彦兵庫県知事に対する不信任決議案」に対する賛成討論
公明党 越田浩矢です。
公明党議員団を代表いたしまして、齋藤元彦兵庫県知事に対する不信任決議案に、賛成の立場から討論を行います。
我々公明党議員団は、6月定例会で百条委員会の設置に反対しました。この真意は、決して百条委員会の設置自体を否定したものではなく、全議員総意で知事に申し入れた第三者機関の調査を優先させ、証言いただく職員の精神的負担を少しでも軽減させるべきとの思いでありました。しかし、百条委員会が設置された以上は、文書問題に係る真相解明に向け、今までも取組んできましたし、最後まで全力で臨む覚悟です。
今回の文書問題は、告発文書を認識した当初時点において、疑惑を受けた当事者である知事自身が、「誹謗中傷性の高い文書」、「真実相当性がない」と判断したことが最大の問題であり、兵庫県のトップで最大の権力者である知事自身の疑惑は、客観性ある第三者による調査が必須であったにもかかわらず、文書で違法行為を指摘されている副知事をはじめとする幹部と対応を協議して、告発者探しを行ったことがまさに「不適切の極みであった」と言えます。
また、参考人として招致された公益通報者保護制度・検討委員会の委員でもある山口弁護士も「明らかに違法」と指摘しています。知事は初期対応の時点で公益通報者保護法のことは検討していないとしており、この点からも公益通報者保護法に基づいた適切な対応がなされていなかった可能性が疑われます。
本来は、百条委員会や第三者委員会の調査により結論を得た上で、知事の進退を判断すべきであると考えます。しかし9月議会初日である本日、不信任決議を行うのは、県政の混乱を一刻も早く収め、信任を受けた知事のもとで、県民生活を守るための物価高騰対策や、人手不足対策、深刻化する人口減少社会への対応など、山積する課題解決に向けた、来年度の予算編成作業をスムーズに進めることが非常に重要であるからです。更に、県庁に殺到している批判の電話応対や、各種会議やイベント等の、延期や中止が発生するなど、知事に対する信頼が失われている状況を打開し、県職員の正常な職場環境を取り戻し、十分な県民サービスが提供できる体制を早期に再構築する必要があります。
そのために、9月12日に4会派と無所属で知事が9月定例会までに辞職することを申入れたところですが、辞職されずに開会日を迎えたことから、改めて不信任決議案を全会派、全議員が一致団結して提出し、可決しようとするものです。
知事がこれまでの実績をあげ、文書問題への対応が適切だと考え、引き続き県政を担いたいと言うのであれば、潔く辞職し、再び知事選に出馬して県民の信任を得るべきです。この不信任案は、知事と議会の対立ではなく、文書問題への対応における、不適切かつ違法性の高い行為に対する県民の批判に基づいて提案しています。我々86人の議員も県民の負託を受けています。県民の代表である県議会が、全会一致で不信任決議することは、知事への県民の付託が否定されていると重く受け止め、速やかに辞職すべきです。
我々公明党議員団は、これからも、告発文書の真相解明と、生活者の視点に立った政策を実現できるよう、全力で取り組む決意を改めて表明し、議案に対する賛成討論と致します。